常在型能力(じょうざいがたのうりょく) [編集]

決まった期間中、あるいは決まったゾーンに存在する間、ゲームに常に影響を与え続ける能力のこと。

スレイヤー付与する《イモータル・ブレード》パワー低下《希望の親衛隊ファンク》攻撃を封じる《予言者マリエル》など、存在するだけで効果を発揮するカードが該当する。

予言者マリエル R 光文明 (4)
クリーチャー:ライトブリンガー 1000
パワー3000以上のクリーチャーは攻撃できない。(パワー3000未満のクリーチャーが、攻撃中にパワーが追加された場合、攻撃することができる)
※殿堂入り
ローズ・キャッスル UC 闇文明 (3)
バトルゾーンにある相手のクリーチャーすべてのパワーは-1000される。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)

基本的な常在型能力は誘発条件を持たず、「〜する/得る/与える」といった書式で書かれる。誘発条件がなく「〜されない/できない」と言い切るテキストは常在型能力であり、逆に「このクリーチャーを自分のマナゾーンから召喚してもよい」といった任意で選択肢を増やす常在型能力も存在する。

紛らわしいが、パワーアタッカーの「攻撃」やマッハファイターの「出たターンの」は誘発条件ではない。確かにイベントが起こって効果が生成されているように見えるが、前者は攻撃の途中で付与されたり入れ替える先が持っていたりした場合でも即座にパワーが上がり、後者は出ることによって起こる効果無視されたり退化cipが誘発するタイミングがなかったクリーチャーでも攻撃を許可される。

置換効果状態定義効果は常在型能力でありながら、「〜する時、」とあたかも誘発型能力のようなテキストになる場合もある。なお、その内容は継続期間の表記が省略された常在型能力である。
「Aした時、Bする」という能力は、Bを行うのがAした後であれば誘発型能力である(《アクア・ハルカス》等)。だが、Aを実行する直前に作用し、別の結果をもたらすのであれば「Bに割り込んでAする 」という置換効果または状態定義効果(を生成する常在型能力)である。Magic:The Gatheringでは混同を避けるため、誘発型能力に「〜するたび」[1]を、置換効果に「〜する際」もしくは「〜する場合」[2]を当てている。

常在型能力にはいくつかのルールがあり、それらを知らないとまるで違った結果になる場合もあり、注意が必要である。

常在型能力のルール [編集]

常在型能力は、誘発型能力の解決や、状況起因処理の処理より、優先的に適用される [編集]

常在型能力は、誘発型能力と違って待機することがなく、特定の状況下であればすぐに効果が適用される

ターン・プレイヤーかどうか(自分のターンかどうか)は関係なく、非ターン・プレイヤーであっても常在型能力であるならば、その常在型能力を処理してからターン・プレイヤー側から誘発型能力が解決される。

常在型能力を持つカードがバトルゾーンを離れると、その効果は一切失われる [編集]

例)《紅神龍ジャガルザー》ターボラッシュの、スピードアタッカー付加効果は常在型能力によるものである。よって、ジャガルザーが場を離れると、この効果は終了する。《トット・ピピッチ》なども同様。

《白騎士の開眼者ウッズ》《偽りの名 オレワレオ》効果も、バトルゾーンを離れればその時点で失われる。ただし、《覚醒の精霊ダイヤモンド・エイヴン》のような誘発型能力は指定された期間まで残り続ける。

その他 [編集]

  • 厳密には上に挙げたルールを含め「常在型能力が生成する継続的効果」と区別するのが正しいが、単発的効果による継続的効果のほうが圧倒的に目にする機会が多いため、単に常在型能力と省略されることが多い。
  • cip能力、pig能力は全て誘発型能力であり、常在型能力ではない。これらは待機という手順を踏んで、解決する時にはじめて何らかの効果を生み出す。
  • クロスギアが持つ、「クロスされている(いない)"時〜する"」という能力は全て常在型能力である。クロス時、非クロス時を問わず、場に存在するだけで影響をもたらす能力なので常在型能力に分類される。この場合、「クロスされていない間〜」と読み替えると分かりやすいだろう。
  • パワーアタッカーは常在型能力である。なので《古の羅漢バグレン》がいる時に自分の《一撃勇者ホノオ》で攻撃したら「攻撃中」と「タップされている」が同時に発生し、攻撃が続いている間「プラス→マイナス」の順番でパワーが計算されホノオはパワー0以下にはならず、パワーアタッカーの効果が切れる攻撃終了時に破壊される。
  • 「〜する時、」が必ず常在型能力というわけではなく、例えばシンカパワー誘発型能力として進行するという公式Q&Aが存在している。
  • その重要性にもかかわらず、ルールブックには記載されておらず、デュエル・マスターズ公式HPの一部カードのQ&A欄に多少の記述があるのみの時期があった。現在は「総合ゲームルール」に断片的に記載されている。

参考 [編集]


公式Q&A

Q.バトルゾーンに《∞龍 ゲンムエンペラー》が1体います。《カビパン男》をバトルゾーンに出しました。この場合、他のクリーチャーのパワーは全て-1000されますか?
A.常在型能力に適用順番はなく、基本的に同時に解決されます。
この場合は「無視する」効果が優先され、クリーチャーのパワーはマイナスされません。
引用元

Q.バトルゾーンに自分の《DORRRIN・ヴォルケノン》と、相手の《その子供、凶暴につき》がいます。自分の火と光のクリーチャーは《DORRRIN・ヴォルケノン》の能力で「スピードアタッカー」を得ますが、バトルゾーンに出るときに相手の《その子供、凶暴につき》の能力でタップして出ますか?
A.いいえ、アンタップ状態で出ます。《DORRRIN・ヴォルケノン》が持つような「スピードアタッカー」を与える常在型能力は、クリーチャーがバトルゾーンに出てから「スピードアタッカー」を与えます。よって、《その子供、凶暴につき》の能力の対象にならず、アンタップ状態でバトルゾーンに出ます。
引用元

Q.バトルゾーンに相手の《その子供、凶暴につき》と、自分の《ホップ・チュリス》2体がいる状況で、《ステップ・チュリス》をバトルゾーンに出そうとしています。ビートジョッキーが2体いるので《ステップ・チュリス》は「スピードアタッカー」を得るのですが、《その子供、凶暴につき》の能力でタップして出ますか?
A.いいえ、アンタップ状態で出ます。《ステップ・チュリス》のように常在型能力で「スピードアタッカー」を得るクリーチャーは、バトルゾーンに出てから「スピードアタッカー」を得ます。よって、《その子供、凶暴につき》の能力の対象にならず、アンタップ状態でバトルゾーンに出ます。
引用元

Q.相手の「キリフダReVo」状態の《スパダチ ケントナークR》がいます。相手がシールドを2つブレイクした時、自分は「S・トリガー」能力で《デーモン・ハンド》《終末の時計 ザ・クロック》の使用を宣言しました。先に《デーモン・ハンド》を唱えて《スパダチ ケントナークR》を破壊してから《終末の時計 ザ・クロック》を召喚し、バトルゾーンに出せますか?
A.はい、出せます。《スパダチ ケントナークR》の「キリフダReVo」能力は、常在型能力です。先に《デーモン・ハンド》から唱えて《スパダチ ケントナークR》を破壊してから《終末の時計 ザ・クロック》をバトルゾーンに出すことができます。(総合ルール 608.3b)
引用元

Q.自分の場に《Dの牢閣 メメント守神宮》が展開されている状況で《ハッチャキ》が攻撃しました。「ブロッカー」を持たないコスト5以下の進化ではないクリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出せますか?
A.いいえ、 出せません。どのゾーンで機能するかが書かれていない能力はバトルゾーンでのみ機能します。《Dの牢閣 メメント守神宮》のような常在型能力で「ブロッカー」を与える効果は、バトルゾーンのクリーチャーにのみ影響を及ぼします。手札にあるクリーチャーはまだブロッカーを得ていないので、《ハッチャキ》の能力で出すことはできません。
引用元


[1] ニコル・ボーラスの「ニコル・ボーラスが対戦相手にダメージを与えるたび、そのプレイヤーは自分の手札を捨てる。」など。
[2] ウルザの激怒の「あなたはこの呪文を唱えるに際し、追加で(8)(赤)を支払ってもよい。」など。
[3] 実質継続的効果と同義
[4] 何らかの能力によって生成される効果が後から発揮されること