《「ファーーーー!
|
| 「ファーーーー!俺様は哀しい!!」 UC 自然文明 (11) |
| 呪文 |
| ハイパーエナジー(この呪文を唱える時、コストが異なる自分のクリーチャーを好きな数タップしてもよい。こうしてタップしたクリーチャー1体につき、この呪文のコストを2少なくする。ただし、コストは0以下にはならない) |
| 自分の墓地を山札に加えてシャッフルし、その後、自分の山札の上から4枚を見る。その中から、クリーチャーを1体出してもよい。残りを好きな順序で山札の下に置く。 |
ハイパーエナジーでコスト軽減して唱えることができる呪文で、山札回復からのシャッフルを挟んだうえで、山札の上4枚の中から踏み倒しする効果を持つ。
《ミステリー・キューブ》系の踏み倒し呪文と異なり、山札の上4枚の中から踏み倒せるので不発のリスクが低く、踏み倒すクリーチャーもその場に応じて選べる可能性がある点が魅力。踏み倒し方だけで言えば自分で選べるようになった《ミラクルとミステリーの扉》であり、踏み倒し自体は強力。
しかし手打ちには事前準備が必要であり、だからといってウィニーなどを増やすと踏み倒しのバリューが下がってしまうジレンマを抱えている。S・トリガーなどの自身を踏み倒す効果も持たず、それどころかそれ以外の効果もない(この効果自体に墓地リセットが付属してはいるが)ため取り回しが悪い。それでいて踏み倒せるクリーチャーは他の踏み倒し呪文の多くと同様の1体のみであり、単にそのまま使うだけでは他の踏み倒し呪文の劣化になりかねないかなりピーキーな性能。
ターボによって使うのならばより強力な踏み倒しカードが数多くあり、コスト踏み倒しで唱えるなら他に強力な呪文が幾つもあるので、このカードを活かすのなら基本的にはハイパーエナジーで使用したい。2~3体をタップしてコスト5~7まで軽減できれば妥当か。
踏み倒しの前に行う墓地リセットは、墓地のリソースを失う点が痛いだけでなく、呪文などを戻すことによって踏み倒しの期待値を下げてしまう点を無視できない。
フルクリーチャーのような構築を意識するか、事前に何らかの手段でマナに送るなどして回避するか、などが対策として考えられる。あるいはいっそ山札回復としてこれを活かすようにデッキを構築するのも手だろうか。
一応、この呪文を唱えたあとは墓地にこのカードがあるので、墓地から呪文を踏み倒すクリーチャーを出せばそのまま2回目の踏み倒しを行うことができる。よってリソースを失うものの墓地利用が不可能というわけでもないが、その場合はできるならリソースを確保するカードも合わせて採用したい。
また、文明が違うとはいえ2コスト上には同じハイパーエナジー持ちでありながらよりサーチ範囲が広く、追加ターンも狙える《♪ハックより 一時ずらして じゅうとなな》もある。
文明以外の点で差別化するとすれば、あちらが墓地肥やしでこちらが山札回復と真逆の挙動である点を活かすか、あるいはコストが低い点を活かして速度を意識するなどが鍵だろうか。
巨大ファッティに寄せた【青黒緑マルル】に投入するのも1つの手。4ターン目に7マナに安定して達しやすいデッキなので、詠唱自体は非常に安定する。問題は自然単色のコスト2初動マナブーストや《ヨビニオン・マルル》を始めとして自然単色カードを大量投入するこのデッキにどれだけ自然単色のコスト踏み倒し呪文を入れるスペースがあるかである。
【ミステリー・キューブ】なら、手打ちの《幻想と伝承の決断》でコストの異なるクリーチャーが踏み倒せただけで6→7と繋がるので好相性。EXライフ持ちをコストにすれば殴り返しもある程度ケアすることが可能である。
ただし、【ミステリー・キューブ】では踏み倒しの期待値を確保するために踏み倒しカードの枠を極力絞っており、他のカードと競合してしまう。さらにはハイパーエナジーのためにクリーチャーのコストを被らないようにすること、横並びを意識すること、墓地リセットを想定することなども踏まえてデッキを構築しなければならない。
以上より、既存の【ミステリー・キューブ】にそのまま投入するのではなくこのカードを意識した専用構築を組む必要があるだろう。他の《ミステリー・キューブ》系の呪文と比較すると、終盤になるにつれ横並びによって手打ちしやすくなるので、その点も意識してデッキを組んでみるといいかもしれない。
リミテッドではそもそも強力なファッティの絶対数をメインデッキに確保できない上に、単純な頭数稼ぎとして考えても低コストで唱えられる前にフィニッシュに向かうことができるはずなので、微妙である。