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勝利宣言 鬼丸「覇」 VIC 火文明 (10) |
クリーチャー:ヒューマノイド/レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン 9000+ |
スピードアタッカー |
パワーアタッカー+5000 |
T・ブレイカー |
このクリーチャーが攻撃する時、相手とガチンコ・ジャッジする。自分が勝ったら、このターンの後にもう一度自分のターンを行う。(ガチンコ・ジャッジ:各プレイヤーは自身の山札の上から1枚目を見せ、それを下に置く。そのカードのコストが相手以上なら、自分の勝ちとする) |
DMR-06で登場したビクトリーを持つ火のヒューマノイド/レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン。
ガチンコ・ジャッジに勝利すれば追加ターンを得る強烈なアタックトリガーを持つ。自身がスピードアタッカーであるためタイムラグ無しにガチンコ・ジャッジを行うことができ、かなりの確率で追加ターンが狙える。一度攻撃すれば、追加ターンが何度も決まってそのまま押し切ってしまうことも珍しくないという、恐ろしいポテンシャルの持ち主である。追加ターンで2体目の《鬼丸 「覇」》でも出されようものなら、逆転は困難を極めるだろう。
10コストと非常に重いが、歴代のファッティの例に漏れず、自然のマナブーストや【連ドラ】・【ミステリー・キューブ】などのコスト踏み倒しするデッキに投入するという、確立された常套手段にそのまま組み込むことができる。
【カイザー「刃鬼」】、【ベートーベン】、【カツキングMAX】、【5色フェアリー・ミラクル】、【5色蒼龍】のようなグッドスタッフに組み込めばガチンコ・ジャッジの勝率も上がるので、相性は非常によい。
素のパワーは9000と10コストにしては低めだが、追加ターンを得られれば殴り返しされる機会はほぼないと言える。パワーアタッカーによって攻撃中のパワーは14000になるため、【ヘブンズ・ゲート】に入るようなブロッカーでもなかなか止まらない。このクリーチャーの登場当時、他のカードのサポートを受けずに一方的に打ち勝てるブロッカーは、《白騎士の精霊アルドラ》くらいしか存在しなかった。
S・トリガーからの《青寂の精霊龍 カーネル》、《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》のDスイッチで唱えた《超次元ガロウズ・ホール》などから出した《勝利のプリンプリン》のcipによるプリン効果でロックされると、追加ターンを得てもこのクリーチャーは攻撃できない。
他の多くのフィニッシャー同様、出されないようにハンデスで叩き落としたり、ランデスでマナを縛るのが最も現実的だろう。他には《メヂカラ・コバルト・カイザー》や《永遠のリュウセイ・カイザー》で即時攻撃を封じるなどが考えられる。
10マナと重いため、さすがにどのようなデッキにも入るようなカードではない。何らかのコスト踏み倒しかマナブーストの手段はしっかり用意しておきたい。
また、良くも悪くもガチンコ・ジャッジには運が絡むため、肝心な場面で外すこともあり得ない話ではない。ツインパクトを活用するなど、平均コストを上げるようデッキビルディングを工夫する必要があるだろう。重量級ばかり採用しているデッキが相手ならば別の勝ち筋を狙うのが無難だろう。
バトルゾーンに出せればまさに勝利宣言と言っても過言ではない強烈なスペックであり、初登場時からメタゲーム上で暴れ続け、約9年間に渡って殿堂入りとなっていた。その後、コスト10を出せる状況でのフィニッシュ手段が多様化した影響で、このカードもエンドカードの選択肢の一つまで水準が変化し、2023年8月11日付で殿堂解除された。出てしまえば時間稼ぎ系のS・トリガーはほとんどが貫通されてしまう(《調和と繁栄の罠》のように追加ターンにも対応するものは除く)ため警戒は怠らないようにしたい。
2012年9月22日、エピソード2のDMR-06で登場。そのあまりに強烈なスペックから、情報が発表された時点で広く話題となり、このカードを組み込んだデッキが多数考案された。
【ターボゼニス】で雑にこのカードを投げつけるだけでも十分に勝利に直結し、【連ドラ】でも新たなフィニッシャーとして君臨した。
そしてコスト踏み倒しできるカードでは特に《ミラクルとミステリーの扉》との相性が凄まじくよかった。このデッキにはコストの高いものを多く投入するため、必然的にガチンコ・ジャッジに勝ちやすく、【ミラクルとミステリーの扉】の強さを大幅に押し上げることとなった。
マナブーストから繋げば4ターン目には安定して《ミラクルとミステリーの扉》を唱えられるため、中盤の時点で《勝利宣言 鬼丸「覇」》が飛んできてゲームセットという展開も珍しくなく、多くのプレイヤーを恐れさせた。そうでなくとも、高いカードパワーを持つフィニッシャーが出せたので、そのまま押し切ることができた。
従来のコントロールはいずれも【速攻】に弱いという弱点を抱えていたのだが、《ミラクルとミステリーの扉》がS・トリガーを持つ上、高コストカードが相手より多いことからガチンコ・ジャッジにも勝ちやすく、ビートダウン全般に対しては逆に有利となっていた。下手に殴ると追加ターンを誘発して負けるという風潮が広まり、メタデッキとなるはずの【速攻】の使用率は減退することとなった。
その後【ミラクルとミステリーの扉】は殿堂入りで弱体化するものの、【獰猛ブラスター】や【ミステリー・キューブ】へと形を変えて長らく環境に残り続けることとなる。
ハンターでもあることから【カイザー「刃鬼」】でもフィニッシャーの1つとして活躍した。
とはいえ、エピソード3環境に入ると、採用に多少の陰りが見え始めた。
初登場時からトップメタクラスのフィニッシャーとしての地位は確かに築いたものの、エピソード3で登場した【墓地ソース】によるワンショットキルおよび無限ループの流行や、相性の良かったカードの殿堂入りによるデッキの弱体化で、必ずしも《勝利宣言 鬼丸「覇」》の一強とはならなかったのである。
この時期には、2013年6月22日付けで《ホーガン・ブラスター》が殿堂入りし、調整版の《ミステリー・キューブ》を使った【ミステリー・キューブ】として、上記のデッキと環境で張り合い続けていた。
【カイザー「刃鬼」】さえも当時このカードにあまり依存しない構築となっていたが、それでも当時は無制限であったため《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》で2回程度しかガチンコ・ジャッジに勝てなかった時の逆転用に出すこともあった。殴り返しや《閃光のメテオライト・リュウセイ》を使ったタップキルでS・トリガーを避けながら追加ターンを獲得し、2枚目の《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》からの再展開にチャンスを懸けることができた。
エピソード3ではエピソード2ほど理不尽な強さを発揮していたわけではなかったが、ドラゴン・サーガでのドラゴンメイン環境を配慮した結果か、2014年5月24日付けで殿堂入りとなった。このクリーチャーを目にする機会はさらに減ることとなり、エクストラターンを安定して連発される脅威は去った。《無双竜機ボルバルザーク》のように環境を1色に染め上げたわけではなかったものの、運ゲー要素が強い上に追加ターンが確定すると相手はほとんど為す術が無くなるため、妥当な措置と言えるだろう。
なお、これはビクトリー初の殿堂入りである。追加ターン関連のカードとしては2例目の殿堂入り。
革命編以降では侵略や革命チェンジなど名目コストの高いクリーチャーを積み込んだデッキが主流となったため、ガチンコ・ジャッジの信用度は相対的に低下した。一方で《百族の長 プチョヘンザ》の登場以降はバトルゾーンの制圧が比較的容易にできるようになったため、ピン挿しとなったこのクリーチャーをバトルゾーンに出すハードルは下がったと言える。
《ジョリー・ザ・ジョニー Joe》は、プレイングによるところが大きいもののより勝利に直結する能力を持っており、同じ10コストとということもあってビッグマナではフィニッシャーとしてこのカードと競合する。ガチンコ・ジャッジによる不確定要素を嫌うならそちらを優先すると良いだろう。
双極篇になると《ジョリー・ザ・ジョニー Joe》は若干勢いが衰え、逆にこちらは【ブライゼシュート】の切り札としてそこそこ見かけるようになった。
超天篇では【ブライゼシュート】が《黒神龍ブライゼナーガ》の殿堂入りによって環境から姿を消し、その後釜として定着した【5色蒼龍】で使われるようになった。
十王篇になると《爆流忍法 不死鳥の術》の【モルトNEXT】における採用が目立ち、当たり枠の1枚としての存在感を示すようになった。
王来篇環境 (オリジナル)では【5色ザーディクリカ】に採用されることもあった。《龍風混成 ザーディクリカ》や《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》、《天災 デドダム》などでリソースを稼ぎ続ければ案外引き当てることは簡単。ただ、ミラーマッチだとガチンコ・ジャッジが精々勝率6割程度の微有利にしかならない上、これが無くとも十分勝てるため、あくまで選択肢の一つに落ち着いた。しかしDMEX-17発売により青赤緑系の【ドギラゴン閃】が《流星のガイアッシュ・カイザー》を獲得すると、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》と共に採用されるケースが目立つようになった。
《爆熱DX バトライ武神》のプレミアム殿堂を機に【モルトNEXT】が《超戦龍覇 モルトNEXT》本体を抜いて《ブランド <NEXT.Star>》を軸とした【モモキングRX】に発展的解消を遂げると、次第に【赤緑モモキングRX】におけるコスト踏み倒し先としてポツポツと実績を残すようになった。
総じて、殿堂入り時代は相性のいいデッキでの上振れ要素の1つという評価となっていた。
ところが《神の試練》や《♪必殺で つわものどもが 夢の跡》による無限ターン獲得の横行などと比べると、10コストかつ不確定のこのカードで追加ターンを得るのは飛び抜けた性能とは言えなくなっていた。そのためか、2023年8月11日付で殿堂解除された。直前に成立した【メクレイド刃鬼】へのテコ入れという役割もあるのだろう。スピードアタッカーメタの増加も一因であろう。
殿堂解除されて早々に【メクレイド刃鬼】や【黒ガイアッシュ覇道】、【白ガイアッシュ覇道】で結果を残し、特に【メクレイド刃鬼】では4枚積みが主流化。オリジナルでは【ブランド <NEXT.Star>】でもデッキパワー増強に使われる。
ただし、ガチンコ・ジャッジの勝ちのノイズとなる軽量級のリソース系や除去系が多く入るデッキでは要調整枠となる。同じコスト10のフィニッシャーに《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》が存在するが、従来の《クラッシュ“覇道”》を軸としたデッキはデッキ内のコスト調整はあまりされておらず、欲張らずに《“覇道”》だけでデッキを整えたり、あくまでサブとして《鬼丸「覇」》を投入するパターンがある。
殿堂入り時代に1枚積みしていたデッキには2枚以上採用できるようになる殿堂解除の恩恵は大きいが、殿堂入り時代に1枚も採用していないデッキでは殿堂解除の恩恵は小さいということだろう。
2023年10月から11月にかけては、ドラゴン基盤で中盤以降の繋ぎと10コスト以上のグッドスタッフに寄せた【青赤緑ドラゴン】なるデッキで活躍している。【青赤緑ドラゴン】は、これを含めた攻めっ気の強いドラゴンをカットしてロック系のドラゴンに寄せた型もある。
DM23-EX3期における主な居場所は【5色ディスペクター】。複数体の《流星のガイアッシュ・カイザー》によるコスト軽減とリソース獲得機構を活かして複数体並べて圧殺するプランを盛り込んだ構築もあり、採用される場合は3枚から4枚程度入る。
DM24-RP1期時点では【5色蒼龍】にフィニッシャーの1体として1枚積みされる程度。ガチンコ・ジャッジの信頼性が往年より低くなり、依存度を下げざるを得ないのが実情である。【ガイアッシュ覇道】系統の旬も既に過ぎており、複数枚入るのは精々が【メクレイド刃鬼】ぐらいである。
『超CSⅦ in横浜』(オリジナルでの3人1チーム戦)では予選突破のベスト128の384人中4人が【ガイアッシュ「覇」】なるデッキを使用。これは【ガイアッシュ覇道】の基盤を踏襲しつつメインフィニッシャーをこのカードに挿げ替えたものである。この大会から計算して丸12年近く前に登場したコスト10のファッティが専用デッキで何件か大型大会の予選突破実績を作れる時点で、そのスペックは折り紙付きである。
《夢双龍覇 モルトDREAM》の登場を機に【モルトNEXT】がそちらを主軸とした【モルトDREAM】に移行すると、《夢双龍覇 モルトDREAM》を9マナで素出しするためにマナを伸ばせば自然とこのクリーチャーも素出しできるようになるということで、同時採用されるケースが一部で見られるようになった。
勝利宣言 鬼丸「覇」 VIC 火文明 (10) |
クリーチャー:ヒューマノイド/レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン 9000+ |
ビクトリーアイコン |
スピードアタッカー |
パワーアタッカー+5000 |
攻撃する時、相手とガチンコ・ジャッジする。自分が勝ったら、このターンの後で自分のターンをもう一度行う。(ただし、それが追加ターンなら発動しない) |
T・ブレイカー |
DMPP-18で実装。追加ターン中にアタックトリガー能力が発動しなくなった。
その変更により、最速で《勝利宣言 鬼丸「覇」》を出すことに尽力したところで、これ1体では自身の通常ターン3点→追加ターンに残っている2点までしかできずリーサルに届かない。
また、TCGにおける連続して追加ターンを取れる性質は、時間稼ぎ型S・トリガーの延命を鼻で笑う性質であったが、1体が反復して追加ターンを取ることがなくなったので、多少防御S・トリガーで対策しやすくなった。
しかし、実際の運用は《バンカラ大親分 メンチ斬ルゾウ》や《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》に巻き込んで出すなど、たった1回の追加ターン込みで十分リーサルが見える場面での利用が多く、やはり追加ターンという性質の突破力は高かった。
なお、相手のシールドが3つ以下の場合は、通常ターンで全割り→追加ターンでトドメという動きができる。ある程度削りは入れたがリセットで自分のクリーチャーが空になってしまった場合にはそうした場面が起こりうる。
DMPP-19までは、十分その強さは認められていたものの、取り巻きの時点で勝ち盤面に近くオーバーキルになりがちということで採用枚数を絞ることも珍しくなかった。
DMPP-20では《終末の時計 ザ・クロック》の登場やオールタップの再流行、《光器パーフェクト・マドンナ》の開拓など「追加ターンを取ることが明確にそれらの対策になる」という事情で投入枚数を増やされることが多くなった。