#author("2025-03-07T18:19:11+09:00","","")
#author("2025-03-07T18:21:15+09:00","","")
*遅延誘発型能力 [#f1b8708a]

[[呪文]]や[[能力]]の[[解決]]により生成される''[[効果]]''で、元々の[[能力]]を使用したその時ではなく、それより後の指定された[[タイミング]]で[[誘発]]あるいは有効になるものを指す。
[[呪文]]や[[能力]]の[[解決]]により生成される''[[効果]]''で、元々の[[能力]]を使用したその時ではなく、それより後の指定された[[タイミング]]で[[誘発]]するあるいは有効になるものを指す。
元となる[[能力]]は[[誘発型能力]]であるとは限らない。さらには遅延誘発型能力が[[単発的効果]]ではなく[[継続的効果]]の場合もある。

-「遅延誘発(の挙動をさせる)能力(テキスト)」ではあるが、裁定は間違いなく「[[効果]]」である。
--[[《機動剛勇ラスト・モモタロウ》]]が自身の能力で[[W・ブレイカー]]を得、その攻撃中に[[《ホーガン・ブラスター》]]などで[[《∞龍 ゲンムエンペラー》]]が登場したとする。《ラスト・モモタロウ》の[[自壊]]が「クリーチャーの''[[能力]]''」であるとすれば、攻撃の後に破壊されないことになるが、実際には遅延誘発の発生源は「コスト5以下のクリーチャーの能力」ではなくなっているため[[無視]]されない=[[効果]]である。

**[[誘発型能力]]による遅延誘発型能力 [#t6f78a63]
|ねじれる者ボーン・スライム C 闇文明 (1)|
|クリーチャー:リビング・デッド 1000|
|ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)|
|このクリーチャーが相手プレイヤーを攻撃する時、攻撃の後、破壊する。|
※「攻撃の後、破壊する」という[[単発的効果]]

|飛翔龍 5000VT VIC 水文明 (8)|
|クリーチャー:マジック・アウトレイジMAX 12000|
|このクリーチャーの召喚コストを、バトルゾーンにあるクリーチャー1体につき1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。|
|''ジャストダイバー''|
|''T・ブレイカー''|
|このクリーチャーが出た時、相手のパワー5000以下のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。次の相手のターン中、相手はパワー5000以下のクリーチャーを出せない。|
※「次の相手のターン中、相手はパワー5000以下のクリーチャーを出せない」という[[継続的効果]]

**[[起動型能力]]による遅延誘発型能力 [#t81f52a7]

|幻想妖精カチュア VR 自然文明 (7)|
|クリーチャー:スノーフェアリー 3000|
|このクリーチャーで攻撃するかわりに、タップして次のTT能力を使ってもよい。|
|TT−自分の山札を見る。その中からドラゴンを1体選び、バトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。そのクリーチャーは「スピードアタッカー」を得る。このターンの終わりに、そのクリーチャーを破壊する。|
※「このターンの終わりに、そのクリーチャーを破壊する」という[[単発的効果]]

**[[呪文能力]]による遅延誘発型能力 [#k75499b4]

|ミラクル・サーチャー UC 水文明 (3)|
|呪文|
|このターン、自分のクリーチャーがシールドをブレイクするたびに、カードを2枚引いてもよい。|
※1ターンの[[継続的効果]]かつ、その中で何度も発生する[[単発的効果]]

|白騎士スパーク R 光文明 (6)|
|呪文|
|S・トリガー|
|バトルゾーンにある相手のクリーチャーすべてをタップする。|
|このターンの終わりに、バトルゾーンにある自分の、名前に《白騎士》とあるクリーチャーをすべてアンタップする。|
※「このターンの終わりに、バトルゾーンにある自分の、名前に《白騎士》とあるクリーチャーをすべてアンタップする」という[[単発的効果]]

|超次元シャチホコ・ホール C 闇/火文明 (5)|
|呪文|
|次の相手のターン中、自分のエイリアンは攻撃されない。|
|コスト7以下のエイリアン・サイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。|
※[[呪文能力]]を受けたクリーチャーに、後から1ターンの「攻撃されない」[[継続的効果]]を発揮する

**[[置換効果]]による遅延誘発型能力 [#q8ce7fa3]

|光姫聖霊ガブリエラ SR 光文明 (7)|
|クリーチャー:エンジェル・コマンド/メカ・デル・ソル 7000|
|G・ゼロ−自分のシールドが1枚もなく、バトルゾーンに自分の《光姫聖霊ガブリエラ》が1体もなければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。|
|W・ブレイカー|
|相手のクリーチャーの攻撃によって、相手がゲームに勝つ時、かわりにこのクリーチャーを破壊してもよい。そうした場合、相手はゲームに勝たず、このターン中クリーチャーは攻撃できず、自分の次のターンの終わりに自分はゲームに負ける。|
※「自分の次のターンの終わりに自分はゲームに負ける」という[[単発的効果]]

**ルール [#hb3a4425]
遅延誘発型能力を生成する[[呪文]]や[[能力]]が[[解決]]される前に、遅延誘発型能力の誘発条件を満たしても、そのことでは遅延誘発型能力は誘発しない。その結果、遅延誘発型能力が一度も誘発しないこともありうる。
-例1)自分のシールドを[[自己ブレイク]]し、そこから[[S・トリガー]]化した[[《ミラクル・サーチャー》]]を唱えた。この場合、《ミラクル・サーチャー》自身をブレイクした時のタイミングを過ぎているので、ドローできない。その後さらにブレイクを行う場合はドローできる。
-例2)「ターンの終わり」に誘発する[[《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》]]で[[《龍聖霊ウィズダムフェウス》]]を出し、その能力で[[《白騎士スパーク》]]を唱えても、すでに「このターンの終わり」のタイミングを過ぎているので、[[クリーチャー]]を[[アンタップ]]することはできない。また、唱えた次のターン以降は「このターン」ではないので、アンタップ効果は一度も適用されない。

----

特定のカードに影響する遅延誘発型能力は、そのカードが[[進化]]や[[再構築]]([[退化]])等した場合でも[[引き継ぎ]]され影響を及ぼすことができる。
ただし、そのカードがそのゾーンを離れた場合(指定された時点までに戻ってきたとしても)影響を及ぼさない。
-例) [[《幻想妖精カチュア》]]で出した[[ドラゴン]]を[[《フォース・アゲイン》]]で出し入れした場合、ターン終了時にそのドラゴンは[[破壊]]されない。

また、実際に遅延誘発型能力が適用されるタイミングで[[カードタイプ]]が変化し、遅延誘発型能力で言及されているカードタイプではない場合、遅延誘発型能力は不発する。
>Q.「[[アビスラッシュ]]」で召喚した[[タマシード/クリーチャー>タマシード/クリーチャー]]は、自分のターンの終わりに必ず山札の下に置きますか?
>A.状況によって山札の下に置かれるか変わります。&br;自分のターンの終わりにクリーチャーになる条件を満たしていれば、山札の下に置かれます。&br;ただし、ターンの終わりにクリーチャーになる条件を満たしていなかった場合、山札の下に置かれません。&br;例えば、[[《邪龍 ジャブラッド》]]を「[[アビスラッシュ]]」で召喚したターンの終わりに、先に他の「[[アビスラッシュ]]」で出したクリーチャーを山札の下に置くなどして、自分の闇のクリーチャーやタマシードが3つ以下になった場合、その[[《邪龍 ジャブラッド》]]はクリーチャーではなくなるため、山札の下に置かれません。
[[引用元:https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/43340/]] (2023.6.23)

----

バトルゾーン以外で効果を使い、それからバトルゾーンに出て遅延誘発する効果は、「バトルゾーンにあるクリーチャーの能力」に含まない。
-例) [[《樹食の超人》]]の[[コスト軽減]]は召喚するゾーンから使う。バトルゾーンに着地した際、予め[[《あたりポンの助》]]で[[《樹食の超人》]]が指定されていたとしても、既に誘発を終えている[[ディスカード]]と[[ランデス]]する効果は[[無視]]されない。([[公式Q&A>https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/41662/]])

----

ある一つの効果によって生成される複数の遅延誘発型能力は同時に解決される。
-例)1体の[[《アリス・ルピア》]]によって[[コスト踏み倒し]]した2体以上の[[ファイアー・バード]]・クリーチャーは、まったく同じタイミングで破壊される。コスト踏み倒しした中に[[《凰翔竜機マーチ・ルピア》]]があった場合、《マーチ・ルピア》とそれ以外は全く同じタイミングで破壊され、かつ「○○が破壊される時」で見ることのできる[[過去の状態は破壊された自分自身のみである>過去の状態を見る]]ため、《マーチ・ルピア》の「自分のファイアー・バード・クリーチャーが破壊された時」の能力は《マーチ・ルピア》1体につき1回のみ誘発する。([[FAQ>https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/45582/]])

----

[[呪文能力]]が生成したコスト5以下の呪文の[[効果]]なら、遅延誘発型能力は[[《∞龍 ゲンムエンペラー》]]によって効果を失う。

>Q.自分は[[《バンキシーの魔盤》]]を唱えて、山札から[[《∞龍 ゲンムエンペラー》]]がバトルゾーンに出ました。&br;この[[《∞龍 ゲンムエンペラー》]]は「スピードアタッカー」ですぐ攻撃できますか?&br;また、次の相手のターンのはじめに手札に戻りますか?
A.[[《∞龍 ゲンムエンペラー》]]自身の能力により[[《バンキシーの魔盤》]]の効果で付与された「スピードアタッカー」が無視されるため、召喚酔いで攻撃できません。&br;また、「次の相手のターンのはじめに、そのクリーチャーを手札に戻す」も効果が無視されていますので、次の相手のターンのはじめに手札に戻らず、バトルゾーンに残ります。&br;コスト5以下の呪文の解決中に《∞龍 ゲンムエンペラー》が出た場合でも、解決中の効果は無視されません。ただし、それにより生成された継続的効果や、遅延誘発型能力は無視されます。
[[引用元:https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/44188]](2023.12.15)

**遅延誘発型能力の例 [#k893924a]
「バトルの後」「攻撃の終わり」「攻撃の後」といった誘発タイミングは、純粋な[[誘発型能力]]で参照されることが珍しく、そのほとんどが遅延誘発型能力である(([[ブレイク・ボーナス]]など例外は存在する。))。

-[[スレイヤー]]
-「ブロックした時、バトルの後、このクリーチャーをアンタップする」>[[無限ブロッカー]]
-「バトルする時、バトルの後、このクリーチャーを破壊する」>[[逆スレイヤー]]
-「攻撃する時、攻撃の後、このクリーチャーを破壊する」
-[[《超戦龍覇 モルトNEXT》]]の[[龍マナ武装]]5[[能力]]>一部の[[紫電効果]]

----

「このターンの終わりに」「次の⚪︎⚪︎のターンのはじめ/終わりに」「次の⚪︎⚪︎のターン中」を指定している能力も遅延誘発型能力である。
-[[《怒流牙 サイゾウミスト》]]や[[《「お茶はいかがですか?」》>《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》]]といった一時的な[[シールド追加]]
-[[《幻想妖精カチュア》]]や[[《バンキシーの魔盤》]]といった一時的な盤面補充
-「次の相手のターンのはじめに、そのクリーチャーはアンタップしない」>[[フリーズ]]

----

[[呪文]]は唱えたら即座に解決されるため、基本的に誘発タイミングが存在しない。従って呪文のテキストに「⚪︎⚪︎した時」とあれば、基本的には遅延誘発型能力である。ただし、唱えること以外で適用される能力を持つこともあるため、全てが遅延誘発型能力というわけではない((例えば、呪文が持つ[[ビビッドロー]]や[[《ハラグロX☆行っくよー!》]]の[[マッドネス]]類似能力は純粋な誘発型能力である。))。
-[[《ミラクル・サーチャー》]]のブレイクした時のドロー効果
-[[《スクランブル・チェンジ》]]の[[スピードアタッカー]]付与効果

**その他 [#sdd3d189]
-基本的に、「[[その後]]」とある能力は一連の処理なので遅延誘発型ではない。
--ただし、遅延誘発型能力ではないが[[《暗黒皇グレイテスト・シーザー》]]をはじめとした、「[[墓地]]から呪文を複数枚を選んでからコストを支払わずに唱え、その後、山札の下に置く」効果は、唱え終わるごとに山札の下に置くのではなく、すべて唱え終わってからまとめて山札の下に置くことには注意が必要である。唱えた呪文の動き方は[[墓地]]→[[保留状態]]→[[墓地]]→[[山札の下]]になる。

-古いルールでは[[pig]]は墓地で誘発する能力だったことがある。そのルールの時代は、[[pig]]により[[《ケンゲキオージャ 〜究極火焔〜》]]を破壊など除去をした場合、「バトルゾーンのクリーチャーの能力」とはみなされなかった。だが、遅延誘発型能力の[[スレイヤー]]は《ケンゲキオージャ》とバトルし、負けて破壊された後に「バトルの後」の効果で《ケンゲキオージャ》を道連れにした場合、誘発はバトルゾーンで済んでいるため[[pig]]とは異なり「バトルゾーンのクリーチャーの能力」とみなしていた。

--なお、現在では[[pig]]はバトルゾーンに能力を無視されていない状態で存在していることで誘発できるものとなった。したがって[[スレイヤー]]でも[[pig]]でも《ケンゲキオージャ》を除去されたプレイヤーは[[エクストラウィン]]する。

-条件としては似通っているが、[[ブレイク・ボーナス]]は遅延誘発型能力ではない。[[アタックトリガー]]ではなく、「攻撃の後」に誘発する普通の[[誘発型能力]]である。そのため、例えば[[《覇王ブラックモナーク》]]の攻撃時に自身を[[《死神明王 XENOM》]]に進化させ、ブレイクを済ませて結果的に[[攻撃の後]]に[[《死神明王 XENOM》]]としてバトルゾーンに残っていれば効果を使用できる。
--ただし[[《超音速 ターボ3》]]のように簡単にそれをできるわけではないため、体感的には[[《死神明王 XENOM》]]自体が持つ遅延誘発型能力のようではある。

-この用語は総合ルール(ver.1.43)110.3bに記載のある公式の用語である。
一見するとこの能力は何らかの「[[能力]]」が引き起こす出来事のタイミング、すなわち「[[効果]]のタイミング」を定義しているようにも見える(=「遅延誘発型効果」と言った方が良さそうに見える)が、総合ルールには「誘発型能力を与えられる〜」と、([[能力]]の)[[付与]]に近いような記述がなされている。

-遅延誘発型能力が[[引き継ぎ]]の対象になる、能力無視の対象外である、という事実を鑑みると、遅延誘発型能力は「特定のタイミングで[[単発的効果]]を発生させる、もしくは特定のタイミングから[[継続的効果]]を発生させる」特殊な[[継続的効果]]と理解した方がよさそうである。

-[[《超次元シャチホコ・ホール》]]や[[《†正義†と「正義」》]]など、カードが一度もルール上の「誘発」を含まないこともある、まず、呪文を唱えることによって発生する効果は「[[誘発型能力]]」ではない。[[パワーアタッカー]]が、ルール上[[常在型能力]]であり[[誘発型能力]]ではないのと同じで、「次の相手のターン中」は決して「次の相手のターンのはじめに」に誘発しているわけではない。
--この特殊なものも齟齬のない用語として一般化するには「遅延生成型効果」とでも名付ける必要があった。

-例によって[[Magic:The Gathering]]から移入された用語である。
--MTGでは遅れて誘発する以外は通常の[[誘発型能力]]と変わらないが、デュエマでは上記の通り実際は効果の特性を持つ。

**参考 [#uafb8750]
-[[用語集]]
-[[効果]]
--[[単発的効果]]
--[[継続的効果]]
--[[置換効果]]
---[[置換効果(狭義)>置換効果#narrow]]
---[[自己置換効果]]
--[[状態定義効果]]
-[[能力]]
--[[常在型能力]]
---([[特性定義能力]]((実質[[継続的効果]]と同義)))
--[[誘発型能力]]
---(''遅延誘発型能力''((何らかの能力によって生成される効果が後から発揮されること)))
--[[起動型能力]]
--[[呪文能力]]
-[[誘発]]
-[[待機]]
-[[解決]]

&tag(用語集,能力,誘発型能力,遅延誘発型能力);