コスト
|
インフェルノ・サイン P(UC) 闇文明 (5) |
呪文 |
S・トリガー |
コスト7以下の進化ではないクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出す。 |
爆竜兵ドラグストライク R 火文明 (5) |
クリーチャー:ドラゴノイド 1000 |
このクリーチャーが破壊された時、ドラゴンを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。 |
邪眼皇ロマノフI世 SR 闇文明 (7) |
クリーチャー:ダークロード/ドラゴン・ゾンビ/ナイト 8000 |
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札を見る。その中から闇のカードを1枚選び、自分の墓地に置いてもよい。その後、山札をシャッフルする。 |
このクリーチャーが攻撃する時、自分の墓地にある闇のコストが6以下の呪文を1枚、コストを支払わずに唱えてもよい。その後、その呪文を自分の山札の一番下に置く。 |
W・ブレイカー |
パラダイス・アロマ C 水文明 (3) |
クリーチャー:サイバー・ウイルス 2000 |
G・ゼロ−バトルゾーンにサイバーロードが1体でもあれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。 |
デュエル・マスターズにおいて、たいていのカードは早く使う、または早く出す事が重視されるため、それを一気に可能にするコスト踏み倒しは、強力な手段であると言える。
特に大型カードを扱う上ではマナブースト、コスト軽減に並んでしばしば検討される。
ニンジャ・ストライクや侵略、革命チェンジなどは非常に手軽に使えるコスト踏み倒しであり、今や環境においてコスト踏み倒しを行わない試合を展開するのは不可能と言っても過言ではないくらい浸透している。
一般的に「コスト踏み倒しカード」や「コスト踏み倒し能力を持ったカード」と言う場合、そのカード自身ではなく、別のカードのコスト踏み倒しができるカードをさす場合が多い。
必ずしも手札からコスト踏み倒しをするとは限らず、他のゾーンから呼び出せるものも存在する。呼び出し元のゾーンによっては、リアニメイト、リクルートといった異なる呼称も存在する。
コスト踏み倒しは、「出す」タイプか「使う」タイプの2種類がある。
前者は、クリーチャーなどのバトルゾーンに出すカードタイプを対象に、単に「出す」と書かれたものが該当する。進化を経由する場合「置く」という表現が使われることもあるが、それもこちらに該当。
後者は、あらゆるカードタイプを対象に用いられる「使う」に加えて、それぞれのカードタイプを使う時に挟むキーワード処理(クリーチャーなら「召喚する」、フィールドなら「展開する」など)で表現されるものも該当する。
クリーチャーで言えば、「コストを支払わずに出す」「コストを支払わずに召喚する」の2つがある。
ただし、呪文のみは例外で、すべてのテキストで「(コストを支払わずに)唱える/使う」が用いられる。つまり呪文には「使う」タイプのコスト踏み倒ししか存在しない。
この2つの区別は、例えば「召喚」に反応する能力を持ったカードがいる場合に重要となってくる。
「召喚する」というテキストでクリーチャーを出した場合、このような能力の対象になる。加えて、「使う」というテキストでクリーチャーを出した場合は、それも「召喚する」キーワード処理を行った扱いとなり、同じく能力の対象になる。
他方、「出す」というテキストの場合は「召喚」「使う」といったキーワード処理を経由して出した扱いにはならず、このような能力の対象にならない。
コストを支払わずに出すことに反応するカードも存在する。詳しくは後述の『対策』、もしくは『コスト踏み倒しメタ』のページを参照。
そのようなカードを相手にした場合、例えば超次元呪文でサイキック・クリーチャーを出すといったように、一連の動作の起点がマナの支払いであったとしても、カード(ここではサイキック・クリーチャー)が出る時にそのカードのコストを直接払っているのでなければ、「コストを支払わずに出した」事になる。《フォース・アゲイン》など、同じクリーチャーを出し入れする場合でも同様。
代替コストによってマナコスト以外のコストを支払った場合でも、「コストを支払わずにプレイした」事になる(テキスト上の「コスト」はマナコストの意味であるため)。
コスト踏み倒しは基本的に強力な効果の1つである。
S・トリガーやニンジャ・ストライクなどの場合、0マナで何らかの行動を起こせるため、一方的にカード1枚分のアドバンテージを得ることができる。
《ヘブンズ・ゲート》や《インフェルノ・サイン》など、一部のコスト踏み倒しカードは、そのカードよりも大きなマナコストのカードを使用できる。マナブーストやコスト軽減と並び、早出しに利用できる。コスト上限がなければ、これに加えて普通にマナコストを支払う方法ではとても出せないような超重量級カードでも出すことができる。
コスト上限のない特定のゾーンからのコスト踏み倒しは、指定された領域が全て手札になるようなものであり、極めて柔軟な動きが可能となる。
環境においては、この手法を使って、《無双竜機ボルバルザーク》や《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》を早いターンでバトルゾーンに出すことを可能としたデッキが大会上位を占めた時期もあった。
アタックトリガーなど、複数回使える可能性のあるコスト踏み倒し能力は、当然ながら使えば使うほど多くのコストを節約することができる。
ループ戦略にとっても極めて重要な能力であり、数種類のカードを互いにコスト踏み倒しすることができれば1ターン中に無限ループを発生させることが可能。
強力であるため、《母なる大地》や《母なる紋章》、《インフェルノ・ゲート》など、プレミアム殿堂となったカードも存在する。調整版であっても殿堂カードとなる例はあり、《インフェルノ・サイン》などが代表的。
相手のクリーチャーをコスト踏み倒しする能力も存在する。除去とセット(交換)か、デメリットとしてついている場合が多い。
相手の呪文を自分が唱える能力(呪文横取り)も、仕組みの都合上すべてコスト踏み倒しになっている。
新章デュエル・マスターズ環境以降環境レベルで使えるコスト踏み倒しメタが充実するようになってからは、踏み倒したクリーチャーによってcipでアドバンテージを取ることや封印を外すことがそれまで以上に重要視されるようになった。特にドラグナーなどクリーチャーではないカードタイプのカードをcipで残せるタイプのクリーチャーはその点でコスト踏み倒しに適応するに至った。
デュエマにおいて自己コスト踏み倒しなどでノーコストで効果を使えるカードが殿堂入りした場合、ループなどで悪用される恐れがあることから、その後の殿堂解除の見込みは基本的に無くなる。
対コスト踏み倒しを専門とするコスト踏み倒しメタに頼るのがベスト。
また、対策したい踏み倒し能力やカードによっては他の選択肢もありうる。
かつては《解体人形ジェニー》などでハンデスしてしまうのが手っ取り早かったが、今や手頃なコスト踏み倒しカードの総数が増えすぎたため、有効打としては薄い。捨てさせたカードをリアニメイトされることも増えて来ているのも向かい風。
コスト踏み倒しメタで代表的ものとして《百発人形マグナム》や《早撃人形マグナム》、《ウソと盗みのエンターテイナー》、《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》、侵略ZERO能力のカードなどがある。踏み倒しによりそれらの能力が誘発するため、それらを出しておくことで封じることができる。
ただし、コスト踏み倒しメタと一纏めに呼ばれるカード群でも、実際にはコスト踏み倒しを判定する条件がそれぞれ違い、したがって対策できるコスト踏み倒しの種類も異なってくるので注意。
詳しくは、コスト踏み倒しメタの頁を参照。
最も古いコスト踏み倒しはDM-01から存在するS・トリガーである。DM-03辺りにはトリガーデッキが組まれており、相手任せとはいえ、コスト踏み倒しの強さを示す好例とされる。
二番目に登場したのはDM-06から《飛雲の求道者ダバ・トーレ》によるマッドネス。ただし、当時は能動的に使い難く、実用性に乏しかった。
しかし、DM-08期になると漸く能動的に使え、かつ実用性のあるコスト踏み倒しとして《幻想妖精カチュア》と《爆竜兵ドラグストライク》、《紅神龍バルガゲイザー》が登場した。いずれもドラゴンしか踏み倒せなかったが、ドラゴンの総数は増えていく一方なのでいつの時代も踏み倒し先には困らない。
続くDM-10では自由自在のコスト踏み倒しを可能とする《緊急再誕》と《転生プログラム》、《母なる大地》が登場。これらのカードは派生カードも数多く生み出し、後々のカード開発にも影響を与えた。
DM-16でG・ゼロや《ヘブンズ・ゲート》、DM-17でS・バックといったコスト踏み倒しが続々登場し、更に不死鳥編では《インフェルノ・ゲート》や《魔龍バベルギヌス》などのリアニメイト、《時空工兵タイムチェンジャー》による退化戦術も登場し、コスト踏み倒し全盛期が築かれるようになったのである。
コスト踏み倒しという戦術が一般化され尽くした結果、コスト踏み倒しで出してようやく適正値、それ以外で使うなどもってのほかというデザインのカードもいくつか登場することもある。
弱くなりすぎた失敗例には《ハートフ・ルピア》と同時に登場した《超銀河槍 THE END》が顕著で、他にも《魔光神官ルドルフ・アルカディア》前提の《闇鎧亜グランド・アルカディアス》など定期的に存在は確認できる。
成功例もあり《卍 新世壊 卍》前提の《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》、《未来王龍 モモキングJO》前提の《無双龍騎 ボルバル・モモキング》や《神帝英雄 ゴッド・モモキング》などが挙げられる。ただし【JO退化】については成功例どころかむしろ強すぎたのでプレミアム殿堂コンビで規制されることになった。