【アーテルマトリクスループ】 [編集]

《アーテル・ゴルギーニ》cipにより《終斗の閃き マトリクス》リアニメイトし、そこからcipを消化して自分の手札または墓地からコスト3以下の呪文を好きな回数唱えることを目的としたデッキ。

短く【アーテルループ】や【マトリクスループ】と呼ばれることも多い。

挙動から連想して【サガループリペア】と呼ばれることもあり、実際に殿堂入り1枚積みとなった《絶望神サガ》が投入されていることもあるが、《サガ》による高速墓地肥やし手札交換は必須要件ではないため、立ち回りの関係性は薄い。ネットスラングの【(カード名を含むアーキタイプ)】→【(カード名)抜き(アーキタイプ名)】に近い。

主要カード [編集]

《アーテル・ゴルギーニ》キーカードを蘇生するループの要
《終斗の閃き マトリクス》墓地か手札から呪文詠唱
《イザナギ》&《サイクルペディア》を足したようなカード
《緊急再誕》《アーテル》を呼び出す
《蝕王の晩餐》
《叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライト》《アーテル》などの味方ブロッカー手札回収/基本的なドローソース

候補カード [編集]

《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》時に《アーテル》で呼び出して置きドローとして使うことも/手札交換
《戦攻のシダン アカダシ/「いいダシがとれそうだ」》1コストブロッカーなので時に時間稼ぎに/手札交換
《学校男/ゾンビ・カーニバル》コスト踏み倒しメタ対策/宣言種族を3枚まで墓地回収
《コダマダンス・チャージャー》3コスト闇単色で1手札補充1マナブーストができる
《終断γ ドルブロ/ボーンおどり・チャージャー》ささやかながら延命用となるブロッカーS・トリガー獣/2墓地肥やし付き3コスト単色チャージャー
《K・アトラン&キング海賊団/アイアイサー・チャージャー》クリーチャー側はほぼオマケ/呪文1墓地回収付き3コスト単色チャージャー
《終止の時計 ザ・ミュート》通常時は癖のない手札交換。プラス能力発動時に原則1ターン凌げる
《絶望神サガ》墓地肥やしオリジン呼び出しの芸が光るスーパーサブ
《蒼狼の大王 イザナギテラス》拡張性の高いオリジン。《アーテル》や《絶望神サガ》から出して手札補充&呪文詠唱
《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》フィニッシャー/下面はオマケ
《忍蛇の聖沌 c0br4》カウンター札。《アーテル》がリアニメイト範囲に入っているため、状況次第でS・トリガーで捲って一気にループ完成へ
《極印呪文「インフェギガ」》採用理由は《c0br4》と同じ。5枚目以降に。初動にも《ブラッディ・ツヴァイクロス》相当で使える

ループの手順 [編集]

《緊急再誕》《叡智の聖騎士 スクアーロ》を使う基本的なパターン

  1. +《アーテル・ゴルギーニ》cipで、《終斗の閃き マトリクス》《叡智の聖騎士 スクアーロ》を《マトリクス》の上に《スクアーロ》をNEO進化させる形で出す。
  2. 《終斗の閃き マトリクス》のcipを消化し、手札または墓地から《緊急再誕》を唱える。《叡智の聖騎士 スクアーロ》を破壊してコスト5の《アーテル・ゴルギーニ》(1.とは別個体)を手札から踏み倒す。
  3. 2.の個体の《アーテル》で、2.で破壊した《マトリクス》と、その上にNEO進化クリーチャーとして《叡智の聖騎士 スクアーロ》の2体を出す。
  4. 3.で出た《スクアーロ》のcipでブロッカーを持つ《アーテル》を2体ともバウンスで手札に回収する。
  5. 《マトリクス》のcipを消化し、墓地から《緊急再誕》を唱える(2.の通過により墓地に確保されている)。3.の個体の《スクアーロ》を破壊して4.で回収した《アーテル》を1体手札から出す。
  6. 1.でストックした《スクアーロ》のcipを1つ余らせた状態で1.に戻る。繰り返して好きな数の《スクアーロ》効果をストックすることができる。
  7. 《アーテル・ゴルギーニ》のcipで《マトリクス》を2体出す。
  8. 《マトリクス》のcipを1つ消化し、墓地から《緊急再誕》を唱える(2.の通過により墓地に確保されている)。7.で出た《マトリクス》を1体破壊して《アーテル》を1体手札から出す。
  9. 6.で好きな数ストックした《スクアーロ》のcipでブロッカーを持つ《アーテル》を2体ともバウンスで手札に回収する。
  10. 《マトリクス》のcipを1つ消化し、墓地から《緊急再誕》を唱える(2.の通過により墓地に確保されている)。7.で出た《マトリクス》を1体破壊して9.で回収した《アーテル》を1体手札から出す。
  11. 1.でストックした《アーテル》のcipを1つ余らせた状態で1.に戻る。繰り返して好きな数の《アーテル》効果をストックすることができる。
  12. 11.で好きな数ストックした《アーテル》のcipで任意の4以下のクリーチャーを2体墓地からバトルゾーンに出す。
  13. 6.で好きな数ストックした《スクアーロ》のcipを2回使用し、ブロッカーを持つ《アーテル》をバウンスで手札に回収する時、2回とも《アーテル》の除去置換効果を使用し12.で出した任意の4以下のクリーチャーを両方破壊する。
  14. 12.でストックした任意の4以下のクリーチャーのcipを使用していない状態で1.に戻る。繰り返して好きな数の任意の4以下のクリーチャーのcipをストックすることができる。

《蝕王の晩餐》《叡智の聖騎士 スクアーロ》を用いたパターン

2024年3月13日の公式HPのよくある質問の更新によって《アーテル・ゴルギーニ》除去置換効果に関する裁定が明示され、《蝕王の晩餐》を用いたループが可能になった。手順は以下。

  1. 《アーテル・ゴルギーニ》cipで、《終斗の閃き マトリクス》《叡智の聖騎士 スクアーロ》を《マトリクス》の上に《スクアーロ》をNEO進化させる形で出す。
  2. 《終斗の閃き マトリクス》cipで墓地から《蝕王の晩餐》を唱え、《マトリクス》が進化元にある《スクアーロ》を破壊し、墓地の《アーテル・ゴルギーニ》を出す(1.とは別個体)。
  3. 《叡智の聖騎士 スクアーロ》cip《アーテル・ゴルギーニ》2体をそれぞれバウンスしようとして、互いに除去置換効果を適用し、お互いを破壊する。
  4. 2.の《アーテル・ゴルギーニ》cipで1.2.と同様の操作を行って最終的に《アーテル・ゴルギーニ》を出す。
  5. 出した《アーテル・ゴルギーニ》cipで、2体の《終斗の閃き マトリクス》を出す。
  6. 4.の操作でバトルゾーンに出した《スクアーロ》のcipを使い、《アーテル・ゴルギーニ》バウンスしようとしてかわりに先程出した《マトリクス》のうち1体を破壊する。
  7. 1体の《マトリクス》のcipを使い《蝕王の晩餐》を唱え、マトリクスを破壊して《アーテル・ゴルギーニ》を出す(3.の過程で墓地に確保されている)。
  8. 先程と同様に1.2.3.の操作を、今度は1.→3.→2.の順で行い、最終的に《アーテル・ゴルギーニ》を出す。
  9. 5.でストックした《マトリクス》のcipを1つ余らせた状態で初期盤面に戻る。繰り返して好きな数の《マトリクス》効果をストックすることができる。また4.の段階で1度《スクアーロ》のcipを1つ余らせた状態で初期盤面に戻っているため、《スクアーロ》の効果も好きな数ストック出来る。

長所 [編集]

【クリーチャーコントロール】系統に対してはメインループが刺さる上に、サブの過剰打点による雑殴りワンショットプランも相手が頭数を捌けず通ることがままある。

相手がコスト2以下の対策札を引けていない手札事故が起こったら、こちらへの有効札が使われる前に決着をつけることができる場合もある。

短所 [編集]

呪文メタ墓地利用メタコスト踏み倒しメタが一通り刺さる。メタビートに対しては明確に不利が付くと言える。

メタを抜きにしても準備ができる前に【速攻】に負けることもある。【青赤マジック】対面では2ターン目の《芸魔隠狐 カラクリバーシ》《瞬閃と疾駆と双撃の決断》からウィニーを射出されて、そのまま雑にビートダウンされて負けるケースも。

環境において [編集]

2024年1月末に《アーテル・ゴルギーニ》《偽りの名 スネーク/アンノウン・プログラム》《緊急再誕》《フォース・アゲイン》《蒼狼の大王 イザナギテラス》などを使い、《絶望神サガ》を上振れ枠に据えた【アーテルループ】がオリジナルで準優勝(ただし実測参加者41人規模のチャンピオンシップ)の実績を残して話題となった。当時《終斗の閃き マトリクス》登場前であったため、【アーテルマトリクスループ】の前身となるこのデッキは《イグゾースト・II・フォー》をループの核に使っていた。
山札の下に返却されることを前提に「墓地にある呪文の踏み倒し要員は《イグゾースト・II・フォー》」「山札に戻った呪文の踏み倒し要員は《蒼狼の大王 イザナギテラス》」《イグゾースト》+《イザナギ》でループさせるために「自分の山札を5枚以下にする」ことで実現でき、コンボの初期盤面が【アーテルマトリクスループ】より重かった。
この欠点を解消するために《絶望神サガ》が動員されたので【サガループ】という名前が使われた背景がある。《サガ》は《イザナギテラス》とも相性が良い。

DM23-EX3発売日のオリジナルでは、同じく【アーテルループ】が今度は66人規模のチャンピオンシップで優勝。同日のアドバンスでは、《戦攻のシダン アカダシ/「いいダシがとれそうだ」》《堕呪 ウキドゥ》を採用した型が結果を残した。

程無くして《終斗の閃き マトリクス》《緊急再誕》《蝕王の晩餐》の発射台としたり、《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》を純粋なリソース札兼ライブラリアウト手段とした【アーテルマトリクスループ】が結果を出した。一部のリストではDM23-EX3発売からそれ程経たずにメインループに関与しない《絶望神サガ》が既にカットされている。

《終斗の閃き マトリクス》登場前の初期型では《デビル・ドレーン》盾落ちケアに採用していたが、《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》型の開拓に伴い1枚積みのカードに依存しなくて済むようになったため、《デビル・ドレーン》の採用は下火になった。また、《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》プレミアム殿堂前はそちらと《堕呪 ウキドゥ》を使ったワンショット型もあった。

2024年3月11日付で【フィオナアカシック】の主要パーツであった《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》殿堂入り。ライバルとなるループデッキの1つが落ちたのは良いが、今度は【キリコグラスパー】が上がってきてそちらが当デッキを運用する上でのライバルとなった。

DM24-RP1発売日には、《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》《天災 デドダム》《Disジルコン》採用の青黒緑基盤型が80人参加のオリジナルのチャンピオンシップで準優勝。『全国大会2023』での【白緑巨大天門】における使用を機に流行した《Rev.タイマン》も採用されていた。

DMGP2024-1st』終了後には、《百鬼の邪王門》でカウンターしたり、それに加えて《鬼ヶ大王 ジャオウガ》鬼エンドを達成してから展開したり《R.S.F.K./オールイン・チャージャー》のクリーチャー側でウィニー系に対して雑殴りを狙ったりする青黒赤型が64人参加規模のオリジナルのチャンピオンシップでベスト4入賞。同時期に青黒緑基盤の《ラルド・ワースピーダ/H.D.2.》フィニッシュ型も結果を出している。《ブレイン・タッチ》《魔王と天使のカナシミ》《セブ・コアクマン/マインド・リセット》といったハンデスで妨害することでコンボ始動まで凌ぐ方も見られた。《邪魂転生》をドローソースとした型も確認された。なお、《邪魂転生》型自体はグランプリ時点で開拓されているまた、この型は『全国大会2023』終了前の2月の終わり頃に既に開発されたが、公開すると強すぎて全国大会で使用される恐れがあるということから、開発者がしばらくその存在を秘匿していたという証言もある。

2024年のゴールデンウィーク中には《ブータン転生》型も見られた。同時期には青黒緑基盤で組みつつ《百威と族絆の決断》で本格的に白マナを出せるようにした白青黒緑型も結果を出した。ゴールデンウィーク明けには《虹出づる繭 ミノガミ/帝の目覚め》1枚積み型も見られた。同時点では青黒緑基盤が主流。一部の型としては《巨進の超人》《アーテル・ゴルギーニ》を増殖させてやりたい放題するというものもある。同年5月下旬には赤抜き4色の《雪溶の鎖/堕牛の一撃》採用型も見られた(オリジナル、49人参加、準優勝)。遅くとも6月頃には《奇天烈 シャッフ》2枚程度を足止め兼ワンショットプランにおけるフィニッシャーとして採用した型も見られるようになった。

DM24-RP2《蒼神龍アナザー・ワールド》を獲得。それに伴い、そちらを使った【パクリオループ】型も一部で見られるようになった。

DM24-RP2発売2日目には、《蓄暗呪文「デスイキル・チャージャー」》4枚積み型のチャンピオンシップ優勝が確認された(オリジナル、62人参加)。

DM24-EX1発売前最終週末には、《黒神龍ブライゼナーガ》をスーパーサブに据えた型がオリジナルのチャンピオンシップで確認された(42人参加、優勝)。

DM24-EX1《冥土人形ウォカンナ・ピエール》を獲得。《ラルド・ワースピーダ/H.D.2.》と異なり防御札除去札にもなり、ループのフィニッシャーとなるカードしてはフィニッシュ以外で使う場合のバリューが高いのが利点。

超CSⅦ in横浜』(オリジナルでの3人1チーム戦)では【マトリクスループ】括りで予選突破のベスト128の384人中2人が使用。

2024年8月17日、このデッキの核の一つである《緊急再誕》殿堂入り。元々《緊急再誕》自体は強力なカードとして認知されていたものの、事実上このデッキがトドメを刺す形となった。

新殿堂開始後、一応《緊急再誕》1枚でもループ自体はできるため入賞報告はあるにはあったが、環境からは消えたと言える。

参考 [編集]