《プラチナ・ワルスラ
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プラチナ・ワルスラS VR 水文明 (3) |
進化クリーチャー:マジック・コマンド/イニシャルズ 6000 |
進化:水のクリーチャー1体の上に置く。 |
W・ブレイカー |
このクリーチャーが攻撃する時、カードを3枚引いてもよい。そうしたら、自分の手札を1枚捨てる。 |
DMR-23で登場した水のマジック・コマンド/イニシャルズの進化クリーチャー。
アタックトリガーで3枚ドローし、その後1枚を捨てることが出来る。
癖の強いカードの多いワルスラにしては珍しく、手札補充と墓地肥やしをしつつW・ブレイカーを放つという、使いやすくかつ非常に高いスペックを誇る。過程はだいぶ違うが、攻撃の度に3枚ドローしつつ1枚破棄するという点は《超電磁コスモ・セブ Λ》や《ダークナイト クリストファー》と似通っている。
これだけなら《超閃機 ジャバジャック》や《金属器の精獣 カーリ・ガネージャー》など、水の中量級進化クリーチャーによくある能力だが、それらと決定的に違うのは従来の進化獣より召喚コストが1マナ軽いという点。
この3と4の差は非常に大きく、《アクア・エボリューター》や《一撃奪取 マイパッド》を経由せずとも3ターン目での召喚が可能となる。ビートダウンにおいて1ターンの差は非常に大きいため、これだけでも十分な差別化ができている。
《アクア・ジェスタールーペ》の連鎖対象にも収まっているのもありがたい。
しかも種族にコマンドを保有しているため、これまで手頃な侵略元に乏しかった《超奇天烈 マスターG》などのコマンド侵略持ちの進化クリーチャーにも即侵略できたりと至れり尽くせり。とはいえ自身のスペックが強力であるため、侵略に繋げるなら手札が十分に増えた後の押しの一手として使うのが良いだろう。
強いて言えばパワー6000とある意味で進化クリーチャーとしてはコスト相応のサイズであるというのが弱点であり、終盤に近づくにつれて殴り返しで退場する危険性が増す。ただ、バトルに弱い点はアタックトリガーなどで落とせる《爆撃男》でケアできる。《爆撃男》自体もアタックトリガーで強引に引っ張り込むことが期待できる。
2ターン目に進化元、3ターン目にこのカードを用意した頃にはクリーチャーがこれ1体という場面も珍しくない。そのため、《掘師の銀》や《学校男》などの選ばせ除去に弱く、注意が必要である。後者に関しては、【墓地ソース】などでは参照できる墓地のカードの数が増えるということで嬉しいと言えば嬉しいが。
総評を言えば、悪名高き元・殿堂入りカード、《アストラル・リーフ》をも上回ると言って差し支えないスペック。革命ファイナルのインフレを如実に感じさせるカードといえよう。
登場当初から進化元となる水の2コストウィニーが多く入るデッキならあらゆるデッキに積まれ、特にコスト踏み倒し系統のデッキでは着地を阻害された際の素出しプランに使われた。そういう意味で最も顕著なのは【赤青ドギラゴン剣】での活躍であろう。
水入りの【墓地ソース】では《金属器の精獣 カーリ・ガネージャー》に代わる新戦力として活躍している。(>【ワルスラ墓地ソース】)一仕事終えた《戦略のD・H アツト》《【問2】ノロン⤴》などを手軽に強化しながら、更なるドローと墓地肥やしを行えるため。
序盤から高速でビート出来るカードパワーから、殿堂入り前は冗談交じりに「墓地を肥やす前にこのカードがゲームを終わらせてしまうのが一番の難点」とも言われた。
【赤青ブランド】でもビートダウンとリソース確保を同時に行う要員として重宝されている。ビートジョッキーデッキは《制御の翼 オリオティス》に弱いので、時にはこのカードの能力を活かしてまともにウィニーを素出しして勝ちに行くことも重要である。
このクリーチャーの現役時代、【青黒ハンデス超次元】が対策として《デモンズ・ライト》を4枚積みすることが半ば必須であったことからもその影響力の程が分かるだろう。進化元を最速で焼くために《学校男》系を3枚以上積むことも当時推奨された。
ビートダウンすればするほど手札を増やせる3コストの進化W・ブレイカーというのがメタをかけづらいデッキパワー増強手段として問題視されたのか、2018年7月14日より殿堂入りした。
イニシャルズからは2例目、水のコマンドからは初となる殿堂入り。進化クリーチャーとしても11例目の殿堂入り。
このカードの殿堂入りは【ドギラゴン剣】の弱体化調整の一環という側面もあった。
しばらくは勢いが衰えたが、《水晶の記録 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》の登場によって【赤青ドギラゴン剣】での需要が再燃。痒いところに手が届く2打点と、追撃手段の《龍装者 バルチュリス》を手札に引き込める点が評価された。
軽量進化クリーチャーや手札補充のインフレからか、2022年7月1日付で殿堂解除。約4年間でのインフレの影響は大きく、殿堂入り当時は規制もやむなしのスペックだったとはいえ、【ドギラゴン剣】の巻き添えによるものであった部分も否めず、殿堂解除時点では殆ど驚きの声が無く解除を妥当視する声が多かった。解除までの間に自身を呼び出せる上に自身の攻撃回数を増やせる《瞬閃と疾駆と双撃の決断》が登場している。
殿堂解除後は【赤青覇道】のサブアタッカーとして活用されることもあったが、そうした青赤のビートダウン自体が環境から姿を消したため、大会で見かけることは少なくなっている。
後にDM23-RP3の発売に伴い、【青赤マジック】で使われるケースが見られるようになった。だがこれがなくとも十分【青赤マジック】が回るため、わざわざ進化の手間を必要とするこのクリーチャーを使う意義はなく、一瞬で環境から消えた。
3ターン目にロックしながらリーサルを組むデッキももはや珍しくもないため、3ターン目にこれで2ブレイクして小突きながらターンを返している場合ではなくなった。また、無用なブレイクを必要としないリソース系やメタ系など、デッキの汎用性を損なわない素出しプラン用クリーチャーは今日日いくらでも存在する。