《
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蒼き団長 ドギラゴン剣 LEG 火/自然文明 (8) |
クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン/革命軍/ハムカツ団 13000 |
革命チェンジ:火または自然の、コスト5以上のドラゴン |
T・ブレイカー |
自分の多色クリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。 |
ファイナル革命:このクリーチャーが「革命チェンジ」によって出た時、そのターン中に他の「ファイナル革命」をまだ使っていなければ、コストの合計が6以下になるよう、進化ではない多色クリーチャーを好きな数、自分の手札またはマナゾーンから出す。 |
※殿堂入り |
DMR-21で登場した火/自然のメガ・コマンド・ドラゴン/革命軍/ハムカツ団。2019年3月1日付で殿堂入り。
8コストと一見重いが、このコストを馬鹿正直に支払う場面はほぼ無いと言って良い。
革命チェンジと自分の多色クリーチャー全てをスピードアタッカー化する能力、そしてマナゾーンと手札から非進化の多色クリーチャーを複数コスト踏み倒しするファイナル革命を備えている。
革命チェンジの条件は最上級であるが、《二族 ンババ》などの同色のクリーチャーから革命チェンジで出せる5コストのドラゴンが存在するため、最速で3ターン目にチェンジできる。抜群の奇襲性を誇る《勝利のガイアール・カイザー》もこの圏内にいる。
これは《百族の長 プチョヘンザ》や《時の法皇 ミラダンテXII》にも同じ事が言える。しかし、DMRP-04魔で《“龍装”チュリス》が登場し、このクリーチャーはそれらよりも安定して、3ターン目に革命チェンジで出せるようになったため、より強力さが増した。
自軍の多色クリーチャーにスピードアタッカーを付与する能力は《闘竜山脈マグマハンマー》と全く同じ能力だが、そちらと違い範囲内に自身が収まっているため、素出しでもT・ブレイカーと合わせて高いパワーで蹂躙できる。《轟く侵略 レッドゾーン》にバトルで勝てるパワーラインであり、《百族の長 プチョヘンザ》の全体除去にも引っ掛からない。
が、やはりその真髄は後述のファイナル革命と組み合わせることで凄まじい猛攻を可能とする点にある。
目玉能力のファイナル革命は、登場時にコストの合計が6以下になるよう非進化多色クリーチャーを手札かマナゾーンから好きな数コスト踏み倒しするというもの。コスト合計が6以下であれば良いので、コスト2の多色を3体出す、といったこともできる。踏み倒したクリーチャーはすべて、このクリーチャーの効果でスピードアタッカーになるので、攻撃に参加できる他、そのまま革命チェンジのリレー元にしてやったりすることも可能。
これだけ優秀な能力を持っていながらデメリットは皆無である。
ファイナル革命の能力とスピードアタッカー付与により、S・トリガーやニンジャ・ストライクなどの防御札がなければそのままゲームエンド級の打点を瞬時に作り出せる。革命編の《轟く侵略 レッドゾーン》に次ぐ、環境の高速化を生みだしたカードとされている。
出せるクリーチャーの制約がややキツいが、コスト6以下にはかの《龍仙ロマネスク》がいるほか、文明が一致している《守護炎龍 レヴィヤ・ターン》の存在も見逃せない。
特に後者は、マナゾーンから更なる後続を呼び、それが多色ならこちらの能力でスピードアタッカーを付与して打点を稼ぎ、pig持ちなので除去されにくいといった特性を持つ。
似たようなことは《勝利のアパッチ・ウララー》等の多色かつクリーチャーをコスト踏み倒しさせる能力を持つ者でも可能。
【モルトNEXT】では素でスピードアタッカーを持つ《リュウセイ・ジ・アース》やcipで6000火力とマナ加速をする《無双竜鬼ミツルギブースト》が選択肢。
S・トリガーなどのカウンターでこのカードを除去されると、多色クリーチャーのスピードアタッカーは失われるので、トリガーへの耐性はない。この点は《風の1号 ハムカツマン》など素でスピードアタッカーを持つクリーチャーを踏み倒すか、《守護炎龍 レヴィヤ・ターン》で《ビシット・アメッチ》を出すなどの方法である程度はカバーできる。
火と自然の強みを上手く同居させたクリーチャーであり、スタートダッシュの加速力はもちろん、頭数を増やして戦線の強化にも使え、劣勢時にはブロッカーを複数踏み倒し防御固めなど、序盤から終盤にかけて非常に多彩な動きをもたらす優秀なクリーチャーである。戦場の先陣を切り、戦況を覆していくその姿はまさに「団長」といったところか。
大暴れした様を見ると意外に思えるかもしれないが、効果判明当初は革命チェンジ条件が重いと一般に看做されていたことから【速攻】のパーツとしての評価はあまり高くなく、寧ろ対【速攻】性能が高い《百族の長 プチョヘンザ》に注目が集まっていた。
しかし実際のところそのスペックの高さから、登場するや否や速攻で勝負を決めに行く【成長ドギラゴン剣】(成立当時は【ドギラゴン剣3キル速攻】と呼称されていた)が構築され、一気に環境トップに。
強さが未知数のカードであったにもかかわらず情報判明から程無くして【ドギラゴン剣3キル速攻】が開発され、DMR-21発売当日から各地のチャンピオンシップを席巻した。その強力さからDMR-21発売前と後で環境が一変し、『DMGP-2nd』で結果を残したデッキの話題は吹っ飛んでしまった。
その後、《勝利のアパッチ・ウララー》や《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》との相性の良さ、【ドギラゴン剣3キル速攻】の長期戦に弱いという弱点、過剰な【速攻】の必要性のなさから、黒を混ぜた【赤黒ドギラゴン剣】も台頭することに。
このカードの登場から約4ヶ月後の公認グランプリでは、案の定様々な型の《ドギラゴン剣》系統のデッキが大半を占め、その中の【赤黒ドギラゴン剣】が優勝を果たす。
《轟く侵略 レッドゾーン》をも上回る展開力の速さとその活躍ぶりに、未来の殿堂入り候補(実現)として早速その名が挙がる。この頃から既に「デュエル・バスターズ」等と揶揄する者もいた。
革命ファイナル当時【レッドゾーン】が【ドギラゴン剣】の下位互換デッキ扱いされたことからも、このカードのスペックの程が分かるだろう。実際、諸々の侵略ソニック・コマンドがあっさりこのカードによる殴り返しで沈むのは当時よくあることであった。
また、革命ファイナル終期では革命チェンジのギミックによって色を増やしてもさほど色事故は起きにくいことや、マナ武装で《単騎連射 マグナム》や《音精 ラフルル》を出せる《Mの悪魔龍 リンネビーナス》も踏み倒し対象であることから、【5色ドギラゴン剣】が台頭。
こうして着実にデッキタイプを増やしていくこととなる。
2017年2月26日の殿堂レギュレーション改訂や、コスト踏み倒しメタの《異端流し オニカマス》が登場など、新シリーズ突入に伴いこのクリーチャーにも向かい風が吹き始めたかのように思われた。
しかし、逆に《異端流し オニカマス》を味方につけた【青黒赤ドギラゴン剣】が考案され、「超CS in 熊本」で優勝を果たす。
天敵の《異端流し オニカマス》は色さえ合えば最速コンボ成立が命となるはずのループ系統にも当時は積極採用され、この事からもこのカードが如何に脅威であったかが窺える。
《アクアン・メルカトール》の登場で【5色ドギラゴン剣】も復権を果たし、《次元の霊峰》を取り入れた【霊峰ドギラゴン剣】と共にCSで多くの結果を残し、環境から遠のくことはなかった。
そして、DMRP-04魔では、ドラゴンかつ名目コストは5でありながらB・A・D2でたった3マナで出せ、スピードアタッカーを持つ《“龍装”チュリス》が登場。
3ターン目から自軍ゼロの状態でもダイレクトアタックまでの打点を揃えることができるようになったため、環境内のほとんどのデッキはコスト踏み倒しメタの投入を半ば強制された。これ以来、《ドギラゴン剣》系統のデッキにはどの型でも《“龍装”チュリス》が入り、革命ファイナル期以上に《ドギラゴン剣》は環境を支配することに。
総じて、ただでさえ環境のトップクラスの《ドギラゴン剣》 を大幅に強化するものであり、その登場には多くのプレイヤーが疑念を抱き、《ドギラゴン剣》の殿堂入りを望む声はいよいよピークに達する。
2018年3月1日にて《単騎連射 マグナム》と《音精 ラフルル》が殿堂入りするも、【5色ドギラゴン剣】は環境から消えることはなかった。むしろ《ドギラゴン剣》本体に殿堂入りが掛からなかったことでいよいよ【ドギラゴン剣】一色の時代が到来することに。
DMRP-05にて、頭数さえ事前に揃えれば呪文でシステムクリーチャーを退かしたターン中に走り出すのに使える《龍装者 バルチュリス》が登場し、さらに強化を受けた。
こうした事態から、次の殿堂レギュレーション改訂でこのカードの殿堂入りを予想する者は多かったが、2018年7月14日に殿堂入りしたのは《ドギラゴン剣》のサポートカードである《次元の霊峰》と《勝利のアパッチ・ウララー》の2枚で、このカードの名前は挙がってこなかった。
《次元の霊峰》と《勝利のアパッチ・ウララー》の殿堂入りは、結局《ドギラゴン剣》自体の抑止力としては機能しなかった。【霊峰ドギラゴン剣】は【ドギラゴン剣】の主流デッキとは到底呼べないものであった上、【赤青ドギラゴン剣】や【白青赤ドギラゴン剣】は《勝利のアパッチ・ウララー》を失った程度ならば《勝利の道標レティーシャ》などで容易にリペアが可能であった。2年目の「超CS」でも当然のように再優勝を果たす。
《次元の霊峰》と《勝利のアパッチ・ウララー》自体は、《ドギラゴン剣》がいなければ環境を揺るがすほどの強さではなかったため、こうしたあからさまな「身代わり出頭」を批判的にみるプレイヤーは少なくなかった。
DMEX-02では《ゼンメツー・スクラッパー》が登場。天敵である《オニカマス》を焼けることから、早速これを入れたデッキ構築も多くみられた。
そんな中でも、【赤白“轟轟轟”ブランド】、【赤青覇道】、【チェンジザダンテ】、【ジョラゴンループ】などデッキパワーで【ドギラゴン剣】に追いついたデッキタイプが徐々に出始めたが、その【ドギラゴン剣】の圧倒的なシェアは留まるところを知らなかった。
結局、双極篇も終盤まで環境を支配し続けたため、2019年1月27日のWHFにてこのカードの殿堂入りが発表された。メガ・コマンド・ドラゴンとしては2例目、ハムカツ団としては初となる殿堂入り。レジェンドカードからの殿堂入りは《時の法皇 ミラダンテXII》と並んで初。今まで散々周辺パーツが殿堂入りしてきたので、今度は《“龍装”チュリス》の殿堂入りを予想していたプレイヤーも多かったが、ようやく本体に規制がかかった。初出から2年9か月かかっての殿堂入りである。
このカードが殿堂入りした後は、新章デュエル・マスターズトップのパワーとすら言われた《異端流し オニカマス》の採用率が激減した。それまでにこのカードが環境に与えた影響は絶大なものがあると言える。
殿堂入り直後の環境では、【モルトNEXT】だけが主な居場所となり、《龍の極限 ドギラゴールデン》や《武闘世代 カツキングJr.》がリペアとして使われながらも、このカードも1枚投入される形となった。
DMBD-10期では、《天災 デドダム》を呼び出して封印外しを促進するために【青黒緑デッドダムド】にタッチされる場合もあり、その場合は《勝利のガイアール・カイザー》や《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー》が革命チェンジ元になる。実際、そうした構築が『超CSIII in 山形』ベスト8以内に入賞するなど、環境での活躍はそれなりに多くみられるようになった。
このカード本体が殿堂入りしても尚、このシリーズで【ドギラゴン剣】が偶に入賞していた。
DMRP-15にて、《百鬼の邪王門》が登場したことにより【赤黒ドギラゴン剣】は大幅な強化を受け、久々の【ドギラゴン剣】としてのチャンピオンシップ上位入賞を果たす。
その後、DMBD-15で《蒼き守護神 ドギラゴン閃》が登場し、以降は【赤黒ドギラゴン剣】を発展的解消させた【赤黒ドギラゴン閃】、【赤青ドギラゴン剣】の系譜を汲む【赤青ドギラゴン閃】を中心に活躍。
このシリーズでは【赤白ドギラゴン閃】という活躍の場を新たに得た。
環境のトップを走る【5色コントロール】を革命チェンジに寄せた型(敢えて言うなら【5色ドギラゴン閃】の一種か)でも使われるようになったが、これは《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》という【5色コントロール】を革命チェンジ軸のデッキとして作るのにうってつけの強化札を得たのが大きい。
《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》登場からしばらくすると、【5色ザーディクリカ】においてこのクリーチャーと《時の法皇 ミラダンテXII》をサブフィニッシャーに据えた型が主流化。生半可な除去コントロールプランを取ってもこのクリーチャーで膠着状態を打破することができる。
【青赤緑ドギラゴン閃】では《ドンドン吸い込むナウ》と《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》でサーチを繰り返している内に1枚制限のこのカードを引き込むことが珍しくない。実際の対戦上では《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》のマッハファイターを活かして《蒼き守護神 ドギラゴン閃》で安全に横展開し、次のターンにこのカードでワンショットを行うというケースがざらであり、このカードの重要度が【ドギラゴン閃】成立よりも高まったとも言える。【5色ドギラゴン閃】でも同様である。
【白青赤緑ドギラゴン閃】や【白赤緑ドギラゴン閃】(アドバンス)でも使われ、2022年1月1日殿堂レギュレーション改訂に伴い【白青赤緑ドラグナー】に居場所を移した。【青赤緑ガイアッシュ覇道】や【白ガイアッシュ覇道】でもその姿が見られる。
シリーズ終盤になると、中量級の多色ドラゴンを重用するデッキ全般に入ると言っても過言ではない、丁度《生命と大地と轟破の決断》のような展開系スーパーサブ的存在となった。特に《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》を採用するデッキには必ずといって良い程の採用率を誇るようになった。
このシリーズでは新たに【青黒赤緑邪王門】のパーツとしても使われるようになった。そちらのデッキでは最大限このカードの器用さが発揮されており、《天災 デドダム》2体呼び出しによるリソース確保、《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》を呼び出してそちらで山札の下に仕込んだクリーチャーを《一王二命三眼槍》の鬼エンドでコスト踏み倒しと大活躍。《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》の他に《鬼ヶ大王 ジャオウガ》もあるため、殿堂入りカードでありながら再現性の高さは折り紙付き。
DMBD-21・DMBD-22期に【赤黒ドルマゲドン】が強化されると、中には《終断δ ドルハカバ》や《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》を呼び出すために採用するケースも見られるようになった。
このシリーズでも引き続きファイナル革命先がある程度入る多色ビートダウンデッキに《時の法皇 ミラダンテXII》と共に広く使われるが、DM22-RP1期のオリジナルでは《エヴォ・ルピア》の上に《凰翔竜機バルキリー・ルピア》を重ねてこちらか《時の法皇 ミラダンテXII》をサーチしてそのいずれかに革命チェンジする型の【白青赤鬼羅.Star】がチャンピオンシップ優勝を果たした。
やはり【青赤緑モルトNEXT】や【白ガイアッシュ覇道】で採用されている。一方で多色推しのシリーズであるにもかかわらず、このカードの比重が高い新規デッキの開拓には恵まれておらず、このシリーズの新規デッキでは精々が【白赤アーマード・サムライ】や【ボルシャック・アークゼオス】に採用されるぐらいか。それでも、【我我我ブランド】や【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】、【白赤アーマード・サムライ】などの、防御札が必要最低限で尚且つシールド回収を積極的に行うデッキが多く、早期に手札に抱えていればシールドの削れた相手を前に間に合わせのファイナル革命先で即死を狙えるケースがあった。
環境全体として、前半は墓地利用メタ採用を強いる【絶望神サガループ】、殿堂入り後は【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】のメタクリーチャーに手を焼き、後半は【青赤マジック】の台頭で【我我我ブランド】すらメタゲームの立ち位置が悪いほどの受け重視であり、《“龍装”チュリス》の調整版を通り越して上位互換に近い《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を獲得したにもかかわらず、ポツポツとしか結果を残していない印象を受ける。
相性の良いコントロールや中速ビートダウン、ドラゴン基盤にも採用を見送られるケースが増えた。「ドギラゴン剣限定解禁祭」でも4枚積みデッキが大して結果を出さなかったという報告があり、インフレに追いつかれつつある印象。
殿堂入りを望む声が大きいにもかかわらず、殿堂入りが遅れた背景としては、
という見方がある。双極篇で売り上げが回復したことでようやく殿堂入りになったと思われるが、初出から殿堂入りが施行されるまで2年9か月でありここまで3年近くトップメタだったカード本体や、アニメ漫画の主人公の切り札単体の規制の掛けられるまでの時期の長さを考えると、デュエマに限らずTCG界隈でも異例の存在である。
とはいえ、《無双竜機ボルバルザーク》とは違い、
という理由から、ボルバル・マスターズ時代を経たデュエル・マスターズではあまり黒歴史とされることはない。
また、
などから、単体性能では革命ファイナルのパワーカードの中でも飛び抜けてはいないものとしてデザインされたと見られる。
殿堂入りに指定されたのは少ないリソース(最小では《ウララー》含む3マナ、手札に《“龍装”チュリス》+《ドギラゴン剣》)でゲームエンドに持ち込めること、要求パーツの少なさからデッキ構築の制約が薄く無尽蔵に対応力を伸ばせること、それらによって担保されるデッキパワーが生み出した異様なシェアの高さという点に原因が求められるだろう。しかし、あまりにも長い期間環境で暴れ続けたのは事実でありユーザーからは「規制するのが遅すぎる」という声も少なくなかった。