禁断文字 [編集]
月刊コロコロコミック2015年9月号から登場した謎の文字。
禁断やその配下であるイニシャルズに見られ、同勢力を象徴する文字。
月刊コロコロコミック2015年10月号の付録である《禁断》から全テキストがまるまる禁断文字で書かれたカードが登場している(著作権表記などは除く)。
イニシャルズの場合は名前の一部に禁断文字を含むことがある。
見た目上はまるで未知の言語だが、実はアルファベットと対応関係があり、文字の羅列を解読するとアルファベットの単語や文章が浮かび上がる。(つまり、禁断文字はアルファベットのいわゆる「換字式暗号」にあたる)
禁断文字版のカードテキストを解読すると、英語で記述されたテキストになっていることがわかる(後述)。
イニシャルズの名前の禁断文字にも、アルファベット名でのルビが振られている。
- 有名なところでは「ポケットモンスター」で登場する、アルファベットや記号に対応した28もの種類がある「アンノーン」に近い。あちらはポケモン(モンスター)であると同時に、文字として作中の書物や石板に記されている事がある。
禁断文字版カードの扱いについて [編集]
発売当初はテキストが日本語ではないため、「『日本語版以外のデュエル・マスターズTCGカード』として使用禁止カード扱いなのではないか?」という声もあったが、ここでいう「日本語版」に該当するか否かは、「日本でリリースされたか否か」で判断されている。禁断文字版は元となった日本語版テキストと同じ能力を持つという裁定が出されているため、問題なく日本語版として認識されている故に、問題なく使用できる。逆に禁断文字版を海外版デュエル・マスターズのカードと混ぜて使用することはできない。
あまりのややこしさ故か、2016年2月28日以降の殿堂レギュレーション告知ポスターでは「使用禁止カード」欄に「日本語版、禁断文字版以外の(略)」とついに明記されることになる(公式ホームページではこの文面は書かれていない)。また、競技運営ルールでは「日本で商品として販売された、または日本で配布された」(≠「日本語で書かれた」)と定義されたため、「日本で発売された」カードである禁断文字版は問題なく使用できる。
ただ、いくら使用が許可されているとはいえ読みにくい事に変わりはないため、使う際は全てのテキストを正確に言えるようにしておくのが望ましい。
- 余談だが、ナンバーがP1〜P5/Y0[1]のプロモーション・カードは北米でリリースされたがテキストは日本語で書かれているカードである。これらは『日本語版以外のデュエル・マスターズTCG』であり使用禁止カードに該当するという、禁断文字版とはちょうど真逆の扱いになる。これは上述した「日本で発売された」カードではないから、という定義による。
背景ストーリー、各種メディアでは [編集]
アニメや漫画においては《禁断》をはじめとした多くのカードは禁断文字で描かれた状態で登場しており、中には《超轟速 レッド・エンド》やDMR-21版《伝説の禁断 ドキンダムX》、《禁断機関 VV-8》のように、カード化されていない禁断文字版のカードも存在している。
アニメにおいてはイニシャルズが登場する際、そのカードに描かれた文字を伴って現れることがある。
背景ストーリーの王来篇にあたる『キング!』では、超獣王来烈伝に描かれた文字として登場しており、クリーチャー世界の超古代文字であることが明かされた。実際に発売されたDMSP-02にも禁断文字が記されており、こちらは一見するとそのクリーチャーとは無関係な文章が書かれているが、これを読み解くと12の「王」のディスペクターとしての合体先、もとい邪鬼王来烈伝の内容が分かるようになっている。
また、《福音の精霊ゴルドランコイン》を始めとするDM24-RP3の一部カードのイラストに描かれたコインにも禁断文字が彫られており、ゴッド・オブ・アビス編の世界でも古代文字として存在していたようだ。このコインは太古のクリーチャー《富轟皇 ゴルギーニ・エン・ゲルス》に由来するものであることから禁断文字が用いられたのだろう。
DM22-EX2で明かされた情報によると、本来この言語を使っていたのは《サファイア・ミスティ》。彼女ら上位存在の言語であり、ミスティ・レポートの記載にも使用されていたものが、ランド大陸においては《伝説の禁断 ドキンダムX》によって広まったことで「禁断文字」の名で認知されるようになったのだという。
禁断文字で書かれたテキスト転写一覧と読解 [編集]
- 「AGE 10+」のゲームであることを重視し、義務教育卒業レベルの英語力を前提に解説を加える。そのため、カードの能力の解説というより、英文法・英単語講座としての意味合いが強い。読者の中には冗長に感じる方もいらっしゃるかもしれないが、そこはご容赦願いたい。禁断文字へのご理解の一助となれば幸いである。なお、筆者は英語に関しては手慰みに習った程度であり、必要に応じて、加筆・修正・削除等があると大変ありがたい。
- 禁断文字はWizards of the Coastの著作物であり、公式的にフォントが一般公開されているわけではないので、どうしてもアルファベットに転写して表記せざるを得ない。禁断文字には大文字・小文字の概念はないが、転写の際には適宜大文字にする。
- 解釈する上で気をつけなければならないのは、「you」は「相手」ではなく「自分」のことを指しているという点。対戦相手を英語で言う場合は「your opponent」と表現する。他には「he」と出てきた場合は直前に出てきた「a player」や「your opponent」等を指していることが多い。
KNDN VR 火文明 (9) | 禁断 VR 火文明 (9) |
Creature 9999 | クリーチャー:(種族なし) 9999 |
Creatures can't attack. | クリーチャーは攻撃できない。 |
Seals can't be removed from creatures. | クリーチャーの封印を外せない。 |
FT: The world will come to end when the forbidden seal becomes unlocked.[2]。
- 「seal」…「封印」の意。我々がよく日常で「デコレーションシール」等と使うあの「シール」のことである。封筒に封をする際、シールを貼ることがあるが、あのイメージが最も分かりやすいだろう。
- 2つ目の文章は受動態となっているが、意味は日本語訳と全く同じ。英語圏の人々にとっては「Seals」が主語になったほうが理解しやすいというだけの話である。
- 「A be removed from B」で「BからAを取り除く」という意味になる。日本語としては主語と補語(あえて言うなら「by anyone」)を逆転させ「Seals」を目的語として訳したほうが、自然な日本語訳となる。
- ここでの「becomes」はbe動詞とほぼ同じ役割を果たしている。時や条件を表す副詞節では、未来のことも現在形で書く。
KNDN〜SEALED X〜 KDL 火文明 (コスト無し) | 禁断〜封印されしX〜 KDL 火文明 (コスト無し) |
KNDN Pulse | 禁断の鼓動 |
This pulse starts the game in the battle zone with 6 seals on it. | この鼓動は、ゲーム開始時、封印を6つ付けてバトルゾーンに置く。 |
This pulse can't leave the battle zone. | この鼓動はバトルゾーンを離れない。 |
Unsealing - When this pulse has no seals on it, flip it to its creature side. | 禁断解放―この鼓動の封印がすべてなくなった時、クリーチャー側に裏返す。 |
Whenever a player puts a command into the battle zone, he puts seal from one of his cards into graveyard. | (カードを封印するには、自分の山札の上から1枚目を裏向きのままそのカードの上に置く。コマンドがバトルゾーンに出た時、その持ち主はそのコマンドと同じ文明を持つ自身のカードから封印をひとつ、墓地に置く。クリーチャーが封印されている間、両プレイヤーはそのクリーチャーを無視する) |
- マナコストが定義されていない。その代わりに、四隅に斜めに入った空白部があり、禁断文字でそれぞれ「S」「E」「A」「L」と記されている。
- 「it」「its」はすべて「this pulse」を指している。
- 「flip A to B」で「AをB(の面)にひっくり返す」という意味になる。
- 「pulse」…ここでは「鼓動」の意。よく「パルス波」という言い方がなされるが、弱い脈拍が断続的、かつ周期的に起こるさまを表す。
- 「unsealing」…直訳は「開封」「開栓」など。後述の「evolution」等での活用のされ方を考慮するとこれはキーワード能力であり、「禁断解放」を指している可能性が高い。
- 「whenever」は「〜するときはいつでも...」という意味の接続詞。
ここではコマンドを出した際の封印を1つ剥がす処理が強制であることを表すために用いられている。
- 「from ... into〜」で「...から〜へと」という対象の移動を意味している。
- 「a player」とあるため、どちらのプレイヤーがコマンドを出しても封印が外されるように思うかもしれないが、あくまで対象は「one of his cards」であり、コマンドを出したプレイヤーの封印のみが対象となる。したがって、「you」が主語となるような文でも意味するところは全く変わらない。「a player」と表記されることで「一般論として」というニュアンスが強くなっているだけである。
- 最後の英文(封印の注釈文)だけは実際のカードに掲載するスペースがなく、コロコロコミック10月号付録のポスターに記載されているだけである。この英文だけでは実際にカードに書かれた日本語文通りの解釈をするには少々無理がある。
KNDN LEGEND DKDMX KDL 火文明 (99) | 伝説の禁断 ドキンダムX KDL 火文明 (99) |
KNDN Creature 99999 | 禁断クリーチャー:(種族なし) 99999 |
Triple Breaker | T・ブレイカー |
When this card is flipped to this creature side, your opponent puts a seal on each of his creatures. | このクリーチャーが禁断解放した時、相手は自身のクリーチャーすべてに封印をひとつ付ける。 |
Whenever a spell that costs 4 or less would cause your opponent to choose a creature, he can't choose this one. | コスト4以下の呪文によって、相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選べない。 |
If this card is anywhere other than the battle zone, you lose the game. | このカードがバトルゾーン以外のゾーンにあれば、自分はゲームに負ける。 |
- 「that」は関係代名詞で、直前の「a spell」を修飾している。直訳すると「N以下のマナコストを要求する呪文」となる。
- 「cause A to do」で「Aに〜させる」という意味になる。一般的には「cause」よりも「make」を用いた構文のほうが有名。直訳すると「(前略)呪文が、対戦相手にクリーチャーを選択させるときは必ず〜」となる。
- ここでの「one」は代名詞。直前の「creature」をそのまま反復して表記することを避けた表現である。
- 「other than」はここでは「〜以外」という意味で、例外を表す。用法としては「except」に近い。
- なお余談だが、アニメ「VSRF」には実際にはカード化されていない、DMR-21版イラストの禁断文字《ドキンダムX》が登場している。そちらでは名前が《DKDMX》と省略されている(「伝説の禁断」にあたる部分がない)。
超轟速 レッド・エンド P 火文明 (5) |
進化クリーチャー:ソニック・コマンド/侵略者 6000 |
Evolution - Put on one of your fire creatures. | 進化―自分の火のクリーチャー1体の上に置く。 |
Invasion - Fire command | 侵略―火のコマンド(自分の火のコマンドが攻撃する時、自分の手札にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい) |
Double Breaker | W・ブレイカー |
When this creature is destroyed, you may put one of the cards that was under it from your graveyard into the battle zone. | このクリーチャーが破壊された時、その下に重ねてあったカードを1枚、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。 |
- アニメ「VSR」第30話で登場したテキストであり、今後リリースされるかについては明らかにされていない。
- 「may」…ここでいう「may」は許可を意味し、能力が任意であることを指している。
- 「that」は関係代名詞で、直前の「one of the cards」を修飾している。「it」は「this creature」を指す。
DEMON HAND R 闇文明 (6) | デーモン・ハンド R 闇文明 (6) |
Spell | 呪文 |
ST (When this spell is put into your hand from your shield zone, you may cast it for no cost.) | S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい) |
Destroy one of your opponent's creatures. | 相手のクリーチャーを1体破壊する。 |
- 「cast」は対象に呪いをかけるという意味。転じて呪文を唱えるという意味になる。MTGでも頻出する。
- ここでの「for」は「it(=this spell)」を使う際の代償を指している。たとえば「I bought this card for 200 yen.」だと「私は200円でこのカードを買った」という意味になる。それが「no cost」なので「コストを支払わず」と訳すことになる。
超獣王来烈伝の裏面に記された禁断文字については当該記事を参照。
なお、禁断文字版のカードでは、しばしば単語の簡略化もしくは置換が見受けられる。
具体的な例としては、《デーモン・ハンド》の効果テキストにおける「ST」が顕著である。
括弧内の説明文やアイコンの表記、およびカード自体がメジャーであるため、これが「S・トリガー」の略であることは想像に難しくないが、あまり親切な表記ではない。
おそらくこれは、「禁断文字1文字」のサイズが「全角文字1文字」分に相当するためにとられた処置であると思われる。
というのも、通常のように「S・トリガー」と表記した場合は6文字で済むのが、英字の「Shield Trigger」だと14文字(スペース含む)になり、以降の注釈文まで合わせるとテキストが冗長になってしまうのである。
ただし、これはあくまで一文あたりの文字数削減の為の処置のようで、長くなっても一行で済むような場合はそのままの表記である。
例えば「T・ブレイカー」は「Triple Breaker」と(日本語版以上に)正確に表記してある。
2016年3月の段階で登場した禁断文字版カードはすべて日本語版が存在しているため、簡略化・置換された単語は元のカードと照らし合わせることで元の単語を導き出すことができる。
以下は特に顕著な簡略化・置換された単語を記す。
その他 [編集]
- 禁断文字の中でも『X』は特別な文字であり、一目で『X』とわかる書体をしている他、禁断レジェンドカードを示す文字列(X LGND)の頭文字として大きく書かれている。[3]
通常の文章では『χ』(ギリシャ文字のカイ)が『X』の代わりに使われている。
- 2015年全国大会「デュエルマ☆スターカップ」中部エリア(東海エリア)代表戦でのテキストカバレージを担当した、主任Kこと川崎大輔氏によると最も印象的だったプレイヤー間でのセリフが「うちの大学は禁断文字、必修だよ」だったとのこと。転写さえできればまんざら嘘とは言えない点も、実に小憎らしい。
- ちなみにこのセリフ自体は別のプレイヤーが言い出したもの。一部DM界隈で「手のひら禁断解放」と同様に流行語のように使われており、それがカバレージによって世に広められただけである。
- 禁断文字版のテキストが存在するカードは以下の通り。
- カード名の英字1文字が禁断文字になっているカードは多数存在する。
参考 [編集]