炎槍(えんそう)水剣(すいけん)(さばき) [編集]

炎槍と水剣の裁 UC 水/火文明 (6)
呪文
パワー3000以下のクリーチャーをすべて破壊する。その後、こうして破壊したクリーチャー1体につき1枚カードを引いてもよい。

DM-13で登場した/呪文

エキスパンションに収録された敵対色呪文の一つであり、自分のクリーチャーを含めたパワー3000以下の火力全体除去と、破壊したクリーチャーの数だけドローできる能力を持つ。

全体除去でありながら自分のクリーチャーを巻き込んでもアドバンテージを失わずに済み、cipで役目を終えたクリーチャーを無駄なく手札に変換できる。相手クリーチャーを一掃しつつ、状況次第で《サイバー・ブレイン》をも上回るドローが可能。ウィニー環境のスペシャリストであり、刺さってしまえば莫大なアドバンテージを稼ぎ出す。

しかし、火力の宿命として、強さが環境に左右されやすく、インフレに弱い。聖拳編転生編の時期に比べるとビートダウンでの平均パワーの向上は著しく、速攻ですらパワー3000を超えるクリーチャーが並ぶのは珍しくなくなってきている。
そもそも、6コストでは速攻相手にマナブーストが間に合わず、S・トリガーも持っていないことから、対策になりにくい。

登場当時こそ刺さらない状況がほぼない圧倒的パワーカードであったが、プレミアム殿堂解除後はスーサイドを考慮し、環境を読んで使うべきカードになっている。

ルール [編集]

  • 引く枚数は任意に選択する事ができ、また最初に宣言する必要もない。
    例えば5体のクリーチャー破壊した場合は0枚から5枚まで引く事が可能であり、2枚で止めるか3枚目を引くかは2枚目を引いてから決めればよい。
  • 破壊対象となったクリーチャーは、破壊置換効果や「破壊されない」効果によって墓地送りにならなくても、その分もドローができる。

環境において [編集]

聖拳編の末期に登場。《青銅の鎧》《シビレアシダケ》などの軽量cip持ちクリーチャーと非常に相性が良く、主に【ボルバルブルー】に搭載されて環境の高速化の一因となった。

当時はウィニーの平均パワーが軒並み3000以下だったため、大抵のクリーチャー破壊することができたのである。

また、このカードの存在によって不用意にウィニーを並べることは危険だったため、このカードが殿堂入り以前の4枚使えた当時は「クリーチャーを展開すればするほど、相手に利用されて不利になる危険性が付きまとう」という、本末転倒で悲惨なゲーム性を生んでいた。
また、一度《炎槍と水剣の裁》を打つと場のウィニーが居なくなるため、相手の《炎槍と水剣の裁》を腐らせることが出来ることから「先に撃った方が圧倒的に得をする」という性質を併せ持ち、先に引いた者勝ちという運ゲーを作り出していた。
《炎槍と水剣の裁》メタのために《炎槍と水剣の裁》が普及するという悪循環を起こしていたためこの運ゲーを逃れるのは困難であり、多くのプレイヤーを悩ませていた。

【ボルバル】はこのカードを獲得してからデッキそのものが強くなったといわれており、それ以前は「《無双竜機ボルバルザーク》本体は強いがデッキは弱い」という程度のデッキでしかなかった。

その高いスペックから2006年3月15日をもって殿堂入りとなったが、その後も活躍を続けた。《炎槍と水剣の裁》を打ち合うことはめっきり少なくなったが、一方でさらに極端な運ゲーを招いており、環境の悪質さでは無制限期となんら変わらないと言うプレイヤーも少なくなかった。

最終的に2007年11月15日付けでプレミアム殿堂に指定されることになり、以降は「裁く」という単語を聞くこともなくなった。

覚醒編では似たような能力《爆裂大河シルヴェスタ・V・ソード》エピソード3では調整版《演奏と真剣のLIVE》が登場するが、環境の変化や使い勝手の差もあり、メタゲームで注目されることはなかった。

その後、クリーチャーの基礎パワーの上昇と環境の高速化により、3000以下という範囲を6マナで打つのは全体火力としては心もとなくなっていた。そして、2016年2月1日よりプレミアム殿堂から無制限化への殿堂解除が発表された。しかし、先述の通りクリーチャーのインフレや復帰時に環境に君臨していた《メガ・マグマ・ドラゴン》の存在は大きく、こちらは環境に返り咲くには至らなかった。後の環境ではウィニーを展開するデッキが増えたが、《テック団の波壊Go!》などより手軽な除去も増えているため、こちらの採用率は上がっていない。

過去が過去だけに色々な議論が交わされることが多いが、「パワー4000以下除去であれば」「コスト4以下除去であれば」「S・トリガーが付いていれば」などと採用には一歩足りず、復帰以降は少なくとも盛んに使われることは無くなった。プレミアム殿堂に指定されるほど強かったカードが、デッキに4枚入れられるのに使われなくなってしまったのは、火力がいかにインフレに飲まれやすいかを語る上でいい材料だろう。

《異端流し オニカマス》の登場以降は返し手のひとつとして、一時期一定の再評価がされたが、やはり環境に戻ってくることはなかった。

その他 [編集]

  • モチーフは、Magic:The Gatheringのアーティファクト(デュエマで言うクロスギア)《火と氷の剣》だと思われる。違いはいくつかあるが、得られる効果は「火力とドロー」という点で共通している。
  • プレミアム殿堂から無制限へ直接解禁されたことで話題となったが、《炎槍と水剣の裁》の殿堂時代は極端な運ゲーを作り出しており、「悪質さでは無制限期となんら変わらない」とまで言われていた。その過去を考えれば、解禁時に殿堂をすっ飛ばすことになったのも当然といえる。

デュエル・マスターズ プレイスでは [編集]

炎槍と水剣の裁 SR 水/火文明 (6)
呪文
パワー3000以下のクリーチャーをすべて破壊する。その後、破壊したクリーチャー1体につき、自分の手札が4枚以下ならカードを1枚引く。

DMPP-04で登場。スーパーレアに昇格した。
火力はそのままだが、ドロー強制かつ条件付きになっており弱体化。
総合ルール114.2.に基づきドローは1回ごとにチェックされるので、5枚になった時点で引けなくなる。

手札を6枚以上に増やせなくなったとは言え、手札の枯渇防止剤としては充分なスペックであり、デュエプレ環境でも依然猛威を振るっている。全体除去の範囲は《サウザンド・スピア》の方が広いが、やはりドローできることが大きく、こちらが優先されることが多い。

  • 一方、過去には《西南の超人》(能力変更前)が複数いて破壊されなかったクリーチャーの分はドローができない裁定があった(参考)。
    • 《西南の超人》が複数いるときの処理はTCG版の裁定(参考)とは異なるものになっていたが、時期不明ながら現在はTCGと同様に上記ケースでもパワー3000以下のクリーチャーの数だけカードを引くことができるようになっている。

関連カード [編集]

フレーバーテキスト [編集]

収録セット [編集]

デュエル・マスターズ [編集]

デュエル・マスターズ プレイス [編集]

参考 [編集]