ゴッド・オブ・アビス背景(はいけい)ストーリー [編集]

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該当弾 [編集]

DM22-RP1 「ゴッド・オブ・アビス 第1弾 伝説の邪神」
DM22-RP2 「ゴッド・オブ・アビス 第2弾 轟炎の竜皇」


概要 [編集]

五文明が平和を謳歌する世界。そこにある日《アビスベル=ジャシン帝》が永き封印から解き放たれた。眷属種族アビスロイヤルを率いる「邪神」に、他文明がどう立ち向かうかが描かれる。

これまでは主人公のエースクリーチャーがストーリー内で主役扱いされていたり、そうでなくても闘魂編~戦国編のように味方サイドで重要な位置づけで扱われていたが今シリーズでは敵対勢力として描かれている[1]
また基本セット~不死鳥篇のように特定の主人公視点が存在しない為ある意味プレイヤー(読者)が主人公のような位置づけになっている。

なお過去シリーズまでで描かれた並行世界との関係は判然としない[2]。各文明の文化や精神性や地理情報には既出の並行世界との大きな違いがあるが、その一方、《♪面白き こともなき墓地を 面白く》のイラストでは新章世界で登場したクリーチャーが大写しになっていたり、エピソード世界で登場した《雪渓妖精マルル》の名前や持ち物が《マルルの炎杖》として伝承されていたりする。

また当シリーズには王来MAX20周年トレジャーに引き続き、過去のカードの大規模再録枠「トレジャー」が設けられている。トレジャーの一部カードのフレーバーテキストでは、ゴッド・オブ・アビス以前の、過去シリーズ背景ストーリーの補足も行われている。

各文明の様相 [編集]

各文明にはこれまでにない文化が見られる。また各文明のクリーチャーは全員が同じ場所で暮らしているわけではなく、例えば光文明なら、後述の「ゴルギーニ・タウン」以外にも生活拠点がある。文明には内部派閥があり、派閥ごとに別々の拠点で生活している。

光文明 [編集]

以下の拠点/派閥が存在する。

  • ゴルギーニ・タウン
  • その他この勢力以外に、「正義」を重んじる派閥や、「秩序」を重んじる派閥がいることが語られている。

水文明 [編集]

  • 「音楽」の力が重んじられる。
    • その到達点として、古い書物に残っていた異国の文化、”ハイク”が研究されている。
  • ただあくまでもこれは文明内のある派閥で流行しているものに過ぎず、他の派閥もあることが示唆されている。
  • 自然文明とともにDM22-RP1時点で「深淵」やアビスロイヤルと直接接触した描写がないなど、比較的「深淵」から遠く被害が小さいことが示唆されている。

闇文明 [編集]

以下の派閥が存在する。

  • アビスロイヤル
    • ストーリー開始直前まで、「深淵」あるいはそこから繋がる異空間に封印されていた存在。
    • 火文明の「城下町 (仮称)」および光文明の「ゴルギーニ・タウン」の近くに出現した「深淵」を拠点とする。
    • 火文明の伝説として封印経緯が断片的に伝わるが、その詳細は謎。

火文明 [編集]

文明内で貴族などの階級が形成されているようである。以下の拠点/派閥が存在する。

  • 城下町 (仮称)[4]
    • 暴竜爵」という爵位 (大公位) を持つドラゴンが代々支配している。現在の「暴竜爵」は「轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー」だが、遠征中で超獣世界にいない[5]
    • 歴史を重んじている。歴史上活躍したクリーチャーの名前などが尊重されたり権威を持つ[6]
      • 爵位である「暴竜爵」も、もともとは「ボルシャック」が変化して発生した語。
    • ここに暮らす者は火文明の中でも位が高いドラゴンや、その家来。
  • その他この勢力以外に、「暴竜爵」の権力が及ばない野生の力を残したドラゴンが住む山があることが語られている。

自然文明 [編集]

  • 「至高の回転競技」と呼ばれる「剛流振(ゴルフ)」なるスポーツが流行している。
  • ただあくまでもこれは文明内のある派閥で流行しているものに過ぎず、他の派閥もあることが示唆されている。
  • 水文明とともにDM22-RP1時点で「深淵」やアビスロイヤルと直接接触した描写がないなど、比較的「深淵」から遠く被害が小さいことが示唆されている。

DM22-RP1 「ゴッド・オブ・アビス 第1弾 伝説の邪神」[7] [編集]

五文明が平和を謳歌する「超獣世界」にある日、7日間続く天変地異が発生。
それにより大きな被害や不安が広がる各文明では、対応や調査を強いられた。だがそれだけにはとどまらなかった。「超獣世界」のとある海岸沿いに、「深淵」と呼ばれる異空間に繋がる場所[8]が出現してしまったのである。

そこから現れた異形の存在たち。五文明は彼らが「アビスロイヤル」であることに気が付いた。それは何世代も前の古の時代にて、火文明の初代「暴竜爵」が、光文明と組んで封印した存在だった。
前述の天変地異に加え、「深淵」に繋がってしまった衝撃、そしてアビスロイヤルを統べる「ジャシン」の復活による衝撃は、超獣世界に地殻変動をもたらした。
その結果世界は「ひとつの大きな島と三つの中くらいの島、そして無数の小さな島へと分裂」してしまう。

伝説あるいはおとぎ話として語られてきた存在の復活に、両文明は世界の終焉の到来さえ覚悟し奮起する。
自然文明もまた衝撃を受けた。彼らが愛する回転競技「剛流振(ゴルフ)」が、アビスロイヤルおよびその首魁たる「ジャシン」への対抗トレーニングであったことを思い出したのである。
そして水文明でも、彼らの間で1億年前から伝わる「歌」にもアビスロイヤルについての記述はあり、今回の復活は絶望をもって受け止められた。

光文明の「ゴルギーニ・タウン」を統べる「富豪龍」《ドラン・ゴルギーニ》は住民の不安を払拭すべく、護衛部隊を引き連れ自ら「深淵」へ調査に繰り出す。
だがアビスロイヤルの発する瘴気により護衛部隊は次々に倒れていく。残された《ドラン・ゴルギーニ》は《深淵の三咆哮 バウワウジャ》と交戦。
リミッター解除により辛勝を収める《ドラン・ゴルギーニ》だったが、その直後に伝説の邪神……《アビスベル=ジャシン帝》が真正面から現れる。
ただならぬ雰囲気を発する《ジャシン》に《ドラン・ゴルギーニ》は一矢報いることすらできず、腹を貫かれるという致命傷を負ってしまう。
それでも《ドラン・ゴルギーニ》は最後の力を振り絞り「深淵」からの脱出に成功。アビスロイヤルたちは追ってくることはなく、なんとか一命は取り止める形となった。

《ドラン・ゴルギーニ》の敗北の報は瞬く間に世界中に広がった。
「富豪龍」すら圧倒された規格外の存在を前に、クリーチャーたちは「轟炎の竜皇」の異名を持つ当代「暴竜爵」に最後の希望を託す。

DM22-RP2 「ゴッド・オブ・アビス 第2弾 轟炎の竜皇」 [編集]

《アビスベル=ジャシン帝》の復活をいち早く察知していたのは、《死神覇王 XENARCH》をはじめとする闇文明の後継者を自称する漆黒の一団たちだった。
彼らは深淵に乗り込みその力を密かに我が物にしようとしたが、ことごとく《ジャシン》に敗れてしまい、その時の戦いが引き金となって起こった大変動が、他の文明にも《ジャシン》の復活を知らせるきっかけとなってしまったのだった。

暴竜爵」VS.邪龍 ジャブラッド

拠点の一つである《暴竜要塞フジヤマ・ホールド》に戻ってきた当代「暴竜爵《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》は、盟友《ドラン・ゴルギーニ》が《ジャシン》に敗れたとの知らせを受けて、すぐさま深淵の入り口へと単身猛スピードで直行するのだった。

深淵の入り口へとたどり着いた《ボルシャック・カイザー》は、ついに《ジャシン》と対峙する。
そして不敵に佇む《ジャシン》に対しいきなり距離を詰めると、ボルシャックの魂である拳を《ジャシン》の頬に叩きこむ!
だが、《ジャシン》の身体には傷一つ付けることができないのだった。

《ジャシン》は《ボルシャック・カイザー》の激しい拳打のラッシュを受けながらも、その身体を隅々まで観察していた。
そして観察を終えた《ジャシン》はおもむろに右手を深淵へと突っ込むと、左手で大気中の魔力を凄まじい勢いで吸い上げていった……。

《ジャシン》に魔力を吸われた周囲の草木は枯れ、周辺の海は海岸線に沿って干上がり、空は暗雲で埋め尽くされた。
そして《ジャシン》が深淵から右手で取り出したのは……禍々しい邪気を放つだった。
それは深淵の中のあらゆる負なるものと邪なるものを凝縮し血液とした、《ジャシン》が生み出した暴竜爵の似姿……その名も、邪龍 ジャブラッド

《ジャシン》によって深淵から呼び出された《ジャブラッド》は《ボルシャック・カイザー》に向け、開口一番に産声代わりの深淵の波動を放った。
《カイザー》も即座に轟炎を吐いて応え、波動と轟炎とが激突する。
その衝撃によって大地はカルデラのごとく抉られ、空も見えないほど厚く広がっていた雲は衝撃を中心に台風の目のごとく円形に吹き飛ばされた。

《ジャブラッド》の深淵の波動をかろうじて相殺したものの、《ボルシャック・カイザー》は思った……この邪龍は自分と互角以上の強さを持っている、と。
ゆえに決意する。名乗りを上げることで、真の力を解き放つことを!

「聞け、ものどもよ!我こそは全ての理不尽なるものへの怒りを薪にくべ、骨まで焼き尽くす暴嵐の轟火をその身に従える竜皇……我が名は轟炎の竜皇、ボルシャック・カイザーなり!」

名乗りを上げた《ボルシャック・カイザー》の身体が太陽よりも赤く染まっていく。それは全身に炎の闘気が充満している証。
やがて力を解放し終えたボルシャックの一撃が、《ジャブラッド》の身体を砕く!
……だが、バラバラになった《ジャブラッド》の身体の破片はやがて集まっていき、そして気づけば全く無傷のままの姿で再び《カイザー》の前に立っていたのだった!!

無限に再生する《ジャブラッド》に対し、《ボルシャック・カイザー》でさえもダメージを与えられず、次第に追い詰められていく。
そして矢継ぎ早に放たれた深淵の波動を《カイザー》が轟炎で打ち消しきれず、押しきられそうになった時……流星と見まごうばかりの虹色の光跡が、両者の間に割って入った!
「助けに来たぞカイザー!」
《ドラン・ゴルギーニ》の兄、「富轟龍」《ルベル・ゴルギーニ》だ!

《ボルシャック・カイザー》を助けに現れた《ルベル・ゴルギーニ》は高速の体当たりで《ジャブラッド》に衝突すると、さらに千切れた《ジャブラッド》の身体の一部を遠くに運んで再生を防ごうとする。
だが、《ジャブラッド》は構わず深淵の波動に深淵の波動を重ね合わせ、極大の波動を《カイザー》に向けて放つのだった。

《ルベル・ゴルギーニ》との二人がかりでも倒せない……《ジャブラッド》が放った極大の深淵の波動に《ボルシャック・カイザー》が押しきられそうになったその時、《ルベル》が叫んだ。
「カイザー、安心しな!助けに来たのはどうやらオレだけじゃないぜ!!」

《ルベル・ゴルギーニ》の言葉を聞いて《ボルシャック・カイザー》が辺りを見渡すと、四方から近づいてくるいくつもの声が聞こえた。
「暴竜爵、頑張ってください!」「我々もすぐに加勢します!!」「偽物のドラゴンなんかに負けないで!」
それは《ジャシン》を倒すために駆けつけた、火文明の戦士たちであった。

《ルベル・ゴルギーニ》は深淵の入り口へと向かう途中、火文明に向けて「カイザーが独りでジャシンと戦おうとしている! 我こそはという戦士は加勢するのだ!!」という内容の放送を何度も繰り返し発信していたのだ。

仲間の思いで真の力を引き出した《ボルシャック・カイザー》が、ついに《ジャブラッド》を地面に組み伏せる。
「仲間こそがボルシャックの強さの源! 終わりだ。まがいものの龍よ」
そして《カイザー》の目にも止まらぬ拳の連撃が《ジャブラッド》の身体を叩き、割り、貫き、そうしてついには二度と再生できぬよう粉々に磨り潰したのだった。

《ボルシャック・カイザー》は、続けて身体に120%の炎をみなぎらせた状態で《ジャシン》に突進する。
だが、《ジャシン》は衝撃波を放って吹き飛ばしにかかる!カイザーは回避しようとするが、後方には《カイザー》を尊敬するルピアたちがいた。
思わずルピアを庇うため衝撃波の追撃を受ける《カイザー》。しかしそのダメージで動けない隙に《カイザー》の身体は《ジャシン》に貫かれてしまい、カイザーの身体を覆っていた炎は段々と燻っていくと、やがて消えてしまったのだった……。

戦いを終えた《ジャシン》は、次の標的である自然文明へと向かっていったのだった……。

Uta-Awase-Fes.

アゲアゲの Uta-Awase-Fes. みんな来い ― Uta-Awase-Fes.のキャッチコピー

数年に一度、水文明で開催される音楽パフォーマンスを競うイベント「Uta-Awase-Fes.」。
《ジャシン》復活に対する不安を吹き飛ばすべく、Uta-Awase-Fes.が開催することとなった。

まずは《コバヤシ・ジアマリン》が熟達のハイクで観客を沸かす。
そしてそれに続くのは、前回惜しくも敗れた優勝候補の《Drache der'Zen》だ。

お気に入りのピックがギターの弦を弾き、積年の思いが込められたハイクが紡がれる。それは友に捧げる歌だった。
なぜ離れ どこへ行くのか 君は今
魂の慟哭は、聴く者すべての心を揺さぶった。

それは舞台袖で出番を待つ《Eine k'Reine》の耳にも飛び込んでいた。
昔、《Eine k'Reine》と《Drache der'Zen》と伝説のハイクバンド「壱百年(ひゃくねん)Wish(ウィッシュ)」を組んでいた。しかしハイク性の違いで解散となり、それから《Drache der'Zen》は独りでハイクの道を突き進むようになった。
様々な思い出が去来し、気づけば《Eine k'Reine》のまなじりから一筋の涙がこぼれていたのだった。

《Eine k'Reine》が舞台に乱入したことで、《Drache der'Zen》との即興セッションハイクが始まった。
「二人はもう ここからずっと エターナル」
……二人のハイクに《AQcess》が感動的な旋律を添えると、観客たちは割れんばかりの拍手とアンコールで応えたのだった。

主な登場人物 [編集]

光文明 [編集]

水文明 [編集]

闇文明 [編集]

火文明 [編集]

自然文明 [編集]

NEXT [編集]

参考 [編集]


[1] それまでにも不死鳥編のように敵対ケース自体はあったが主要種族は味方陣営と混ざり合っている状態だった
[2] デュエチューブの2022年9月16日付で投稿された動画にて、デッドマンは (チアリの「今までの続きなのかどうか」と問われて) 「それはちょっとね、まだわからないんです」と述べている。
[3] デュエチューブの2022年9月16日付で投稿された動画、15:02あたりで語られている。
[4] デュエチューブの2022年9月16日付で投稿された動画、9:24あたりで用いられている語。正式な呼称なのか便宜的なものなのか不明。
[5] デュエチューブの2022年9月16日付で投稿された動画、9:56あたりで語られている。
[6] デュエチューブの2022年9月16日付で投稿された動画、4:08あたりで語られている。
[7] この弾の背景ストーリーデュエチューブの2022年9月16日付で投稿された動画で大きく補足されている。当項の記述は当弾のフレーバーテキストの記述を主とするが、この動画で明かされた情報も多分に含んでいる。具体的には、地殻変動の結果として起こった世界の「分裂」についての詳細は、当動画の2:49〜からの発言を引用している。
[8] この接続先の異空間のことを「深淵」と呼んでいるのか、それとも異空間に接続している海岸沿い某地点のことを「深淵」と呼んでいるのかは曖昧。