《「
|
「覇道」の頂 シュラ・ベートーベン SR 闇/火/自然文明 (10) |
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/ゼニス 13000 |
T・ブレイカー |
自分のドラゴン・クリーチャーが召喚によって出た時、自分の山札の上から2枚をマナゾーンに置いてもよい。 |
自分のドラゴン・クリーチャーすべてに「スピードアタッカー」と「スレイヤー」を与える。 |
ドラゴン・クリーチャーを自分のマナゾーンから召喚してもよい。 |
DMX-25で登場した闇/火/自然のキング・コマンド・ドラゴン/ゼニス。
初の有色ゼニスであり、召喚限定cipの範囲が自身から味方ドラゴン全体に広がっている。つまり、このクリーチャー自体はコスト踏み倒しで出しても、後続が続くようであれば、特に問題にはならない。単に《フェアリー・ミラクル》を打つための序盤のマナ埋めをケアするのにも有用。
ドラゴンの多くは大規模な除去を持つため、そこにスレイヤーを付与すると大抵はオーバーキルになりがちだが、例えば除去を原則3回受けないと倒せない《終焉の禁断 ドルマゲドンX》を殴り返しによって処理するにはうってつけ。《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》のマナ送りで1回選んでから、そちらとこちらで殴り返しすればすぐにあちらの特殊敗北能力を突くことができる。
名称自体は《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》からの派生と思われるが、能力的にはエピソード2で登場した《偽りの王 ヴィルヘルム》・《偽りの王 フォルテッシモ》・《偽りの王 カンタービレ》の3体を1つにまとめたような性能である。
しかし、10マナある段階としてのアクションとしてみると、2マナ加速の上で即座に殴れるT・ブレイカーが用意されるだけとなっており、他の同コスト帯のゼニスやドラゴンと比較しても物足りない。除去耐性も持っていないため、ただファッティを立てただけで終わってしまう可能性も十二分にある。
したがって、10マナしかない状態で10マナきっかり払って出すような使い方では100%性能を活かし切ることはできない。
活かし切るには、早期に踏み倒して軽量ドラゴンを並べて他のフィニッシャーに繋げるか、15マナ程度まで伸ばしてから他のフィニッシャーと同時に展開していくかのいずれかが望ましい。
元にいた場所を問わず、召喚したドラゴンがそのまま2マナ加速に変換される上に、マナゾーンからの召喚に回数制限がないため、《シンカゲリュウ・柳生・ドラゴン》や《ボルバルザーク・エクス》らマナ回復と組み合わせれば驚異的な展開が見込める。
《龍世界 ドラゴ大王》・《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》・《偽りの王 ナンバーナイン》、これら3体も比較的簡単に揃うため、フィニッシャーとしては理想的だろう。
《FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~》と組み合わせないのであれば《無双恐皇ガラムタ》も視野に入る。《光神龍ダイヤモンド・グロリアス》でダイヤモンド状態にさせれば《FORBIDDEN STAR》とも併用可能。
《龍覇 ザ=デッドマン》と《侵攻する神秘 ニガ=アブシューム》があれば、大量のマナを用意することが前提となるが、比較的緩い条件でループしてマナゾーンのドラゴンを出し尽くすことができる。またループを考慮せずとも、《ニガ=アブシューム》との相性は特筆に値する。(破壊されたドラゴンがマナゾーンへ移動して再度召喚が可能になる上、色事故の心配もなくなる)
総括して《「戦慄」の頂 ベートーベン》以上に補助的な働きを持つゼニスであり、単体では少々派手さに欠ける。
しかし、このカードの真価は《地掘類蛇蝎目 ディグルピオン》や《コッコ・ドギラッチ》など、他の有用なドラゴン・ドラゴンサポートによって発揮されるものである。構築ではそれを心がけたい。
先述の通りcip以外にも魅力的な能力が勢揃いであり、ゼニスでありながら【連ドラ】や【ミステリー・キューブ】にも難なく組み込めるスペックである。
当初の評価としては環境デッキを組むなら今一つのカードであったが、【ブライゼシュート】が環境入りしてからは積極的に採用されるようになった。特に《星龍の記憶》でS・トリガー化したドラゴン達を《黒神龍ブライゼナーガ》で複数体出しすると、それらのドラゴンでマナを伸ばしつつ即座に1ショットキルを仕掛け、1ショットキルに失敗しても伸ばしたマナで追撃する、という無駄のない動きができる。
ただ、《トライガード・チャージャー》が登場したあたりからデッキパーツとして脱落するケースが多くなった。劣勢をシールド追加からのスーパー・S・トリガーでひっくり返したり動き初めを早くしてくれるチャージャーとして役立ったりするあちらと異なり、こちらは終盤にならないと強くならない点から優先度が下がったと言える。
後に【ブライゼシュート】は殿堂レギュレーション改訂によってあまり見かけられなくなったが、超天篇からは【5色蒼龍】において採用されるケースが見られるようになった。
ところが《砕慄接続 グレイトフル・ベン》が登場すると立場は一変。大規模マナブーストもマナ召喚もあちらで十分というケースが目立ち、ほとんど対戦で見かけなくなった。その後登場した《零獄接続王 ロマノグリラ0世》を使う場合召喚酔いが解けるまで攻撃制限能力によって凌げるので、そもそもこちらでスピードアタッカーを付与しなくとも困らない。
凶悪なマナ加速性能を持つため、黒赤緑のドラゴンデッキにおけるパートナーの有力候補。
パートナーゾーンから召喚して、デッキ内に組み込んだ召喚扱いの軽量ドラゴンを大量にマナ召喚し、マナブーストと展開を繰り返して《無双恐皇ガラムタ》を含む大量のドラゴンによってそのターン中に参加者を全員なぎ倒すデッキが知られている。
デュエマ妄想構築録 vol.63-5でもこの構築が紹介されている。そちらでもレベル3(ガチ)向けのデッキとされている通り、制圧とワンショットキルを狙うデッキなので、カジュアルレベルだと使いにくいのが欠点。
環境黎明期ではまだ他のデッキの開発が進んでいなかったためトップメタであったが、徐々に研究が進むとパートナーが公開された段階で戦術が明らかであり、対策されやすいことからその座を退いた。
それでも決まれば全員を瞬殺出来るパワーには魅力があり、人気のパートナーの一つである。