確定除去 [編集]
概要 [編集]
バトルゾーンにあるクリーチャーやカードをそれ以外のゾーンに移動させたり、封印して使用不可にしたりする俗称「除去」のうち、便利であったり優秀だったりすることを強調するために用いられる用語。
カードプールが拡大するにつれ、除去置換効果や離れない効果により除去ができない、そもそもアンタッチャブルで選択すらできないなどのケースが増えており、名前と実情が一致しなくなってきている。
熟語とは意味がかけ離れてしまっているため、この用語を使う人が自由に解釈を広げることができてしまい、当Wikiでもかなり曖昧な使われ方が散見される。
- 従来の確定除去の意味をより適切な言葉で表現するなら、「無条件除去」と言った方が正確か。
しかし語呂が悪いので無条件除去は用語として定着していない。
特徴 [編集]
後述の「成り立ち」でも解説するが、確定除去という用語の発祥は《デーモン・ハンド》の効果およびそれの代替となりうる効果である。
とはいえ《チェイン・スラッシュ》や《ブラッサム・トラップ》にはそれら自体の使用率の低さもあり、あまり確定除去とは浸透していなかったりする。
デーモン・ハンド R 闇文明 (6) |
呪文 |
S・トリガー |
相手のクリーチャーを1体破壊する。 |
ナチュラル・トラップ R 自然文明 (6) |
呪文 |
S・トリガー |
バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置く。 |
厳密な決まりはないものの、以下の特徴に当てはまるものは確定除去と呼ばれることは少ない。
- 対象の状態(タップしているなど)や特性(パワー、コスト、文明など)を参照して効果を判断するカード
- ただし条件がゆるいものはこの法則を無視して確定除去と呼ばれることがある。
例として「進化ではない」クリーチャーだけ選べる《魂と記憶の盾》、「多色ではない」クリーチャーだけ選べる《炎獄スマッシュ》、「光、水、闇、火、自然の」クリーチャーだけ選べる《最凶の覚醒者デビル・ディアボロス Z》、「パワー25000以下」のクリーチャーだけ選べる《ダイナボルト <カツキング.Star>》などが挙げられる。
- 自他ともにすべてを巻き込むもの(リセット系)
- 《アポカリプス・デイ》や《オールデリート》などは、対処したい相手のクリーチャーをピンポイントで除去するわけではないので確定除去とは呼ばれにくい。
- バウンス
- 手札に戻す除去は、1ターン後には再召喚されてしまうので対処にはならず、従来の定義は確定除去ではなかった。
しかし、対戦の高速化で「その1ターンを稼げばゲームに勝てるほどのアドバンテージを得られる」ような可能性もあり、特に定義が曖昧になった時期に確定除去扱いでもてはやされる場合もある(例:《闇参謀グラン・ギニョール》)。
また、覚醒編から登場したサイキック・クリーチャーの存在も理由として考えられる。サイキックにバウンスを当てると即座に超次元ゾーンに戻るため、この場合には除去として《デーモン・ハンド》や《ナチュラル・トラップ》と同等の威力を発揮するようになったのである。
逆に、本来なら確定除去と呼ばれないはずの効果でも、「確定除去に近い働き」と扱われるケースもある。
- 特定条件下で対処したい相手に効力を発揮するカード
- 該当する相手のクリーチャーが1体しかいない場合の選ばせ除去によく見られる。
2ターン目に出された《異端流し オニカマス》を、返しのターンに《学校男》や《ゼンメツー・スクラッパー》で返り討ちにする動きは、役割としては確定除去カードを使ったものに近い。
また、出たターンにすぐ攻撃できるクリーチャーが少なかった時代は、アンタップしている相手を選ぶ《デス・スモーク》が確定除去に匹敵する効果と考える人もいた。
成り立ち [編集]
除去とは、相手クリーチャーに干渉する方法の一つであり、その優秀さに応じてコストの軽さ・重さが変動する傾向にあった。
例えば、《デス・スモーク》はコストは4だがタップしたクリーチャーを破壊することができず、《炎獄スマッシュ》もコストは4だが多色ではないクリーチャーしか破壊できない。
唱えても除去を遂行することができない可能性のあるカードということで「非確定な除去」と認識されたのだろう。
それに対してコスト6の《デーモン・ハンド》は相手のクリーチャーならば、「進化ではない」や「多色ではない」など特性や状態を問わずに破壊できるため、先ほどの例と対比させて「確定除去」と名付けられた。
また、火文明の主要な除去手段であった火力は、どれだけコストが高くなってもパワーを参照する都合上、どうしても破壊できないクリーチャーも存在することになってしまう。
実際、コスト7の《ドリル・トラップ》はパワーが6000より大きいクリーチャーを破壊することができない。
闇文明の除去は《デーモン・ハンド》クラスになれば、基本的に破壊できないクリーチャーは存在しない。
つまり、火文明では成し得ない最高峰の除去という意味合いも込めて「確定除去」という語が古くは使われていた。
それに付随して、《デーモン・ハンド》と類似する効果を持つ《ナチュラル・トラップ》も「確定除去」に含むことも多くあった。
言い換え [編集]
「相手クリーチャーを1体、無条件で破壊する」の言い換えとして使われるケースならば残っているが、それ以外の場合は、以下のような別の俗称が割り当てられることがほとんど。
- 相手クリーチャーを1体、無条件で持ち主のマナゾーンに置く……マナ送り
- 相手クリーチャーを1体、無条件で持ち主の手札に戻す……バウンス
- 相手クリーチャーを1体、無条件で持ち主の山札に置かせる……山札送り
- 相手クリーチャーを1体、無条件で持ち主のシールドゾーンに置く……シールド送り
- 相手クリーチャーを1体、無条件で持ち主の超次元ゾーンに置く……超次元送り
それ自体は除去を行う能力ではないが、パワー低下によって相手1体を確実に破壊できる《凶槍乱舞 デスメタル・パンク》や《零》は「事実上の確定除去」と呼ばれたりする。
特に《零龍》は全体をパワー0で固定するため、抜け穴が「離れない」以外ない最強クラスの確定除去と言える。
参考 [編集]