戦国編環境 [編集]
【キング・アルカディアス】や【マルコビート】が台頭する中、DM-28にて《ブレードグレンオー・マックス》と《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》の2体のマナ進化クリーチャーが登場。
【赤単速攻】などの速攻デッキも強化されたが、最もその恩恵を受けた【赤緑速攻】を中心に、しばらくの間ビートダウンがメタの上位に位置することとなる。
新能力のシールド・フォースは上述の《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》の他、後に環境のマストカードとなる《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》が登場し、対処が難しいフィニッシャーとして広く活躍。2体以上並ばれると巻き返しが一気に難しくなるため、このクリーチャーのメタカードとしてシールド焼却の《冥府の覇者ガジラビュート》が注目されるほどだった。
シールドを用いた戦術として《ソウル・アドバンテージ》も登場。シールドが初期状態の5枚ならば事実上の「1マナ軽い《ロスト・ソウル》」となるため、勝負を決めかねない威力のハンデスカードとして恐れられ、カードプールに大きな影響を与えた。
当時は【赤緑速攻】がパワーラインの都合上【マルコビート】に弱く、【マルコビート】が速度の関係上【ギャラクシーコントロール】に弱く、【ギャラクシーコントロール】が《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》の出る前に決着を付けられる【赤緑速攻】に弱い、という三竦みが成立した。
7月発売のDMC-44に収録された《インフェルノ・サイン》により、殿堂入りしていた《インフェルノ・ゲート》に続くリアニメイト手段が登場したため、【ロマノフサイン】、【ロマネスクリアニメイト】といったデッキが台頭していった。《龍神メタル》や《龍神ヘヴィ》などによる【黒ランデス】などへの恩恵も大きかったと言える。《幻槍のジルコン》も当時は希少な墓地肥やし要員として重宝された。
一方DMC-43からは《エンドラ・パッピー》と《ヘヴンとバイオレンスの衝撃》が登場し、ドラゴンと言うよりエンジェル・コマンドのサポート要員として注目された。
極神編後半の大量殿堂入りで、メタ格のデッキがそこまで他を突き放すような強さを持てなくなってきたこともあり、全体として「大会で勝てるデッキタイプ」が今までにないほど増えたと言える。
ファンデッキ気味のデッキでも、しっかりと構築すれば、公認大会レベルで上位を目指すことも可能になってきた。
しばらくビートダウンの強さが続くと思われたが、DM-29の発売で状況が逆転する。新能力ニンジャ・ストライクが登場したことにより、コントロール側の防御手段が増え、相対的にビートダウンがやや弱体化してしまった。中でも《光牙忍ハヤブサマル》と《威牙の幻ハンゾウ》は驚異的な防御力を誇り、今まで以上にパワーラインが重要視されるようになる。
メタ格デッキのフィニッシャーには《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》や《聖鎧亜キング・アルカディアス》などの拘束系カードがよく用いられ、これらのパワーが軒並み9000であったため、このラインが重要になった。
S・トリガーの《インフェルノ・サイン》によりコントロールがビートダウン・速攻への耐性を得ていたのも追い風となっていた。
ギャラクシーマスターリーグ2008では、ビートダウンは【マルコビート】、【黒マルコ】といった【青赤緑ビートダウン】軸のものが多く入賞し、速攻は【赤緑速攻】が中心になった。
他方、コントロールは上記のリアニメイト系と【ギャラクシーコントロール】、【キング・アルカディアス】系、そして【黒ランデス】などのランデス系、さらに新興の【青黒緑コントロール】系の【ドルゲーザ】や【カウンターバイケン】が君臨。
《ソウル・アドバンテージ》による中盤での大量ハンデスが蔓延したため、闇入りのコントロール同士では「先に撃った方が勝ち」という展開が多かったのもこの時期の特徴だった。
そのため、地雷デッキとして【カウンターバイケン】や【カウンターマッドネス】が登場。多種多様なデッキによるメタゲームが展開された。
10月には《凶星王ダーク・ヒドラ》と《バジュラズ・ソウル》が殿堂入り。前者は種族デッキをやや後退させ、《リバース・チャージャー》などの墓地回収カードが以前より使われるようになる。この傾向は4月のプレミアム殿堂でより顕著になった。後者はランデスデッキの弱体化を促し、クロスギア対策の必然性も薄まった。
《スケルトン・バイス》はついにプレミアム殿堂入りし、相対的に《解体人形ジェニー》や《ソウル・アドバンテージ》の重要度が上がった。
11月には最強クラスの構築デッキと謳われたDMC-46が登場。強力な手札補充要員である《魔弾グローリー・ゲート》をあと1枚追加すれば、それだけで大会に勝てる程強いデッキになった。強力な《聖鎧亜キング・アルカディアス》と《聖鎧亜クイーン・アルカディアス》に目を奪われがちだが、《魔光大帝ネロ・グリフィス》と《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》も強く、光闇型【ナイト】の環境進出を決定づけた。
対する【サムライ】はDMC-45では《ボルメテウス・剣誠・ドラゴン》や《龍刃 ヤマト・スピリット》のような大型切り札が収録され、【剣誠型サムライ】など専用デッキが考えられたが、こちらは環境への進出までには至らなかった。
そして《ボルメテウス・剣誠・ドラゴン》と《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》の登場で《パラダイス・アロマ》や《巡霊者ウェビウス》などG・ゼロの研究も進み、後に再評価されるようになっていく。
DM-30になると新カード「城」が登場。それらはどれもなかなかのスペックを持っており、特に《ハッスル・キャッスル》、《ローズ・キャッスル》、《海底鬼面城》などが多くのデッキタイプで活躍。
《ローズ・キャッスル》はウィニーのパワーラインがより重要視されるようになったため、闇の入ったデッキは警戒されるようになった。
《海底鬼面城》は《エンペラー・マルコ》型の【青単速攻】にも投入され始めた。更に《チェレンコ》の登場でサイバーロードの比率が上がったため《パラダイス・アロマ》も採用されるようになり、神化編環境の【サイバー青単】に近づく。
【闘龍鬼ジャック・ライドウ】による《超竜バジュラ》の復権も話題となり、覚醒編の末期まで発展し続けた。
悪名高き【ヴィルジニアリアニメイト】の礎が出来上がったのもこの頃。
《福腹人形コダマンマ》は登場当初はやや評価が低かったものの、闇入りのビートダウン・速攻で主に《パクリオ》対策や手札補充要員として活躍するようなり、後の【黒緑速攻】にも繋がる。また、それに伴い《天真妖精オチャッピィ》や《ファンタズム・クラッチ》などS・バックの評価自体も見直されていった。
コロコロコミック2009年1月号付録として登場した《竜星バルガライザー》により、やや勢いの落ちていた【連ドラ】が復権。《転生プログラム》で踏み倒して場に出す【転生ライザー】も生まれた。
2008年10月時点で《紅神龍バルガゲイザー》のアタックトリガーによって自身に進化クリーチャーを重ねても攻撃が中止しないという裁定が出ており、これも【連ドラ】の復権を後押ししていたと言える。
今回のギャラクシー・マスターズでは白黒緑で構成された【ネクラギャラクシー】がオープンクラス優勝を果たす。レギュラークラスは【カウンターバイケン】が勝利を掴んだ。
DM-31では《超銀河弾 HELL》という重量呪文が登場した。発売当初はその凶悪な能力から環境を支配するのではないかと危惧されたが、コストが非常に重い、相手側にクリーチャーがいないとアドバンテージが得られない、などの理由から、今のところ大きくメタを動かすほどには活躍していない。
《コスモ・ポリタン》の登場によって《マーシャル・クイーン》を3ターン目に着地させることが可能となり、【マーシャルビートダウン】が成立。この時点ではまだ暫定回答でS・トリガーを使えるという裁定だったためこの時点では一部のプレイヤーにしか使われていなかったが、後の【星龍マーシャル】を生んだ正式裁定への契機となる。
通年でジャイアントをプッシュし続けてきた戦国編だが、ここに来て《西南の超人》の登場によるジャイアントの大幅な強化がなされ、【シノビドルゲーザ】をトップメタへと押し上げた。
他にもナイト&サムライの戦力の多様化により、さらに多くの有力デッキが登場。《蒼狼の始祖アマテラス》の登場も大きく、コントロールのデッキスロットが大幅に節約される事になった。
そして4月に《母なる大地》と《凶星王ダーク・ヒドラ》はついにプレミアム殿堂入りし、他に《雷鳴の守護者ミスト・リエス》、《ソウル・アドバンテージ》、《母なる紋章》、《英知と追撃の宝剣》が殿堂入り。
いわゆる母なる〜系カードは《母なる紋章》1枚のみ搭載可能となったため、自然の入ったデッキの基盤が大幅に弱体化した。場にクリーチャーを事前に用意しておく必然性も薄れたため、2コスト帯の主流マナブーストは《シビレアシダケ》や《幻緑の双月》といった手札をマナに置くクリーチャーから《フェアリー・ライフ》や《鼓動する石版》などの手札を減らさずにマナブーストが可能な呪文へとシフトしていった。
上記に加えて墓地利用の流行もあり、長らく環境で活躍の機会を奪われていた三大S・トリガーの《ナチュラル・トラップ》も日の目を浴びた。
《雷鳴の守護者ミスト・リエス》と《ソウル・アドバンテージ》の殿堂入りは事件だったが、前者は《ハッスル・キャッスル》、《知識の精霊ロードリエス》など以前に比べて格段に増えたドロー手段に代替され、後者は依然闇入りのデッキには必須カード高確率で採用されており、《ロスト・ソウル》の存在もあって大きくメタゲームは動いていない。
とはいえ、これらの殿堂入り・プレミアム殿堂により、デッキと環境の多様性は更に拡大した。
春には2つのエントリーデッキ、DMC-49とDMC-50が発売。黒枠だがその収録内容はスーパーデッキのDMC-36とDMC-37に匹敵するラインナップで、特にプロモーション・カードであった《竜星バルガライザー》の再録が注目された。
さらにエントリーパックのDMC-51とDMC-52も発売。中でも《知識の精霊ロードリエス》は抜群の展開力を持ち、ブロッカーを適当に並べた上で《覚醒の精霊ダイヤモンド・エイヴン》を呼び出せばそれだけで勝てる為、初心者にも扱いやすいカードとして人気を誇った。これを更に精巧に仕上げたのが【ロードリエスコントロール】である。
DM始まって以来と言っていい、超多様なメタゲームが展開され、主流のいくつかのデッキと、それ以外のダークホース的な存在のデッキの実力差が大きく縮まっている。
大規模な大会では、やはり成績が安定するであろう【赤緑速攻】などの速攻デッキ・《エンペラー・マルコ》軸の中速ビートダウン・《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》や【ヘヴィ・デス・メタル】、《聖鎧亜キング・アルカディアス》を擁する各種コントロール・【黒ランデス】などのランデス系デッキ・【シノビドルゲーザ】などのシノビを採用したデッキ・《インフェルノ・サイン》を利用したリアニメイト系デッキ辺りが幅をきかせている。
だが、この中でさえも多種多様な戦術がある。さまざまなデッキ構築が可能なデュエル・マスターズの本来の姿を取り戻してきており、理想的な環境だと言えるだろう。
当時の主流デッキ [編集]
有力カード [編集]
参考 [編集]