暴発秘宝(ぼうはつひほう)ベンゾ》 [編集]

暴発秘宝ベンゾ C 闇文明 (4)
クリーチャー:パンドラボックス 2000
このクリーチャーが出た時、自分のシールドを1つブレイクする。

DM-10で登場したパンドラボックス

cipで自分のシールドを1つブレイクする。

この手のスーサイド能力デメリットの大きい手札補充でしかないと見られやすいが、実は回収したカードS・トリガーを使っても良い。よって構築次第では大きなメリットを生み出すことができる。
回収したシールドS・トリガープレイできる進化ではないクリーチャーの中では最もコスト軽くデッキに組み込みやすい。

シールド・プラス能力などで複数枚のカードが重なったシールドを対象に取ると、その構成カードを丸ごと手札に加えることができる。中でもウルトラシールド・プラスを持つ《奇跡の精霊ミルザム》との相性が抜群に良かったが、後にプレミアム殿堂してしまった。

《星龍の記憶》《星龍パーフェクト・アース》などのS・トリガー付与能力、《アクア・スーパーエメラル》などの手札とのシールド交換能力と組み合わせた独特のコンボは非常にインパクトがあり、なかなか強力でもある。
特に《星龍の記憶》や《アクア・スーパーエメラル》は3→4とマナカーブが綺麗に繋がる。また、《星龍の記憶》とのコンボは「星龍ベンゾ」と称され、ロマンのあるコンボとして一定の人気があった。

登場当初としてはそもそものスペックもさほど悪くなかったため、ビートダウン手札補充役として採用されたり、このカードのシールド回収能力を主軸とした【トリガービート】(>【ベンゾビートダウン】)が発案されたりもした。

しかし、一番の目玉はやはりシールド回収からのS・トリガー発動を軽量で狙える点であり、時代が進むにつれ相性の良いカードが登場していったことで徐々に優秀なカードの一つとされるようになった。
登場当初はまさにネタカード扱いだったが、カードプールの増加に合わせて評価が見直されたカードである。

特筆すべき点として、先述した《奇跡の精霊ミルザム》《星龍の記憶》の両方と組み合わせることで、まず《ミルザム》でカードが大量に重なったシールドを用意し、それを「星龍ベンゾ」の動きでシールド回収して利用するといったデッキも登場した(>【暴発ミルザム】)。
このデッキは一定の強さを持っていたものの、《ベンゾ》だけが黒単だったことからのかみ合いが悪く、同じ《音感の精霊龍 エメラルーダ》が登場してからはあちらが主流となった。
《ミルザム》と《エメラルーダ》のコンボを搭載した【ヘブンズ・ゲート】は「DMGP-1st」「全国大会2015」などで結果を残し、中には白青黒構築のものもあったが《ベンゾ》が主流に返り咲くことはなく、やがて《ミルザム》がプレミアム殿堂した。

とはいえ《ベンゾ》自身はもちろん健在だったため、以降も「星龍ベンゾ」のコンボなどで使用され続けていた。
ところが2021年12月10日の『「次の自分のターンの終わりまで」という効果は、自分のターン中に適用された場合、そのターンの終わりまでしか効果を発揮しない』という裁定変更により、《星龍の記憶》を自分のターンに使った場合はそのターンの終わりに効果が消えることになった。これにより「3→4とマナカーブをつなげて踏み倒しを狙う」というそれまでの「星龍ベンゾ」の理想ムーブが成立しなくなった
これはまず2021年10月22日に《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ/「未来から来る、だからミラクル」》裁定変更が行われたのち、同様のテキストを持つ他のカードの裁定も変えられたという経緯がある。つまり当時暴れていた《ドラゴンズ・サイン》→《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》コンボへの規制として行われたものであったのだが、《星龍の記憶》が最も甚大な被害を受けた。
この裁定変更により、コンボを成立させるには同一ターンに《星龍の記憶》を唱えた後に《ベンゾ》を使わなくてはならないことになった。
自分のターンの場合では多くのケースにおいて他のカードで直接コスト踏み倒しした方が手間がかからず、相手のターンにブレイクされるのを待つ場合ではそもそも確実にコンボを決められる保証すらない。
一つの運用方法、そしてそれを軸とするデッキタイプが消えたと言っても良いだろう。

現在も《ベンゾ》自身は健在なままだが、主要な運用方法を失った今、他のカードを使った方が良い場面がほとんどである。

  • 実物のカードでは能力のテキストが次のようになっている。
    このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のシールドをひとつ、手札に加える。(その「S・トリガー」を使ってもよい)
  • DM22-EX1《暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発》としてツインパクト化
    このツインパクト化に伴いテキストが変更された。それ以降はツインパクトでない《ベンゾ》の再録がないが、ツインパクト化《ベンゾ》の方が最新のものであるため、そちらに準拠してプレイを行う(>エラッタ)。
    このテキスト変更によりブレイクサポートが受けられるようになった一方で、ブレイクに対するメタカードに引っかかるようにもなってしまった。
    先述した通り自分のターン中に《星龍の記憶》と《ベンゾ》をプレイするのは非効率的だが、それが1枚のカードになっているというなら話は別。形は変わったが、「星龍ベンゾ」が少しは救われたと言える。
  • このカードを使ってS・トリガーを能動的に使用することを俗に「暴発させる」と言う。
    • 後に、シールド回収によってS・トリガーを能動的に使用する行為そのものを「暴発」と呼称するようになった。詳しくはそちらのページを参照されたし。
    • このように一般的な俗称となったものの、《エメラルーダ》以降の【暴発ミルザム】以外でデッキ名に「暴発」と付くものは実際に《ベンゾ》が入っている場合に限ることが多い。【暴発ミルザム】はアーキタイプとしての側面もあるから例外として、《ベンゾ》が入っていないのに暴発と名付けるのは紛らわしいからだろう。

デュエル・マスターズ プレイスでは [編集]

暴発秘宝ベンゾ C 闇文明 (4)
クリーチャー:パンドラボックス 2000
バトルゾーンに出た時、自分のシールド1つをブレイクする。

DMPP-10で実装。

TCG版からの変更点はないが、デュエプレには《星龍の記憶》が実装されておらず、「星龍ベンゾ」は行えない。一応、S・トリガー付与能力に関しては《ベンゾ》実装時点で《インビンシブル・オーラ》(デュエプレにて能力を獲得)と《星龍パーフェクト・アース》が存在していた。それ以降もたびたび増えてはいるので、デュエプレでも暴発戦術を狙うことは可能となっている。

問題なのは、デュエプレにはシールド・プラスが存在しないことである。何らかの理由(恐らく処理の簡略化やループ対策)によってデュエプレではシールド・プラスの存在そのものがオミットされており、例えば《奇跡の精霊ミルザム》自体は実装されたのだが、その能力は単にシールドを5枚追加するものとなってしまっている。
これだけでなくそもそもデュエプレでは1つのシールドに含まれるカードの枚数を増やす効果が軒並みオミットされている(例外は要塞化くらい[1]ため、結果として旨味が大きく減ってしまっている。
その上さらに《黒神龍ブライゼナーガ》がなんとこちらよりも前に実装されており、あまりにも立つ瀬がない。

つまりデュエプレで暴発戦術を行うこと自体は可能だが《ベンゾ》で行う価値はほぼなく、実質的にできないに等しい。
結果としてTCG版のツインパクトカードでない《ベンゾ》とほぼ同じ立ち位置となっており、唯一の違いとしてはデュエプレでは暴れたことすらないことである。

2025年1月23日メンテナンス前のテキスト [編集]

暴発秘宝ベンゾ C 闇文明 (4)
クリーチャー:パンドラボックス 2000
バトルゾーンに出た時、自分のシールド1つを自分の手札に加える。(その「S・トリガー」を使ってもよい)

ツインパクト化の前に実装されていたので、当時のテキストに準拠していた。

サイクル [編集]

DM-10S・トリガーを使えるシールド回収を持つクリーチャーの縦サイクル。《妖舞皇女ユリア》以外は後にブレイクエラッタされた。

関連カード [編集]

フレーバーテキスト [編集]

収録セット [編集]

デュエル・マスターズ [編集]

デュエル・マスターズ プレイス [編集]

参考 [編集]


[1] それも「1つのシールドにつき要塞化できる城は1つのみ」なので大幅に弱体化されている。