ギョウ [編集]

漫画およびアニメ「VS」シリーズに登場するキャラクター
寄生中学2年生。本名は寄成(きなり)ギョウ。
名前の由来はそのまま、寄生虫の「ギョウチュウ」。アニメ「VS」では切札 勝太に真っ先にギョウチュウ呼ばわりされていた。

どこか虫の脚を思わせる緑の髪をした、長身の少年。白毫(大仏の額に見られる毛のこと)がついた仮面で素顔を隠し、縞模様の服、道化を思わせる靴を履いている。

アニメ版 [編集]

喋り方は京都弁[1]で、「ギョギョギョ」と笑う不気味な怪人。一人称は「ワシ」若しくは「ワイ」で、「か〜ら〜の〜」が口癖。この口癖はLINEスタンプにもなった。
声優は速水奨氏。兵庫県(関西圏)出身の氏のおかげで、上述の京都弁も違和感がないものになっている。

普段は上記の身なりで、どこかやる気のない、人を揶揄うような喋り方をするが、本気になると怪しい薬を接種[2]。筋肉が肥大化し、歌舞伎を思わせるような派手な化粧をした素顔を見せる。声もドスが効いたものになり、氏の怪演もあって非常に恐ろしい。
袖に仕込んだ包帯で人を縛ったり移動手段に使ったりする。

寄生中学校の二年生らしいが、肝心の寄生中は遺跡の古墳であり、彼の他に生徒や教師は登場していない。
一応、背景に学校らしき建物が映っていたため、そこが寄生中学校の校舎と思われるが、学校施設内に古墳がある時点で異質である。

窃盗、毒害、裏切りといった数々の悪虐非道を平気で働き、嬉々として過剰に相手をいたぶり、時には命すら奪おうとするなどシリーズ随一と言って過言ではないほど残忍で卑劣な性格の持ち主である。基本的に明るい「VS」の作風も手伝って、前作「ビクトリーV3」のヨミ以上に異質なキャラクターが際立っている。
デュエマスタイルにもそれが現れており、相手が誰であろうと徹底的に蹂躙する。一方で、同じく今作から登場した孔明や協力者の邪藩 牛次郎とは異なり、デュエマ中はカードをすり替えたり仕込んだりするなどのイカサマは一切行わず、純粋な実力だけで相手を叩きのめしている[3]

VS [編集]

使用デッキ《龍覇 イメン=ブーゴ》《龍覇 ザ=デッドマン》を主軸に据えた【薫風武装】型の、ビッグマナチェイン・コンボを兼ね備えたもの。
単色推しのドラゴン・サーガではまさに異端であり、5文明に寄生するというとらえ方もあながち間違いではない。

初登場の第26話では、修学旅行で京都に来た勝太をカレーパンで釣り、寄生中学校へ誘うが、真の目的は同行者の滝川 るるが持つ新たな龍解カードであった。
デュエマ甲子園京都十条通りエリア代表の名に恥じぬ実力で、《イメン=ブーゴ》と《我臥牙 ヴェロキボアロス》《邪帝類五龍目 ドミティウス》の「ネバーエンディングパラサイトデュエル」を披露、彼女とのデュエマに勝利し、龍解カードを奪い、次なるレアカードを求めて暗躍する。
続く第27話ではデュエマ直前に勝太に毒虫を体内に忍ばせて途中棄権させようとするという、卑怯どころか殺人になりかねないほどの手も使用したが、ハムカツが持ってきたカレーパンによって復活し、新たな龍解カードを手に入れた勝太の前に敗北する。

その後は牛次郎の協力を取り付け、《ザ=デッドマン》と《五邪王 ニガ=ヴェルムート》を携えてデュエマ甲子園に出場。第39話のホカベン戦では《ザ=デッドマン》と《ニガ=ヴェルムート》のコンボで《永遠のリュウセイ・カイザー》を5マナで呼び出して完全に場を制圧する「パーフェクトパラサイトデュエル」を完遂したにもかかわらず、あえてダイレクトアタックせずにゲームを続行、ホカベンの出すクリーチャーをタップイン能力と殴り返しで片っ端から始末し、ホカベン本人にも包帯でめった打ちしていたぶり続けた。そしてホカベンの山札が最後の1枚となった自身のターン、ライブラリアウトとダイレクトアタックどちらで決着をつけるか選ばせ、ダイレクトアタックを選んだホカベンに対してターンエンドを宣言して勝つという陰湿な行為を行い勝利を収め、これによりホカベンはライブラリアウトがトラウマとなる。

続く第40話では、ヘレン達を人質に取り、デュエマで対峙したルシファーを追い詰めるが、《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》の龍解及び《天命讃華 ネバーラスト》の降臨を阻止出来ず、《龍覇 セイントローズ》のダイレクトアタックを受けて敗北する。しかし去り際にルシファーに「レクイエムデュエルを封じ、使うと体を侵し続ける」作用の毒を注入する事に成功し、さらに続く第41話の敗退の原因を作る。
この毒は協力関係にある牛次郎に作らせたものであるが、「ルシファーの命を奪うかもしれない」と牛次郎から懸念された際に「おもろいやないか」と語り、毒の使用に躊躇うことは無かった。

そして第42話では準決勝の勝太とのデュエマ前に入院中のルシファーの見舞いに来ると見せかけ、喪服姿で棺桶に入れる白い菊の花束を携えるという洒落にならない嫌がらせをし、さしものヘレンをも卒倒させている。ついでに勝太との試合で嫌がらせに使うためルシファーの《セイントローズ》と《ヘブンズ・ヘブン》を盗み、さらに勝利を絶対のものとするため牛次郎に《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》の入手を依頼していたようで、これを彼から受け取る。

勝太との因縁の対決ではホカベン戦でのコンボに加え、《光神龍セブンス》の効果で《ヘブンズ・ヘブン》を《ネバーラスト》へと早期龍解させるコンボも披露するが、《セブンス》の効果を逆利用され《超爆デュエル・ファイアー》で《ネバーラスト》以外のクリーチャーを全滅させられる。また勝太に「何でデュエマをやってるんだ」と問われた際は、「他人の努力の成果を嘲笑いながら踏みにじるのが快感だから」と答えるが、彼の[4]と異なり、背負うものが無いデュエマを「薄っぺら」と切り捨てられた。それでも《ニガ=アブシューム》と《ネバーラスト》のコンボで《デッドブラッキオ》を呼び出して[5]勝利を決めたかと思われたが、《超戦龍覇 モルトNEXT》龍マナ武装5による再攻撃で遂に敗北、会場から落下していった。
デュエマ甲子園の成績はベスト4。第45話ではルシファーが3位として紹介されており、彼は4位に収まったことが窺える。3位決定戦が行われたかは描写されていない。

  • 本編での登場は他のキャラクターよりも遅いが、オープニング映像では初期から登場しており、ラストにて勝太の前に本来の姿(色はカラフルになっている)を晒した状態で凶悪なインパクトを見せ付ける等、視聴者にとって非常に印象深い存在となっていた。

VSR [編集]

デュエマ甲子園敗退後の行方は不明だったが、第4話で再登場。
バサラに敗北してデュエマーランド地下帝国に落ちたことで己の無力さを痛感し、心を入れ替えたという。勝太に土下座を超えた土下寝で謝罪、当の勝太はこれまでの非道な行いを決して許そうとはしなかったが、その場に居合わせたデュエーマン軍曹の仲立ちによって和解する。口調が柔らかくなり、一人称が「ぼく」、語尾は「〜ニョロ」と原作に近いキャラになった。
再会後のデュエマで、侵略カードに取り憑かれていた勝太にかつての熱意を取り戻させる手助けをする。その後は勝太、ワラマキと行動を共にし地下帝国から脱出、後にはホカベンに謝罪する場面も見られた。

しかし第34話にて、デュエマーランド社長から勝太を監視するよう命じられていた事が発覚する。勝舞が待つ禁断に対抗するレジェンドカードを求めて月へ向かう勝太を監視するべく同行し、《ボルシャック・ドギラゴン》の情報を社長へ流した上に、月面にある宇宙コロニーのドームに穴を開けるという暴挙に出た。一行が宇宙船で帰る際にその姿は映っていなかったが、地球に帰還した後も社長と通じていた。

第46話にて、牛次郎に妹のギョウ子(声優はブリドカットセーラ恵美氏)を人質にされている[6]という理由で勝太に自分の妹と勝太の命を賭けたデュエマを申し込む。勝太は対戦前に自分は死にたくないと言っていたが、土壇場でギョウの妹を気遣う優しさを見せ、切札を引くも何もせずにターンを終える。その直後、自分の仮面を外して素顔と本性を曝け出し、人質のギョウ子は牛次郎の作ったロボットであり、デュエマ甲子園で敗北した時から勝太への復讐だけを考え、全ては絶望の淵に叩き落す為の演技だった事を明かす。
それまでは革命軍を軸にした自然単色のデッキのように装っていたが、文字通り素顔を曝け出したのと同時に今引きした《裏革命目 ギョギョラス》《革命目 ギョギョウ》の上に侵略、デッキが複数の文明を混ぜた侵略デッキであることも明かす。その能力で踏み倒した《悪魔龍 ダークマスターズ》で勝太が手札に温存していた《燃える革命 ドギラゴン》と《ボルシャック・ドギラゴン》、《革命の鉄拳》を全て捨てさせた上で、《ギョギョラス》で残りのシールドを全てブレイクし、《成長目 ギョウ》で勝利を収め、直後に敗北した勝太を牛次郎がミサイルで始末しようとしたが、助けに現れたルシファーに止められる。

続く第47話では怒りに燃えるルシファーとデュエマ甲子園会場を再現した会場[7]に場所を変えて戦う。絆の連鎖を《ギョギョウ》の能力に逆利用し、それで呼び出した《無双竜鬼ミツルギブースト》の破壊能力で対抗。自分のターンで《時間龍 ロッキンスター》《父なる大地》で引きずり回す事で再び《ギョギョウ》と《ミツルギブースト》のコンボを発動させて絆の連鎖で呼び出されたクリーチャーを全滅させた挙句、用済みになった《ロッキンスター》も《ギョギョラス》のcipで除去。絆の連鎖とタイムストップデュエルを攻略して《ギョギョウ》でとどめを刺したかのように見えたが、革命0トリガーで現れた《ミラクル・ミラダンテ》で阻止される。そして返しのターンで登場した《時の革命 ミラダンテ》によりクリーチャーの攻撃と召喚を禁じられ、《ロッキンスター》がいない事で封じられないと鷹を括っていた最後の砦の《革命の巨石》《ミラクルストップ》で封殺され、タイムストップデュエル完成となり逆転負け。自ら用済みとなったと考え、何処かへ去っていった。

結局改心するどころか勝太を逆恨みしていた彼だったが、ルシファー戦敗北直前に「負けたない!動けぇ!コイツを出せばワイは逆転できるんや!」と最後まで諦めずにいた事から、心の奥底には「アツかりしデュエ魂」を持っており、デュエマも純粋に楽しかったのかもしれない。そういう意味では、勝太の影響を受けてある程度変わったと言える。その証拠に、去り際にワラマキから「デュエマは楽しかったんだろ?」と問われた際には穏やかな笑みを静かに浮かべていた。

牛次郎は新幹部3人が戦いに敗れて去っていった事を悲しんだが、ギョウが負けた際は「VS」、「VSR」ともに苛立ちを見せ、最後には「使えなさそうな感じがプンプンしていたけどやっぱり使えなかった」と語っているので、二人の間には友情は一切なく「勝太を完膚無きまでに潰す」という利害の一致による協力関係に過ぎなかったのだろう。

VSRF [編集]

前2作と違い、ストーリーの本筋には一切関わらなかったが、第15話の「デュエマVS感謝祭」には参加していた。「顔面パンストバンジージャンプ」を行っていた勝太の上空でムササビスーツを着て滑空していたが、その後キレた勝太が転がした大岩にその他大勢共々轢かれてぺしゃんこにされてしまった。ギョウにしては珍しくこれといった悪事を働いていない。
その後の最終回(第51話)で万里の長城のような場所で空を見上げていた。勝太達と戦っていた頃から約12年の月日が経過しているはずなのだが、姿に一切変化はない。

  • ちなみに第20話の監督が考えた今週のストーリー展開が貼り付けられたボードには牛次郎と戦う展開が用意されていたが、実現しなかった。

戦績 [編集]

  • 通算成績:9戦3勝6敗

アニメ「デュエル・マスターズVS」 [編集]

アニメ「デュエル・マスターズVSR」 [編集]

  • 通算成績:4戦1勝3敗
    話数対戦相手勝敗デッキ名
    4話バサラ敗北不明
    切札 勝太改心の巨大龍
    46話勝利決意の革命龍…?
    47話ルシファー敗北決意の革命龍

漫画版 [編集]

アニメ版とほぼ同じ姿だが、設定がかなり異なり、アニメ版とは違い悪役のような面は全く見られない。
一人称は「ぼく」で、語尾に「〜ニョロ」と付ける(後にアニメ「VSR」でも同じ口調になった)。
堪忍袋の緒が切れるとアニメの本気モードよろしく大男になり、一人称が「オレ」になる。
交通事故に遭いそうになった勝太を通りすがりにもかかわらず助け、自分が重傷を負ったが一切咎めなかった。

デュエマに命をかけているが、《邪帝類五龍目 ドミティウス》しか持っておらず、るるやぶっちゃけカードを借りてデッキを作り、偶然ながらも勝太に勝利。勝太の新たな友達となった。この際の使用デッキは5色の【ドミティウス】だった。

アニメ版とは異なり、中学生ではなく一般人のようである。

その後デュエマ甲子園編で再登場。
バサラと戦った時点ではライフポイント41Pで10位であり、対策したとはいえ3ターンキルを破るなど成長していたが、《伝説の禁断 ドキンダムX》の前にコジローと共に敗北し、コジロー、ルシファー共々病院に搬送された。
それ以降は出番が無くなったが、最終話の扉絵では登場している。

関連カード [編集]

デュエル・マスターズ プレイスでの使用デッキ [編集]

+  一覧(ギョウの罠)
+  一覧(復讐のために)

参考 [編集]


[1] 「ギョウ」という名前の発音が、「京(きょう)」を濁って読んだ時の発音に似ていることから着想を得たものと思われる。
[2] 「VSR」ではこのプロセスは省略され、任意で変身できるような描写になった。違法薬物のドーピングを連想させる為か省略されたものだと思われる。
[3] 「VSR」46話で勝手に勝太のシールドチェックを行なっているが、トリガーの結果の捏造はしていなかった。
[4] ただし、勝太が初戦で戦った、デュエマ中にイカサマを行った孔明はその中に含まれていなかった
[5] 《ニガ=アブシューム》の効果で《デッドブラッキオ》の多色マナ武装5によるスーパーS・バック獲得を満たし、《ネバーラスト》のエスケープで手札に戻したシールドをそのまま墓地に送る事で、《デッドブラッキオ》のスーパー・S・バックを発動させた。
[6] 後述通り嘘であったが、同話開始時に実際に一緒に写っている写真を見るシーンがあったため、本当にいるかいないかという点ではあやふやである。
[7] 目的はルシファーを、同大会準決勝で彼が敗北した時のように倒すため。結果は同大会の勝太戦同様、自分が敗北するという皮肉なものになったが。