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| PP-「P」 VR 自然文明 (3) |
| クリーチャー:ハンター/エイリアン/テクノ・サムライ 3000 |
| 相手のマナゾーンにあるカードの枚数よりコストが大きい相手のクリーチャーが出る時、相手はかわりにそれを持ち主のマナゾーンに置く。 |
| 超魂X(これがクリーチャーの下にあれば、そのクリーチャーにも以下の能力を与える) |
| 相手のターンの終わりに、相手のタップしているクリーチャーがなければ、自分の山札の上から2枚をマナゾーンに置いてもよい。そうしたら、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻す。 |
DM25-RP3で登場した自然のハンター/エイリアン/テクノ・サムライ。
相手のマナゾーンの枚数より、名目コストの大きいクリーチャーを着地置換効果でマナ送りにする能力を持つ。
《獣軍隊 ヤドック》や《クイーン&かぼちゃうちゃう》と同様のコスト踏み倒しメタ能力でありこちらも同じく強力な一枚である。
着地置換効果によりcipが発動しない、ターン指定がないため攻撃の際に高コストのS・トリガー獣やニンジャ・ストライクなどの受け札を封じられるといった長所も本家と変わらない。
そしてなにより目を引くのは、《飛散する斧 プロメテウス》や《ハロウィンズ・カーニバル》系の効果が発揮される超魂X部分の能力。
相手ターンの終わりに発動するため、多色カードをタップインしてもアンタップ状態で自分のメインステップに活かすことができ、相手に隙を晒さずにマナブーストと質の良い手札補充ができる。3ターン目に発動できればそのまま5コスト帯のカードに繋げることができる上、自分のマナゾーンから好きな札を選べるため行動の選択肢を非常に広げやすい。
特に序盤から出せた際の影響力は大きく相手の初動が呪文やタマシード中心なら超魂Xで継続的にリソースを稼ぎ続けられる。そうでなくとも3ターン目には殴らない(殴れない)デッキも多いのでかなりの範囲に刺さる。
相手がタップ状態のクリーチャーを作ろうと攻撃を行った場合でも、ブレイクで自分の手札が増えるので事実上の置きドローとして機能する他、S・トリガーによるアドバンテージ獲得やタップキルも狙える。
基本のメタ能力のおかげで侵略や革命チェンジ、D・D・Dといった踏み倒し能力を持った大型フィニッシャーの登場も防げるため中途半端な攻めに止まらざるを得ない場合がほとんどである。不本意な状態でシールドを刻まなければならない状況を作り出される点は相手にとって非常に厄介。
名目コストを参照するコスト踏み倒しメタは相手のマナが溜まるゲーム後半には腐ってしまうが、このクリーチャーは超魂X部分の能力でそれを補っている。フィニッシャーの進化元にしても超魂Xは有効なので無駄がない。
メタカードは一般に「相手の動きを鈍らせるが自分の動きも遅れる」「刺さらない相手には棒立ちになる」という特徴があり、システムクリーチャーには「自分のリソースは稼げるが相手の動きを素通しにする」という特徴があるが、《PP-「P」》はメタクリとシスクリを複合したような性能であることで「相手の動きを制限し、その制限の中で対処ができなかったら、自分のリソースが伸びて次の行動までを加速する」という攻防一体の強力なカードに仕上がっている。この自己完結性が他の置物カードとは一線を画すポイントである。
不正メタされるので、実質コストは小さいが名目コストが大きいクリーチャーを多用するデッキは、流行次第では避けたい。《∞龍 ゲンムエンペラー》などは言うまでもなく、《轟く邪道 レッドゾーン》や《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》程度の中型クラスでも3〜4ターン目に「マナゾーンにあるカードの枚数よりコストが大きい」をスルーするのは難しい。
コスト3の軽量クリーチャーを《龍世界 ドラゴ大王》や《聖霊王アルファディオス GS》などの先出し着地置換効果や出せない効果で蓋をするというのは現実的に不可能なため、出された後にこちらのアクションで《PP-「P」》をどう腐らせるかがポイントとなる。
そのための方法は以下のものが挙げられる。
いずれにせよ、それらのカードをデッキに入れ、先攻であれば4ターン目、後攻なら3ターン目までにそれらを引き込み、以降の展開を半ば無視してそれらのカードを実行することを強いる能力と言い換えることもできる。しかもクリーチャーをタップさせる方法がシールドブレイクなら、S・トリガーなどによるカウンターを割り切らなければならないという条件付き。この要件を満たせなかったその瞬間に勝敗が決する場合まである。
プレイングやデッキ構築の時点でこのカードを意識しなければならないほどの存在感を示している1枚と言っていいだろう。
最も選択肢が多い反面、リスクも高い方法。
後手時で召喚酔いで間に合わないことを避けたいため、コスト2の攻撃可能なクリーチャーを出すのが望ましいが、それにしても攻撃先がプレイヤーしかない場合はS・トリガーを踏まないよう願うしかない。もしも除去系トリガーで攻撃を終えたクリーチャーがバトルゾーンに残らない場合は、せっかく攻撃したのに「相手のタップしているクリーチャーがなければ」を達成できないで終わってしまうこととなる。
初動を兼ねる軽量コストの中〜高パワーのブロッカー(《煌ノ裁徒 ダイヤモン星》などが該当するか)と併用されていた場合、そのパワーを超えていなければタップ状態で生き残ることが許されない。
先攻側が2→4《ゴールド・フラウム》と動き3ターン目に《PP-「P」》を着地させるというプレイングも開拓されているため、ブロッカーを超えられないケースは現実に起こり得る。
スピードアタッカーやマッハファイターや進化速攻など即時打点の場合は速攻メタで止まりタップ状態にできないで終わるリスクも考慮する必要がある。
公開領域でマナが不足していても逆転撃で強引に攻撃を潰される可能性もある。マナブーストのタイミングが「次の自分のターンのはじめ」の前であるため、特殊敗北を乗り越えて唱えてくる可能性がないとは言い切れない。
《PP-「P」》のパワー3000のラインも厄介であり、《学識妖精サイクリル》程度のマッハファイターでは相打ちで終わる=「③除去」のプレイングを試みて自分の手札リソースを1枚失ったのに等しい。
本当なら《チアスペース アカネ》など適当なコスト5への革命チェンジでバトル時のパワーを3000超することが簡単でも、不正メタで封じられているのが痛い。《サイクリル》がcipで1ブーストした後ならコスト4の《巨魔天 アオフェシー》が不正メタを受け付けないのは有名。
もし無事に攻撃を終えることができても、《PP-「P」》のパワーが3000もあるため、パワー3000未満のクリーチャーは殴り返しで差し出すことがほぼ確定してしまう。
《轟速奪取 トップギジャ》のような殴り返しが致命傷になるクリーチャーをこの方法に使うのは事実上不可能。
そうでなくても様々なクリーチャーのアタックトリガーの的になるなど非常に危険。
カードの候補が狭く汎用性は低いが安定はしている。
《紅の猛り 天鎖》といった自己タップインしつつ役立つクリーチャー。うち《DARK MATERIAL COMPLEX》はカードパワーは高いが殿堂入りで戦術に組み込むには確率が低い。
メインステップや攻撃ステップでクリーチャーをタップできる効果。タップ能力やハイパー化を動員すれば繰り返し使えるし、ハイパーエナジーや《緑知銀 フェイウォン》といった単発的なものでも1ターンは安全に通過できる。(ハイパーエナジーのクリーチャー自体は着地置換効果の餌食となる。)
いずれにせよ、パワー3000未満のクリーチャーだと《PP-「P」》で殴られるのは必然であることには留意。
ただし攻撃されない効果を含む「飛行」能力の《極楽鳥》は有用性に期待できる。もし手札のカードの都合でメインステップにマナを生み出しタップすることができない場合でも、「このクリーチャーはシールドをブレイクできない。」を逆手に取って相手プレイヤーに無駄攻撃を仕掛けることでも対策できる二段構えである。
《スチーム・ハエタタキ》のような1:1交換の除去札では、アドバンテージの差が広がらず痛み分けとなる。
したがってカードを実行することでも自分が損をしないものから候補を探すのが望ましいだろう。
《MATATA-美吾罪261》などのマッハファイターや《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》や《理想と平和の決断》といった除去札で《PP-「P」》を的確に処理する。
あるいは後手対応すると損だと承知で、《超英雄タイム》といった構築を歪めずデッキに入っているカードを《PP-「P」》処理に回すという手もある。もちろん自分の展開やリソース確保を後回しにする行為のため、状況が良くなるとは限らない。
2ブースト1枚マナ回収をためらわせることができるなら、タップ獣も除去も要求されない。
《倍返し アザミ》や《デュエマの鬼!キクチ師範代》などのマナブーストメタになるカードを用意する。
純粋2ブーストを許容できるなら《若き大長老 アプル》や《群蟲 シェルフォ-2》などでも相手の手札が増えることを妨害できる。基本的にマナ+2・手札+0よりマナ+1・手札+1のほうがマシなことが多いはずなので実用性は不明。
登場以来、自然入りのありとあらゆるデッキに採用された。
DM25-RP3期オリジナル時点でも、【黒赤緑邪道バイク】【白緑ドリームメイト】【白青緑アルファディオス】【青緑ジャイアント】【白青黒緑ペテンシーフシギバース】【白青緑Drache der’Bande】【ゴルギーオージャー】【青赤緑ガイアッシュ覇道】【白赤緑御代紅海】とその採用例は多岐にわたる。
自然が入るのであればよほどの事情がない限りまず採用候補に上がるほどのスペックを誇る。
実際のところカードパワーの関係で種族デッキの濁りになる事を許容してでも採用するという場合は多い。
そのため自然入りで《PP-「P」》を採用しないデッキを挙げる方が手っ取り早い。
不採用例としては、これ以上闇を含まないカードの枠がない【4色ゼーロ】、非ドラゴンが致命的な濁りになる上「早期に過剰打点を並べて殴り切る」というコンセプトとメタの相性が噛み合わない【白赤緑ボルシャック】【青赤緑モルトVERSUS】等。
上記の通りマッハファイターが対策として有効なため、《料理犬のヴィヤンドゥ》を採用できる【白緑ドリームメイト】は立場を良くした。【青緑ジャイアント】の《学識妖精サイクリル》+《巨魔天 アオフェシー》も見かける機会が増えた。
【白青緑Drache der’Bande】はメインアタッカーがコスト3の《俳句爵 Drache der’Bande》かつビートダウン寄りでタップ状態でターンを終えるのが利敵行為になりづらい。ただしアンタップ呪文後にG・ストライクで固められないよう注意。
前環境からトップメタの【青単サイバー・メクレイド】でも、このクリーチャーに対応したプレイングの開拓が見られた。相手が自然入りの場合《アストラルの海幻》→《マクスハト》という前環境での理想ムーブは特に後攻時は避けられるようになり、かわりに《アストラル・ハート》で1点刻むことが増えた。
ヨビニオン要員に《PP-「P」》封じのための攻撃をブロックで妨害できる《ゴールド・フラウム》を採用する例も一部で見られた。