ボルバル・マスターズ [編集]《無双竜機ボルバルザーク》に支配されていた聖拳編から転生編期の環境のこと。
2004年6月26日にDM-10の発売とともに登場。当初は、「自分はゲームに負ける」というデメリット能力が重く見られ、評価が低かった。しかし、追加ターンの獲得によって負ける前に勝利できることがほとんどであったため、その強さが知れ渡るとともにこのカードの採用率も伸び始めた。 ボルバル・マスターズの変遷 [編集]当時の防御札はブロッカーやS・トリガーしかなく、《ボルバルザーク》の猛攻を防ぎきるのは非常に難しかった。《ボルバルザーク》単体ですでに4打点分であり、S・トリガー封印や非常に汎用性の高い《母なる大地》の存在も相まって、真っ向から安定して受け切るのは不可能だったといってもよい。 2005年春の公式大会であるSCB及び同時期の各地の公認大会など、ボルバルは圧倒的なカードパワーで暴れ回っていた。 特にSCB関東大会(DM-13環境)ではオープン・レギュラーの上位16人中14人がボルバルを投入していたという悪夢としか言いようのない結果が出ていた。 ボルバルの追加ターンの条件はバトルゾーンに出すだけと非常に緩く、《母なる大地》で問題なく踏み倒せた。自然がタッチできるならば、ビートダウンだろうがコントロールだろうが非常に多くのデッキで採用することが可能だった。 また、《ボルバルザーク》をマナゾーンから引っ張り出せる《母なる大地》に加え、後にウィニーを掃除して手札に変換する《炎槍と水剣の裁》、S・トリガーを封じる《無双恐皇ガラムタ》、ドローソースの《トリプル・ブレイン》といった相性のいいカードが立て続けに登場したこともあり、《ボルバルザーク》のメタ上の地位はより揺るがないものになっていった。 ビートダウンならば無理やり自然をタッチしてでも《母なる大地》と《ボルバルザーク》を入れた方が強力になる程であり逆にそれができないデッキはカードパワーで大差をつけられやすかった。速攻・【アクアンホワイトブラック】・【白青黒赤ライブラリアウト】は《ボルバルザーク》が活躍していた時期にもアイデンティティを保っていたが、それ以外の緑入りデッキは《ボルバルザーク》の採用が半ば必須となっていた。 こうした状況からすぐに殿堂入りすると思われていたのだが、登場から半年後の2005年3月15日に殿堂入りしたのは《アクアン》のみだった。当時の公式大会の上位は【アクアン】系デッキの独壇場であり、《ボルバルザーク》が登場してたった262日しか経っていないことを考えると、殿堂入りの基準が緩くなった後の時代で考えても《ボルバルザーク》や同弾で登場した《母なる大地》の殿堂入りは非現実的なものであった。結果的に【アクアンホワイトブラック】が大幅に弱体化し、《ボルバルザーク》がトップを走る環境となる。 転生編に入ると、2005年7月15日にようやく《ボルバルザーク》は殿堂入り、デッキに1枚しか投入できなくなった。これにより、少しは環境が沈静化するとおもいきや、むしろこの1枚制限が却って更なる環境の悪化を招くことになってしまった。元々《ボルバルザーク》はゲーム中に2度以上使われることはほとんどないカードなので、結局先に出した者勝ちであることには変わりはなかった。そのため、今度はいかに《ボルバルザーク》を先に手札に持ってこれるかが勝負の鍵になり、サーチを使えば1枚制限のデメリットを減らせることから、今度はコントロールを中心に使われ続ける。 殿堂入り後は、【ボルバルブルー】に闇文明を加えた、【ボルバルブラック】の発展形である【除去ボルバル】が開発される。また、【ボルバルブルー】に当時に猛威を奮った《バジュラズ・ソウル》を加えた【バジュラズブルー】などのビートダウンでも活躍を続けていた。 長らく環境のトップを走り続けた彼だが、ついに2006年3月15日、新設されたプレミアム殿堂に指定されその役割を終えた。登場から禁止化までおよそ1年と9カ月だった。 《ボルバルザーク》の問題点 [編集]《ボルバルザーク》が暴れていた時代は、デュエマ史上最大の黒歴史と呼ばれていた。それは《ボルバルザーク》が強すぎるというのももちろんだが、それ以上にプレミアム殿堂までにかかった期間の長さもあるだろう。《アクアン》殿堂入りから《ボルバルザーク》殿堂入りまでの期間は4か月、その後プレミアム殿堂に指定されるまでの期間は8か月と、実に1年間に渡ってボルバル・マスターズは続いた。 また、このカード自身の「自分はゲームに負ける」というデメリット能力を抱えていたことも問題であった。それは《ボルバルザーク》が出ると状況にかかわらず確実にゲームが終了させられるということであり、その時点でターンが回ってこないことは絶対となるため、プレイヤーの間で非常に嫌がられていた。特殊敗北のデメリットも、好きなだけカードをプレイしたあと、失敗したら勝手に自滅してしまうのだから、それで勝利した側もまるで面白くない。スパークを使って《無双竜機ボルバルザーク》を受けきる戦術は当時から存在したものの、結局それも相手が「ボルバルで自滅した」だけに終わってしまう。ボルバルが出された以上、負ける以前に自分で勝つ権利すら失われてしまうのである。 環境がたった一枚のフィニッシャーに牛耳られてしまうことはしばしばあるものの、《ボルバルザーク》の場合、「殿堂入り、プレミアム殿堂に指定された時期があまりにも遅すぎる」[1]「出すと間違いなくデュエルが終了し、使われた側の自力で勝つ要素が失われる」の2点を兼ね備えている点で他の凶悪フィニッシャーと一線を画していると言えよう。
デュエル・マスターズ プレイスでは [編集]
流石に、TCG版のスペックのまま実装はせず、10ターン経過という制約が設けられた。 これにより、
と事前評価はかなり低く、TCG版より上方修正を受けた《ダイヤモンド・ブリザード》にシェアが集まっていた。 事前評価が低かった上記の問題とみられていた点も
という、完璧な解答が出来上がっており、たちまち環境トップに上がり、コントロールではほぼほぼ使用された。 結局、《ダイヤモンド・ブリザード》の弱体化以降《無双竜機ボルバルザーク》は第一線で暴れ続けているため、「第2のボルバル・マスターズ」と呼ばれるようになった(TCG版でも《ボルバルザーク・エクス》が環境で暴れていた時に似たような呼称で呼ばれていた)。皮肉にも「発売前の事前評価は低かったのに、いざ世に出されると環境トップ」という、TCG版と同じ経緯をたどってしまったのである。 その結果、デュエプレ史上初のDP殿堂に指定される措置が採られる事となった。これにより色の合わないコントロールに強引に《ボルバル》を4投したり、追加ターンに2体目以降の《ボルバル》という動きが出来なくなった。
参考 [編集]タグ:
[1] ただし殿堂入りまで384日、プレミアム殿堂まで627日という日数は現代の基準でもかなり速い方であり、殿堂入りに消極的だった時代背景を考えるとかなり異例である [2] S・トリガーの付与が該当する。DMPP-06でS・トリガーを付与する《インビンシブル・オーラ》が登場した。 [3] このカードはデュエプレには存在せず、《無双竜機ボルバルザーク》の登場から約13年後に登場した調整版の呪文である。 |