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終末の監視者 ジ・ウォッチ SR 水文明 (10) |
クリーチャー:アウトレイジMAX 12000 |
T・ブレイカー |
このクリーチャーが召喚によって出た時または攻撃する時、クリーチャーを2体まで選び、持ち主の手札に戻す。 |
相手のクリーチャーが出た時、または相手が呪文を唱えた時、ターンの残りをとばしてもよい。 |
DMEX-06で登場した水のアウトレイジMAX。
アタックトリガーと召喚時限定のcipでクリーチャー2体をバウンスできる。さらに相手がクリーチャーを場に出すか呪文を唱えた時に任意でターンの残りをとばす能力を持つ。
ターンのスキップとバウンスは噛み合っている。本来ならバウンスは時間稼ぎにしかならないが、相手は1ターンに1体ずつしか出せなくなる上、1体目を出したら即座にターンが終わってしまうため拘束力は強い。また、自分のクリーチャーも手札に戻せるので、自分のクリーチャーのcipを使いまわしたり、攻撃中のこのクリーチャー自身をバウンスしたりできる。
強力なロック能力を持つカードはロックしか能力を持たないことが多いが、このカードはバウンスを持つため場に出す際の隙が少ないのは大きなメリット。似たようなスペックの《完全不明》と比較すると、既にバトルゾーンに出ているクリーチャーで処理されてしまうということも少ない。
例えば《天災 デドダム》のようなコマンドをあらかじめバウンスしておけば《SSS級天災 デッドダムド》などで除去されることも避けられる。
攻撃時にもバウンスが使えるので、新たに登場したクリーチャーを次々に戻せば継続的に相手の展開を妨害できる。
書いてあること自体は文句なしに強力なのだが、コスト10のクリーチャーでロックしている暇はあるのかということが祟って長らく評価されることがなかった。使われるのはコスト10に意味のある【10軸ガチロボ】ぐらい。
ところが、ゲーム序盤からタダで登場しうる、コスト10以上をサポートする能力持ちの《流星のガイアッシュ・カイザー》が登場したことで一変、現実的にこのクリーチャーを召喚によって出すことが可能になった。環境でも【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】などで日の目を見ることとなった。
逆にライバル候補だった《完全不明》は、出した時点で場にいたクリーチャーにはノータッチ、召喚コストも6と7の差はそこそこあるということでむしろ《終末の監視者 ジ・ウォッチ》のほうが評価が上になったというのも面白い。
ライバルに1コスト上の《完全不明》が存在する。
能力は、相手がクリーチャーを召喚したり呪文を唱えたりしたらターンを飛ばせる点が共通している。
コスト10以上ともなれば、大抵の場合踏み倒しでの利用になりがち。踏み倒しで使うなら、召喚cipが使えない分大抵は《完全不明》に劣ってしまう。
また、あちらは相手がカードをマナに置く、あるいは攻撃するだけでもターンを飛ばせ、反応するカードタイプが限定されていないと、相手ターン中のロックとしてはこちらより上。召喚cipが使えないと、実際に出た後での単体性能はアタックトリガーでの2バウンスにすがって差別化しなければならない。
拘束力では負けているが、こちらは自分のターン中にターンの残りをとばすことができる。自分のターン中に相手がクリーチャーを出した場合、非ターン・プレイヤーの解決前に相手にターンを渡すことで、cip等の能力の解決を不発にできる。しかも任意のため、かなり融通が利く。
加えて召喚以外の方法でバトルゾーンに出た時にも反応するので、召喚であるS・トリガー獣やニンジャ・ストライクのほかに革命0トリガーや侵略ZEROにも対応可能。
S・トリガーやニンジャ・ストライクなどからのコマンドクリーチャーによる禁断解放などを防げるというのは珍しいのでうまく活用したい。
《完全不明》では成り立たない《無限皇 ジャッキー》や《無法のレイジ・エッグ》など、アウトレイジに対応した踏み倒し手段を利用できる点は差別化に利用できる。
また、コスト10であるため《スペリオル・シルキード》の離れた時効果や、《Dの機関 オール・フォー・ワン》のターン終了時効果で《族長の魂友 ワチャゴナ》や《SSS級天災 デッドダムド》を破壊コストにすることで出せる範囲でもある。
一応パワー12000以上サポートの範囲内なので青緑の【ゲイル・ヴェスパー】では採用が考慮される。ただし、パワーが同じ《ボルシャック・ドギラゴン》の革命0トリガーからの効果バトルを防ぐと後述のように自分のターンがスキップされてしまうため、あちらに対しては有利でも不利でもある。
踏み倒しをせずとも、2→4→6→10というマナカーブができればかなり早い段階で召喚でき、《完全不明》との差別化にもなる。
特に《剛撃古龍テラネスク》や《コレンココ・タンク》とは相性がよく、マナブーストで6→10と伸ばして召喚をアシストできる。これらをこのカードの効果で手札に戻せれば、今度は手札補充として再利用できる。
《マナゴリラ》も進化元ごとバウンスすることで、間接的にマナのカードを回収できるので相性が良い。
ただ、相手が大量展開した後だとバウンスが追いつかず、攻撃を防げないことも考えられるので注意。
このように、出せば間違いなく強力なカードだが、バトルゾーンに出すギミックを想定しないと持て余すことになる。
《完全不明》と同様に、上級者向けのカードと言えるだろう。
登場当初はやはり重過ぎることが祟って目立った活躍は無かったが、王来篇期には《流星のガイアッシュ・カイザー》軸の【青黒緑デッドダムド】や《零獄接続王 ロマノグリラ0世》軸の【5色コントロール】、【青赤緑ガイアッシュ覇道】などがオリジナルのチャンピオンシップでこれを採用した上での優勝を記録しており、出す機構さえしっかりさせておけば十分に強力であることが証明された。
王来MAXに入ると、競合相手の《地封龍 ギャイア》等と異なり《流星のガイアッシュ・カイザー》の軽減対象かつ水文明単色である点等が評価され、【4色ディスペクター】(特に【4色ロマノグリラ天門】)を中心に流行。
【青黒緑デッドダムド】の場合、序盤に単色マナとして役立つのも利点の1つであった。そちらのデッキではいざとなれば《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》でマナ回収できたためマナチャージに使っても問題なかった。
ただし、同時期に登場したタマシードにはターンスキップが反応しないため、《完全不明》に入れ替えるプレイヤーも。また、【青黒緑デッドダムド】対面の場合、《SSS級天災 デッドダムド》の連続侵略で自身ごと盤面を処理されてからのターンスキップ解決、ということになりがちなので、案外着地しても安心できない。
『DMGP2022』Day1(アドバンス)ベスト16を記録した【白青黒緑ギャラクシールド】に2枚投入されていた。
ゴッド・オブ・アビス環境では、【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】や【青黒緑グラスパー】といった《流星のガイアッシュ・カイザー》や《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》を基盤としたデッキのフィニッシャーとして広く採用されるようになり、完全に環境級のカードとなった。本来であれば《オールデリート》が主役になるはずの【青黒緑デリート】において3枚採用され、《オールデリート》の方がサブフィニッシャー的に2枚積みされるにとどまるという現象まで起こっている。
DM22-BD2・DM22-BD3期辺りから【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】をこれに寄せた型である【青黒緑ジ・ウォッチ】が増加し、2023年3月下旬辺りから激増。2023年3月最終平日から4月初土日にかけて【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】/【青黒緑ジ・ウォッチ】入賞31件中《CRYMAX ジャオウガ》不採用でこれ単採用の型が8件を数えた。
『超CSV in 大阪』(オリジナル)では予選通過128人中2人が【青黒緑ジ・ウォッチ】を使用と予選実績10位タイを記録(このデッキを含めて同率に5デッキ)。
DM23-EX2期になると往時ほどは使われなくなったが、今度は《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ'22》で強化された【青緑Gジョラゴン】での入賞が散見されるようになった。
DM24-SD1・DM24-SD2・DM24-SP1発売直前辺りから【5色蒼龍】での活躍が散見された。そちらには《流星のガイアッシュ・カイザー》は不採用で、最早《流星のガイアッシュ・カイザー》でのコスト軽減を抜きにしたファッティとして評価されていると言える。
変わったところでは『DMGP2024-1st』Day2チーム戦(オリジナル)ベスト32のチームにこれを3枚入れた【青緑キャベッジ・セッションズ】が確認された。パワー12000以上基盤に《流星のガイアッシュ・カイザー》を投入し、《ブルー・インパルス/「真実を見極めよ、ジョニー!」》や《飛翔龍 5000VT》で水マナを確保したものである。その後【青緑キャベッジ・セッションズ】はしばらくの間若干流行した。
『DMGP2024-1st』前後で、単色マナの確保のために《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》1枚をこれに入れ替えた【青黒緑DOOM・ドラゲリオン】が散見されるように。
《アクア・ギャクテンポインター》が登場すると、そちら側が非ターン・プレイヤーなら、どれだけcipが積み重なっていてもこれが捲れた時点でそちら側のターンが終了するとして、話題となった。