【バニラビート】 [編集]
《駱駝の御輿》や《アクア・ティーチャー》の能力を十二分に利用し、大量のバニラを並べてビートダウンを行うデッキ。
キーパーツや質の良いバニラが多い自然と水のいずれか、または両文明を搭載したデッキを中心に組まれ、他の文明は種族やバニラサポートを考慮した上で採用される。
駱駝の御輿(マツリダワッショイ) UC 自然文明 (1) |
クリーチャー:ビーストフォーク/ハンター 3000 |
ガードマン |
このクリーチャーは攻撃することができない。 |
コスト3以上で、カードに能力が書かれていないクリーチャーの召喚コストを2少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。 |
アクア・ティーチャー C 水文明 (1) |
クリーチャー:リキッド・ピープル/ハンター 1000 |
ブロッカー |
このクリーチャーは攻撃することができない。 |
カードに能力が書かれていないクリーチャーを召喚した時、カードを1枚引いてもよい。 |
《駱駝の御輿》の能力でバニラクリーチャーはコストが軽減されるため、軽量高パワーのクリーチャーを展開することができる。
加えて《アクア・ティーチャー》の能力で手札を補充することができるため、従来のビートダウンに見られる手札の息切れが少ないのも特徴。
主要カード [編集]
バニラサポート [編集]
その他サポート呪文・クロスギア・城 [編集]
バニラ以外のクリーチャー [編集]
進化の候補 [編集]
バニラの候補 [編集]
自然 [編集]
無色 [編集]
※《ゾンビポンの助》は《アクア・ティーチャー》により、0コストの疑似《ガード・グリップ》として使う
多色 [編集]
基本的に水か自然のどちらか、もしくは両方を使って組まれる。
1ターン目からマナを総動員する必要があるため、採用する文明は基本1〜2つ。最大でも3つが限界であり、多色は基本入れられない。
また《番長大号令》や《反撃の城 ギャラクシー・ファルコン》を使う際には、できるだけバニラもハンターで固めておきたい。
そうでない場合は、墳墓避けとして可能な限り別のクリーチャーを採用すべきである。
各文明の特徴 [編集]
バニラビートの開祖《アクア・ティーチャー》が存在。他にも《アクア・ジェスタールーペ》や《海底鬼面城》などでカードの補充を担う。
DMD-17の登場により単色のリキッド・ピープル軸が出現。
リキッド・ピープルのバニラをバラまくことによって《零次龍程式 トライグラマ》をG・ゼロで出したり、シンパシー持ちの《龍素記号iQ サイクロペディア》の運用が可能。《クリスタル・スーパーパラディン》でブロッカー対策も可能。
《Dの学園 ナメティック・アカデミー》の登場により、水文明のみで組むことが現実的になった。
自然 [編集]
3コスト以上のバニラを2マナも軽くする《駱駝の御輿》が存在。《純白設計図》という強力な手札補充を獲得、単色での構築も可能。
自然の3コストのバニラは他文明よりややパワーが高めである為、若干であるが除去耐性や殴り返しに強い点がポイント。《カンクロウ・ブラスター》や《ナメナメ・ナメコー》のようなフィニッシュカードも万全。
《ベイB ジャック》が登場してからはバニラビートの立場が一変。バニラビートはたちまちエクストラウィンを勝筋とするループコンボへと姿を変えた。
自然の次にバニラの質が良い。
2マナで2019の《亥年の宴上者 ベンベー》、最大のバニラ《激竜王》を持つ。
ハンターサポートの《反撃の城 ギャラクシー・ファルコン》や《必殺!オレの爆炎!!》も使用可能。フィニッシュには《解放の女傑 ドラクロワ》や《メガ・ブラスター》が使える。
ほかの文明に比べバニラの質が下がるが、後に3マナのバニラである《究極男》と《封魔神官 バニラビーンズ》が登場。特には前者は非常に多くの種族を持っているので、種族を生かした構築にする場合は役に立つことがある。
キーカードの《駱駝の御輿》《アクア・ティーチャー》が破壊されても、いざとなれば墓地回収で復活されられる点も見逃せない。
サポートにはバニラを2体リアニメイトする《砂場男》がいる。
1コストのバニラクリーチャーである、《予言者クルト》や《希望の親衛隊ラプソディ》を搭載できるのが最大の利点。他には《光撃巨兵レーザリオン》や《白騎士の予言者エフィア》などの3マナ3500のバニラを投入できる。
また《ダイヤモンド・ソード》を搭載することにより、本来攻撃できない《駱駝の御輿》や《アクア・ティーチャー》が攻撃できるようになる。
他には《閃光の守護者ホーリー》や《霊騎コルテオ》といった全体タップによる同系対策が可能。
無色 [編集]
コストに対してパワーが非常に高い《ノウメン》と《破界の右手 スミス》を搭載できる。
サポートには《無記のイザナイ ウェンディゴ・アパッチ》や《神聖祈 パーロック》といったバニラサポートも登場した。
バニラビートはマナゾーンのカードをフル動員するので、無色は入れ過ぎると色事故を招くので要注意。
型分け [編集]
水+自然型 [編集]
最も基本的なタイプ。ハンター型とも呼ばれる。
《駱駝の御輿》でコスト軽減したバニラを《アクア・ティーチャー》のドローで流れるように並べていく。2体が揃えば爆発的な展開を見せる。ともにハンターなので《番長大号令》でサーチが可能なのが強み。
ここに火文明の《必殺!オレの爆炎!!》等を入れると破壊力が段違いになるが、多く積むとデッキの色事故が起こりやすくなる。《アクア・ティーチャー》のドローで山札を引ききるつもりなら、フィニッシャーとなる他文明のカードは3〜4枚程度でも大丈夫なのでデッキのバランスを考えて組み込もう。
1マナで出せるとはいえ、2体ものシステムクリーチャーに依存する為、事故を起こした場合の立て直しが非常に難しい。予備のドローソースを用意するなどしておきたい。
青単型 [編集]
主にリキッド・ピープルの種族デッキとして組まれる。
《アクア・ティーチャー》のドローから《アクア戦闘員 ゾロル》などのリキッド・ピープルを並べ、《龍素記号iQ サイクロペディア》や《零次龍程式 トライグラマ》、《超神星マーキュリー・ギガブリザード》などを出して止めを刺す。《伝説の正体 ギュウジン丸》は味方にすると心強いが敵にすると手ごわいので注意。
《アクア・サーファー》や《アクア・ジェスタールーペ》をすんなり組みこめるのも利点。
緑単型 [編集]
ドローソースに《純白設計図》を採用するタイプ。
《ダイヤモンド・カスケード》を使ったスノーフェアリー型や《味頭領ドン・グリル》《グレイト・カクタス》《バロン・ゴーヤマ》などを使ったワイルド・ベジーズ型、《駱駝の御輿》を進化元として共有できるビーストフォーク型などが組める。《眠りの森のメイ様》を使ったドリームメイト型も考えられる。
ワイルド・ベジーズ型は《千切秘伝ワイルド・ベジタブル》、《味頭領ドン・グリル》などG・ゼロへの依存度が比較的高いため、マナ回収したカードをコストを支払わずに使えるという点から《スナイプ・モスキート》が重要になるだろう。
《駱駝の御輿》を使うかどうかでもプレイヤーの個性が出るか。
光+水型 [編集]
1マナバニラの《予言者クルト》と《希望の親衛隊ラプソディ》を搭載したタイプ。従来のものよりもさらに素早い攻めが可能である。
《アクア・ティーチャー》+《秘精機士マンモキャノン》を一気に出せれば、次のターンからマナのある限り光の1マナバニラと水の2コストバニラを出し続けられる。
《瞬封の使徒サグラダ・ファミリア》によるS・トリガー封じや《スーパー・スパーク》によるタップなどの小技も効く。
無色タッチ型 [編集]
水か自然、またはその両方に無色をタッチした型。
ほぼ《無記のイザナイ ウェンディゴ・アパッチ》か《神聖祈 パーロック》を使いたいためだけに組まれると言っても過言ではない。
パーロック型 [編集]
デッキのバニラをパーロック関連で固めたタイプ。水に自然、もしくは無色が入って組まれる。
それらだけでも6種類のバニラがいるので、構築は十分可能。ややファンデッキ寄りだが、《アクア・ティーチャー》と《駱駝の御輿》による基盤をそのまま使えるので、やはり侮れない強さを持っている。
ただし、4マナが多いので《駱駝の御輿》が出せなかった場合の立て直しが難しいことに注意。
背景ストーリーを重視するならば《お宝猫ニャンジロー》も添えておきたい。
サムライ型 [編集]
DMデッキ開発部で紹介されたタイプ。水と火と闇で組まれる。
《蒼狼アクア・ブレイド》、《組頭リュウノスケ》、《究極男》の3種のサムライバニラを使う。
それらを5体並べて《ボルメテウス・剣誠・ドラゴン》をG・ゼロで出し、《竜装 ザンゲキ・マッハアーマー》を無料でクロスして一斉攻撃で止めを刺す。
3色なので色事故が怖いが、あまり見ない構成なのでギャラリー受けはいいだろう。
DMRP-06にて《八艘剣士ヨシツネ》が登場。《究極男》と闇を抜いた青赤の2色で組み直せる可能性がある。
ロメール型 [編集]
DMデッキ開発部で紹介されたタイプ。水と闇で組まれる。
サイバーロードとヘドリアンを採用して、《超電磁妖魔ロメール》に進化させる。
《海賊の祈祷師 レディ・パーロック》や《究極男》が主力として使えるほか、サポートの《砂場男》がそのまま進化元になるのが利点。
パーロック・スマイリーストーリー型 [編集]
DMEX-12で誕生した型。《パーロック・スマイリーストーリー》の大量展開から1ショットキルを狙う。
水/火/自然の3色で組まれ、多色や重量級バニラが入りやすいのが特徴。
一方でバニラを手打ちする機会は減りがちな為、《駱駝の御輿》は入らない事もある。
肝心なのはどれだけ早く5マナに到達するかという事。
一気に2マナ加速してくれる《バニラ・ゾーン》で流れる様にこのカードに繋げたい。
《青銅の鎧》や《風の1号 ハムカツマン》といった3ターン目のマナ加速クリーチャーも次のターンにこのフィールドに繋げつつ、コスト踏み倒し用のアタッカーとなってくれるので有用。
バニラドラゴンばかりにして《メンデルスゾーン》から繋げるのも手。
《龍素記号Va ジェラード》や《激竜王/ガイアール流激烈竜王破・滅》といったドラゴンでデッキの半分以上を占められるので、マナ加速の成功率も高めにできる。
《熱血龍 パラスラッガー》や《トット・ピピッチ》でスピードアタッカーにするとフィニッシュ力を高められる。
とにかく《パーロック・スマイリーストーリー》を出すまでが勝負なので、防御は《アクア・ティーチャー》と《パーロックJr./新たなる旅立ち》に託そう。
ベイB ジャック型 [編集]
一般に【バニラジャック】と呼ぶ。《ベイB ジャック》登場時は、バニラデッキの主流となり、環境に進出したことも。
バトルゾーンに《ベイB ジャック》、《アクア・ティーチャー》、《駱駝の御輿》を揃えることで、最速2ターンでデッキのバニラを出し尽くすことができるようになった。
そこから用意できる大量のマナを使うことで次のターン中に《ハイドロ・コミューン》と《偽りの名 iFormulaX》の2つをプレイしてエクストラウィンを狙う、先に《伝説の正体 ギュウジン丸》でクリーチャーを退かしてからタッチした赤を使って《ジョリー・ザ・ジョニー Joe》のエクストラウィン能力を確実にトリガーさせるなどの勝筋があり、3ターンキルも理論上は可能。
厳密にはビートダウンではなくループコンボであるが、このタイプにおいても全体除去のケアとして大型をぶつけてビートダウンすることも普通にあるため、この項に記載することとする。
しかし必須パーツである《ベイB ジャック》は2018年3月1日にプレミアム殿堂となり、殿堂レギュレーション下ではこの型は完全消滅した。
サンマックス型 [編集]
いわゆる【緑単バニラサンマックス】。
《駱駝の御輿》で3コストの自然のバニラを並べ、《トレジャー・マップ》で《S級原始 サンマックス》を補充し、最後にマナゾーンから《S級原始 サンマックス》に侵略することによって1ショットキルを行うという型。
速ければ4ターン目にダイレクトアタックが成立する攻撃的な型。ただし、手札を増やす手段が《純白設計図》程度しかないのが難点。
ミッツァイル型 [編集]
通常通りバニラを並べてから《BAKUOOON・ミッツァイル》着地に繋ぐ型。
[バニラGRクリーチャーでも《アクア・ティーチャー》によるドローを行えるため、除去カウンター札などによって盤面を処理されてワンショットに失敗しても、次のターンに増えた手札によって途切れることの無い攻めを仕掛けることができる。
このデッキの弱点 [編集]
展開力を《駱駝の御輿》と《アクア・ティーチャー》に依存しているので、事故と除去が辛い。《海底鬼面城》など予備のドローソースも用意するのが無難か。
また、《アポカリプス・デイ》などの全体除去にも弱い。特にコストを参照する《温泉 湯あたり地獄》《めった切り・スクラッパー》などはどうにもならない。クリーチャーであれば《猛虎ライガー・ブレード》や《ボルシャック・スーパーヒーロー》なども天敵となる。
特に《メガ・マグマ・ドラゴン》には要注意。クリーチャーが並ぶためコスト軽減を許し、最悪1マナでついでのようにこちらのクリーチャーを一掃してくる。出されたら最後、壊滅は確実である。特に《ベイB ジャック》軸ではデッキのバニラを出し尽くすことが容易であるほどのその展開力が仇となって、それこそ除去された後に山札に必要カードがほとんど残っていないということもざら。
《伝説の正体 ギュウジン丸》に至ってはエクストラウィン達成の手助けという利敵行為でしかなく、自分のクリーチャーの数次第では即敗北が決定してしまう。
一応、《スーパー炎獄スクラッパー》などの割り振り火力や、《ミリオン・スピア》のようなパワーを参照するものは《雪要塞 ダルマンディ》で対策できる。《封魔ゴーゴンシャック》や《停滞の影タイム・トリッパー》で時間が稼ぐのもありだろう。
その他 [編集]
- 《駱駝の御輿》や《アクア・ティーチャー》などのキーカード、デッキの半数を占めるバニラカードはレアリティが低く、非常に安価でデッキを作ることが出来る。それほど出費が必要が無い点はカード資産の面で有利だろう。
- ただし、いざゼロから集める場合、需要のないバニラカードが再録されることは少なく、絶版の物が少なくない。また、コモン、アンコモンのカードは大抵整理されずにバラ売りされているので探すのが面倒な場合も。また、上級者でも以前のバニラの使い道の無さから、売却、廃棄などで手元に無いこともある。しかし、どのエキスパンションにもバニラカードはたいてい封入されているため、新弾を買うついでに集めると無駄が減るだろう。
- 資産はかかるが《超神星マーキュリー・ギガブリザード》をフィニッシャーに添えるタイプも大会で結果を出している。
ティーチャーとマツリダによる展開力により進化元が揃えやすくなり、さらにバニラクリーチャーの打撃力の低さを補う事が出来る。
- バニラの展開を戦術とするDMD-17と、DMX-16にバニラパックが登場したことによって必要なパーツは大分集めやすくなっている。
- 極端に軽いカードを1ターンに何枚も連打するという性質から、2色程度でも色事故が頻発するという珍しいデッキタイプ。そのため見た目に反してプレイングのレベルは高めで、上級者でもある程度の慣れが必要。
- ゼロ文明キング決定戦では安価で組めるデッキとして広く使用されていた。
大会が開催された頃には無色のカードが数が多くなくほとんどがゼニスデッキであった為、【速攻】対策があまりされていなかったこともあり意外にも結果を残していたりする。
- 公式HPのDMデッキ開発部でもいくつかのバニラビートを紹介している(週刊!DMデッキ開発部DASH Vol.92)。個性的なものが多いため、ぜひ目を通しておきたい。
参考 [編集]