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九番目の旧王 R 闇文明 (5) |
呪文 |
S・トリガー |
次のうちいずれか1つを選ぶ。 |
▶相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-12000する。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される) |
▶このターン、相手のクリーチャーすべてのパワーを-3000する。 |
2つのパワー低下のモードを併せ持ち、1体-12000か全体-3000を選んで使えるS・トリガー。
闇の防御札というくくりでは《デーモン・ハンド》や《魔狼月下城の咆哮》が比較対象になる呪文だが、最大の武器は手打ちしやすいコストにある。《天災 デドダム》などのコスト3マナブーストで4ターン目に唱えられる点が速攻目線で非常に厄介であり、S・トリガーと手打ちの両方でそれらをメタれる。
登場時の環境で隆盛を極めていたGRクリーチャーへのメタとしても申し分ない。《BAKUOOON・ミッツァイル》に対しても、GRクリーチャー破壊とスピードアタッカー付与の発生源の《ミッツァイル》破壊を選べることで優位に戦えたはずだが、そちらはDMRP-12の発売1週間後に殿堂入りしてしまった。
2つ目のモードに重きを置いて採用される呪文ではあるが、1つ目の単体除去も汎用性に大きく貢献している強力な効果。《煌龍 サッヴァーク》《最終龍覇 グレンモルト》、スター進化、EXライフなどの耐性を貫通して破壊できる。
その後、カードプールが次第に充実し《秩序の意志》《魔王の傲慢》《悪灯 トーチ=トートロット》など競合相手となり得るカードも出てきたが、それぞれ性能に差異があるため充分差別化は可能。
登場から【零龍墓地ソース】の《暴走龍 5000GT》対策の防御札として、《テック団の波壊Go!》と共に【4色ドッカンデイヤー】に採用されていた。そちらとの対面でも場合によっては手打ちを狙えた。
ところが2020年7月1日殿堂レギュレーション改訂によって【4色ドッカンデイヤー】が事実上消滅。後釜として環境トップの座に就いた【バーンメアジョーカーズ】系統もデッキに闇を入れない構築が少なくないため、相対的に需要が低下。それでも、闇入りの《勝熱英雄 モモキング》系統や【青黒緑デッドダムド】などに使われる形で需要自体は保っていた。
王来篇環境に入り《聖魔連結王 ドルファディロム》が登場すると、そちらで呪文ロックされることから殆ど環境で見なくなった。除去札としては《聖魔連結王 ドルファディロム》に引っ掛からない上に墓地をリソース化できる《襲来、鬼札王国!》の方が優秀な状況となった。《とこしえの超人》の登場によってGRが横並びしにくくなり、延いてはこのカードによる全体除去を放つ仮想敵が乏しくなったというのもある。
王来篇環境終盤になると《聖魔連結王 ドルファディロム》が環境から減少し、徐々に《禁時混成王 ドキンダンテXXII》軸の【5色コントロール】に【我我我ブランド】対策兼闇単色マナとして3枚程度採用されるケースが見られるようになった。
DMBD-19・DMBD-20期に青黒緑基盤の【キリコチェイングラスパー】が流行して以降は、これを防御札に取り入れた型も見られるようになった。
【絶望神サガループ】が発祥すると一時期手打ちも考慮される防御札として利用されていた。特に【オービーメイカー】系統がメタカードで盤面を固めるプランを取った際に手打ちしやすい。ただし、《とこしえの超人》は全体除去のモードで溶かせないため、完全無欠な除去手段という訳ではない。
【絶望神サガループ】消滅後の【青黒緑キリコチェイングラスパー】では【超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン】対策になる《魔王の傲慢》が優先され、基本的に5枚目以降の防御札の枠に降格。【青黒COMPLEXコントロール】でも基本的にはより防御性能の高いS・トリガーが優先され、全体除去括りでも《テック団の波壊Go!》の方に分があるが、【青赤マジック】での宣言数字呪文ロックへの対策になりやすい「5」の全体除去ということで使われることが中にはある。
2024年3月11日殿堂レギュレーション改訂直後に【青黒緑キリコチェイングラスパー】が流行すると、《異端流し オニカマス》への手打ちにおける優位性から、《魔王の傲慢》より優先され、3枚程度挿されるケースも増えた。
【青黒緑マルル】が成立すると殆どの場合で《深淵の逆転撃》が優先されるが、不足気味の黒単色マナになるS・トリガーで、中盤以降は手打ちもしやすいことから2枚程度挿されるケースが稀に見られるようになった。
このように初登場から今まで環境での使用はまばらで4枚積みされることも滅多にないが、インフレによって使われなくなる傾向が強いパワー低下系のカードにしては、息がかなり長い。