【ジョバンニスコール】 [編集]

《天雷王機ジョバンニX世》の効果を利用し、毎ターン《ドリル・スコール》を打ち続けるデッキ。登場した当初は主に白青赤で組まれていたが、このデッキがトップメタ入りした革命ファイナル環境においては、赤白の2色で安定性を高めた構築が主流であった。

現在は、《天雷王機ジョバンニX世》プレミアム殿堂に指定されたことで殿堂レギュレーションでの構築は不可能。

天雷王機ジョバンニX世 R 光文明 (2)
クリーチャー:グレートメカオー/ナイト 1000
ブロッカー
このクリーチャーは、相手のプレイヤーを攻撃できない。
自分のターンの終わりに、自分の墓地にあるコスト1の呪文を好きな枚数、自分の手札に戻す。
※プレミアム殿堂
ドリル・スコール C 火文明 (1)
呪文
カードを1枚、自分のマナゾーンから自分の墓地に置く。その後、相手はカードを1枚、自分自身のマナゾーンから選び、持ち主の墓地に置く。
※殿堂入り

主要カード [編集]

《天雷王機ジョバンニX世》コンセプトその1。1コスト呪文を回収
《ドリル・スコール》コンセプトその2。1コストランデス
《クルトの気合釣り》コンセプトその3。コスト2以上の回収。およびライブラリアウト補助
《制御の翼 オリオティス》ランデスが刺さるシステムクリーチャー
《オリオティス・ジャッジ》ランデスが中心のためほぼ確定除去。自軍のcip再利用など
《爆走戦鬼レッド・ライダーズ》マナ差を付けるためには必須
《勇愛の天秤》1コス呪文を落として実質的な手札補充《爆走戦鬼レッド・ライダーズ》を落とせる
《ニンプウ・タイフーン》《天雷王機ジョバンニX世》を早期に手札に持ってくるためには不可欠

候補カード [編集]

デッキの回し方 [編集]

戦略は単純かつ強力。

  1. 《天雷王機ジョバンニX世》をバトルゾーンに出す。
  2. 《ドリル・スコール》を毎ターン唱え続けて相手のマナゾーンのカードを破壊し続ける。
  3. 隙を見つけ次第、途中で《クルトの気合釣り》を唱え、自分の山札が減るのを防ぐ。
  4. あとは2〜3の流れを繰り返し続け、山札の枚数に差が出た相手がライブラリアウトするまで待つ。

これだけである。極端な話だと《天雷王機ジョバンニX世》《ドリル・スコール》がそれぞれ4枚ずつ、《クルトの気合釣り》を2枚程用意できればデッキとして構築可能。

一度《ドリル・スコール》を撃ってから《天雷王機ジョバンニX世》を出せば、相手が2マナしか溜まっていない状況からでもロック可能。その場合自分のマナもコンボ始動時点で拘束されるため、その事を意識した構築をしたい。
相手に《ルナ・コスモビュー》《魔光帝フェルナンドVII世》といったコスト軽減できる大型クリーチャーや、《火炎流星弾》《沈黙の戦士 ダンプ・タンク》といった超低コストで破壊できるカードが無い限り、ほぼゲームセットである。《天雷王機ジョバンニX世》は2マナ以下の呪文でも除去されやすいため、相手がロック解除手段を手にしない内に勝利へと駒を進めたい。

天敵である《光波の守護者テルス・ルース》を繰り返し除去できる《火炎流星弾》も投入しておきたい。《火炎流星弾》はマナにすれば《ドリル・スコール》のタネにもなるので無駄がない。

環境において [編集]

長らく地雷として潜伏していたが、公認グランプリ「デュエル・マスターズ グランプリ-3rd」において、安定性重視で初動がやや遅めか一撃奪取のようなコスト軽減が主流でマナブーストの少なくなった革命ファイナル環境の裏をかき、全く同じデッキを握った14人中5人がベスト64に進出という快挙を遂げた。メタゲームとの相性もあり、以降メタゲームの一角として活躍した。

コンセプトとなる《天雷王機ジョバンニX世》《ドリル・スコール》などは再録が一度もされていない上に、主要カードもほとんどが絶版であったため、当時のエキスパンションの売上に貢献する事は無かった。また、2〜3ターン目には既にロックが成立し得る質の悪さの為か、コンセプトである《天雷王機ジョバンニX世》が2017年2月26日にプレミアム殿堂となる事が発表され、このデッキタイプは消滅を余儀なくされた。

加速度的に考察が進んだきっかけとしては、DMX-22で登場した《オリオティス・ジャッジ》の存在が大きい。それまで白赤で盤面のファッティに触れる手段は《アポカリプス・デイ》などごく限られており、【ジョバンニスコール】に採用できるものなど皆無と言っても良かったが、ここにきて防御札にもなる全体除去を突然貰った。
コスト3なので手打ちが容易で、デッキの構造上被害を受けるのは常に相手のみ。コンボデッキコントロールに転身した瞬間である。

5枚目以降として《制御の翼 オリオティス》も取り込み、この【オリオティスコントロール】とでも言うべきプランは、その後の殿堂ゼロデュエルまで続く【ジョバンニスコール】の標準装備として浸透していった。
これこそが一介の地雷デッキに過ぎなかった【ジョバンニスコール】がトップメタに躍り出た要因であり、当時《オリオティス》が刺さる相手にはライブラリアウトを待つ必要すらなく殴りかかってもいいと言われていた(これは別に相手を舐めているわけではなく、時間切れ対策という切実な理由がある)。

また、コスト3以下のマナブーストを10枚程度採用することでこのデッキの天敵になるはずだった【緑単サソリス】DMR-18で登場した《メガ・マグマ・ドラゴン》が劇的に刺さり、他対面のように完封とまではいかずとも五分の勝負ができていた。
自分の《オリオティス・ジャッジ》《メガ・マグマ・ドラゴン》山札に戻し、《ニンプウ・タイフーン》《ネクスト・チャージャー》で再度引きに行く動きも強力だった。

このように怒涛の新規カードによって「決まれば強い」程度のコンボから「決まらなくても強い」「3ターン目にパーツが揃ったら実質エクストラウィン」なコントロールにデッキの本質が変わってしまい、結果としてあっさり規制された。
しかし、根幹となるランデスギミック自体はDM-36から変わっておらず、前記したアーキタイプレシピの大半は数年前までに登場したカードで構成されていたため、そういう意味では珍しい事例と言えるかもしれない。
【青黒退化】【ゲイル・ヴェスパー】などと同じく、古いコンボデッキに数種類の新規カードを加えるだけで環境でも戦えるようになるという実例を残した。

余談だが、《天雷王機ジョバンニX世》プレミアム殿堂直前に使われていた《超次元ムシャ・ホール》入りの型がこのデッキの最終形態で、殿堂ゼロデュエルでも主流とされる。
元々は【墓地ソース】《暴走龍 5000GT》対策で《勝利のリュウセイ・カイザー》を立てるためのカードだったが、《激相撲!ツッパリキシ》で《ジョバンニ》をパンプアップしたり、《激天下!シャチホコ・カイザー》で疑似的に破壊耐性を付けさせたりと他にも色々と使い道がある。
一見5マナまで到達するのが難しいように感じるかもしれないが、《爆走戦鬼レッド・ライダーズ》《ネクスト・チャージャー》のおかげで比較的安定して5マナ使える。
状況によりこれも時間切れ対策の《絶対絶命 ガロウズ・ゴクドラゴン》の完成を目指す場合もある。

【モルトNEXT】《フェアリーの火の子祭》対策やミラーマッチ用の打点として《爆鏡 ヒビキ》が採用されることもあった。

殿堂ゼロデュエルでは [編集]

トップメタ【絶望神サガループ】や各色《DARK MATERIAL COMPLEX》が入るデッキならどこにでも湧く《音奏 プーンギ》に不利が付くため、最上位争いに参加できる素養はない。

しかし、無対策の相手を一方的に蹂躙できる点は革命ファイナル当時そのままであり、新章デュエル・マスターズ以降に登場したパワーカードを採用した型が一定の成績を残している。

なお、【ジャックメイカー】の対策デッキとしても注目されたことがあるが、そちらに寄せすぎると必然的に除去呪文まみれの構築になり、《音奏 プーンギ》《奇天烈 シャッフ》が一層重くなるため、どの程度意識するかはプレイヤーの好みが別れる。

サンプルデッキ [編集]

「デュエル・マスターズ グランプリ-3rd」14人使用中ベスト64入り5人
レシピは大会事務局公表のデッキリストより。

参考 [編集]