ループ [編集]1枚または複数枚のカード、または能力を何度も繰り返し使用すること。サイクルと呼ばれることもある。 基本的にはコンボを利用するため、成立にはそれなりのターンを要する。しかしあまりにも成立ターンが早すぎたり(【ジョバンニスコール】、【メルゲループワンショット】、【緑単ループ】等が該当)、それなりに強固な防御手段を確保していたり(【天門ループ】、【マークロループ】等が該当)すると、規制の対象になりやすい。 ループコンボ(ターンをまたぐもの)について [編集]毎ターン同じ行動ができる状態を作り出し、アドバンテージを稼ぎ続ける戦略。サイクルと言えば、こちらを指すことが多い。 古くには呪文をマナゾーン経由で回収してする【化身コン】が組まれた。 他には《霞み妖精ジャスミン》などの自壊クリーチャーのcipを使い回す【激天下コントロール】、《封魔フォラス》でクリーチャーを破壊して墓地から回収する【フォラスループ】、《凶星王ダーク・ヒドラ》で《龍神ヘヴィ》を使い回す【ヘヴィループ】などがある。 コントロールでは回収によるカードの再利用が重視されることがある。《激天下!シャチホコ・カイザー》の様なシステムクリーチャーを利用することで、マナコストを消費せずにカードの能力を使うことができる。除去には弱いものの、うまく使えば膨大なアドバンテージを積み立てることができる。 また、殿堂入りしたカード、銀の弾丸のために投入されたカードなど、1枚しか投入されていないカードでも何度も使うことができる。また、墓地回収やマナ回収の場合狙ったカードを拾うことができるため、ドローソースで引いてくるより確実と言える。 毎ターン同じことを繰り返すという性質から、相手の行動を縛るロックや前述の通りコントロールなどに組み込まれることが多い。 ループコンボ(同一ターンのもの)について [編集]同一ターンの間に同じことを繰り返すループも存在する。上記と区別して「無限ループ」と呼ばれることがある。 前述のターンをまたぐループと違い、相手にターンを渡さないことが最大の特徴。ループしている間、相手は基本的に手を出すことができない。よって、ループ中あるいはループ終了時点で勝利が確定するか、それに準ずる圧倒的有利な状態を作り出せるようにデッキを組むのがベスト。 ループの中に好きなカードを組み込める場合、相手の山札のカードを移動させる能力を繰り返し使用し、相手を墓地送り以外でライブラリアウトに陥れる形が最も確実。クリーチャーなら《黒神龍ザルバ》か《曲芸メイド・リン・ララバイ》、呪文なら《アルカディア・スパーク》などがそれにあたる。 墓地送りによるライブラリアウトは、カードの種類にもよるが、この中では重要性は低くなる。これは《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》の存在が大きい。
他には、《光霊姫アレフティナ》や《サイバー・J・イレブン》のエクストラウィンの条件を、シールドやクリーチャーが増えるループによって満たす戦略がある。ライブラリアウトおよびこの2種のエクストラウィンは、ループ中に条件を満たした瞬間に勝利が確定するため、数あるループの中でも特に即死性が高い。 ライブラリアウトや上記種類のエクストラウィンを狙えない場合は、《トンギヌスの槍》や5コストドラグナーを回すものが好まれる。前者はシールド・バトルゾーン・マナゾーンを、後者は《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》を完成させてバトルゾーン・墓地・手札を、それぞれ纏めて山札送りにでき、妨害手段を奪って安全に攻め込む体制を作ることができる。 無限ループのための「無限ループ」と「チェイン・コンボ」 [編集]最終的なループコンボを成立させるためには、得てして大量のマナブースト、ないしは極端な山札圧縮が要求される。これをターン経過のみで実現しようとするのは得策ではない。このループコンボの成立条件を満たすための下準備として、別のループコンボ、ないしはチェイン・コンボが設計される。いわば「ループのためのループ」である。 チェイン・コンボの段階では勝利を確定できないものが多く、プレイヤーの技量が試されるのはここでのプレイングである。最終的なループコンボ以外は一見勝利には直結しないプレイングになるため、あまりにも複数のパターンのコンボを間に挟むと、対戦相手に冗長だと思われるケースがほとんどである。 本当にオーバーキルか否かは第三者によって検証してみないことには断言できないが、いずれにせよソリティアになる以上は早急な決着が望ましい。 無限ループの機構の種類 [編集]無限ループの機構を大まかに分類すると2種類に分けられる。 「途切れるループ」の例としては、【イメンループ】や【ラララオプティマス】などが存在する。どちらもサルベージやマナ送りを利用して同じカードを延々と使い回し、大量のマナブーストを行う。あるカードが何度も使用できれば膨大な手札やマナが得られるため、それを利用すれば簡単にゲームエンドに持ち込める。 これらの最大の特徴は1アクションごとに待機状態の誘発型能力が消失する点にある。つまり自分のメインステップ、あるいは攻撃ステップ以外ではループを達成させることができない。また《百発人形マグナム》等の相手のメタクリーチャーと対峙する場合は、本格的なループに入る前に除去する必要があるケースがほとんどである。 これに対し「途切れないループ」の例としては、【天門ループ】や【知新ジャスティス】が該当する。これらは他の誘発型能力の解決によって別の誘発型能力が誘発するように設計されており、何かしらの誘発型能力が必ず待機し続けている。また、誘発型能力の解決順は誘発順に縛られない。これにより、ターン・プレイヤーであれば、解決権の優先順位から《百発人形マグナム》等を無視し続けることができるケースが多い。 《百発人形マグナム》等がいなければ、相手ターン中であっても勝利条件を満たす場合がある。【天門ループ】等はさらにS・トリガーの優先解決のルールも利用しており、「途切れないループ」を語る上でこの2つの「優先権」を外すことはできない。
無限ループとジャッジについて [編集]ループコンボは同じプレイングを何度も繰り返す都合上、競技イベント運営ルールの規定により「初期状態に戻ったことが確認された」ならば、その一連の工程(サブルーチン)を繰り返す場合は省略することが認められている。 2017年11月20日には競技イベント運営ルールが更新、ループ中にランダム要素が関わる場合、最も望む結果まで省略することが可能になった。 その他 [編集]
ループコンボの変遷 [編集]黎明期ではループと言えば【化身コン】などのターンを跨ぐ再使用ループのことを指した。 DM-13で《生命と霊力の変換》が登場すると、初の無限ループ型コンボ【変換エンドレス】が成立。ただしこの頃はコンボパーツも多く、カジュアル戦でも達成が困難であった。 DM-16で《メタルコックのタイマー》が登場すると《日向草》との無限攻撃コンボが考案された。 不死鳥編に入ると様々なループコンボが考案され、達成難易度も比較的緩くなり始めた。 DM-20では《封魔フォラス》と《百発人形マグナム》が登場。前者は《凶星王ダーク・ヒドラ》と組ませた【フォラスループ】が考案され、後者は《盗掘人形モールス》と組ませた無限ループが考案された。こちらは初のマナが絡まない「途切れない」ループであり、《屑男》と組ませて無限にドローするなどコンボパーツを組み込んで応用できた。 DM-21では《霊騎アガジム》の登場により無限攻撃が可能な【アガジムループ】が誕生。《ビックリ・イリュージョン》を使い、無限アタッカーにして1ショットキルを決める即死コンボである。コンボパーツが少ないため手軽に組めるのが長所。 DM-22では《森の歌い手ケロディナンス》が登場し、【ケロディナンスライブラリアウト】が成立。《賢察するエンシェント・ホーン》に比べてマナのアンタップ条件が比較的容易。《黒神龍ザルバ》がこのデッキに採用されていたことや、直後にライブラリアウト呪文3種が全てプレミアム殿堂入りしたことから、ライブラリアウトは即死コンボ型を指すようになっていった。 DM-23では《曲芸メイド・リン・ララバイ》を獲得。山札回復を絡めれば3枚目の《黒神龍ザルバ》となった。 後に【ナウ・オア・ネバーループ】で活躍することになる《龍聖霊ウルフェウス》はDM-24で登場。当時から《封魔ラベリーズ》と《母なる大地》を組み合わせてループが行えた。《母なる大地》がプレミアム殿堂入りしたDM-31環境以降も《フォース・アゲイン》でリペアが可能。 DM-25では《霊神ゴウ》が登場し、《百発人形マグナム》と《盗掘人形モールス》のループにマナブーストを組み込めるようになった。また、《凶星王ダーク・ヒドラ》、《怒りの影ブラック・フェザー》、《薫風妖精コートニー》と組み合わせてもループが成立する。 DM-26では《剛勇霊騎エシャロット》を獲得。ただしこれを使ったループコンボは裁定変更により現在使用不可能なので注意。 DM-33で《神羅ヘルゲート・ムーン》が登場すると【ヘルゲート・ムーンライブラリアウト】が成立し、マナが絡まないループで即死コンボを行えるようにもなった。 エピソード1環境においてDMR-03で《偽りの名 ゾルゲ》が登場すると【紅蓮ゾルゲ】が成立し、環境入りを果たした。無限ループデッキとしては初の環境入りとなる。 エピソード3環境では【メルゲループワンショット】や【ラララオプティマス】などが登場し、環境でも頻繁にループデッキが散見されるようになっていく。 ドラゴン・サーガ環境以降、無限ループ型のデッキは「○○ループ」という呼び方が定着した。(例:【イメンボアロ】【ボアロアックス】→【イメンループ】【マジシャンループ】、【緑単サソリス】→【緑単ループ】、【知新ジャスティス】→【ジャスティスループ】【祝門ループ】、【暴発ミルザム】【ミルザムエメラルーダ】→【天門ループ】など) 現在では《水上第九院 シャコガイル》によるエクストラウィンが主流となっている。 再使用ループの例 [編集]
無限ループコンボの例 [編集]誘発型能力の解決が「途切れるループ」 [編集]爆熱DX バトライ武神は2020年の裁定変更でループ不可 誘発型能力の解決が「途切れないループ」 [編集]
その他 [編集]初期盤面に戻すことのできるループが存在する場合に、個々の能力誘発・解決を厳密に行わずスキップすることのできる「ループ証明」をルールに取り入れているカードゲームは珍しい。 日本で比較的遊ばれる機会が多い、遊戯王やポケモンカードゲームでは、ループ証明がルール化されていないため、全ての手順を何度も繰り返す必要がある。前者に至っては、同名カードを何度でも使いまわせる動きそのものを一種のバグであるかのように取り扱っており、ほとんどのカードにターン1制限が設けられているほか、プレイヤーによって無限ループが見つけられ次第、カードの性能を低下させるエラッタが実施される傾向にある。 シールド等による逆転要素が比較的多めなデュエマにおいて、逆転を認めないデッキタイプが発生するのが自明であり、そうした逆転を認めない動きを簡略化できるループ証明はデュエマの文化の一つと言えるかもしれない。 デュエル・マスターズ プレイスでは [編集]【マーシャル・クイーン】 (デュエプレ)などの無限ループデッキを作ることできるため、カードプール上無限ループデッキが作れないということもない。 リソースを再利用するタイプのサイクルループは、【大地サイクリカ】 (デュエプレ)などが活躍したことがあるが、こちらもナーフによって存在が消えている。 有名な無限ループ [編集]いずれもループ中に《冥府の覇者ガジラビュート》などのcipでシールド焼却できるカードを繰り返しコスト踏み倒しすることで、シールドを全焼却し、ダイレクトアタックするタイプのループデッキである。
参考 [編集]タグ:
|