#author("2023-12-04T00:24:01+09:00","","")
#author("2023-12-04T00:24:51+09:00","","")
*コスト&ruby(ろん){論}; [#l1fade52]

カードデザインの基準となっていると考えられる、[[コスト]]対[[パワー]]、及びコスト対[[能力]]の関係性のこと。
また、これの優劣を[[コストパフォーマンス]]と呼ぶ。

あくまで複数のカードから読み取れる''考察''であり、どこかで明言されている物ではない。が、[[上位互換]]・[[下位互換]]の判断基準になることをはじめとして、カードの強さについて考える際にはしばしば用いられる考え方である。

**基準値(コスト対パワー) [#i65c1bec]
[[単色]][[クリーチャー]]のパワーは基本的に、「マナコスト×1000」でその基礎パワーが決まっている。
ただし、コスト帯によっては計算式が異なってくる。

|コスト0|「−4000−(文明補正)=−5000」?|[[《ゾンビポンの助》]]|
|コスト1|(コスト)×1000−1000+(文明補正)|
|コスト2〜5|(コスト)×1000|
|コスト6〜|5000+((コスト)−5)×2000|
// コスト8以上:該当しない

[[クリーチャー]]のパワーは、ここから後述の「能力別コスト論」によって、能力に応じて差し引きされて決まると考えられる。

ただしこれは初期の基準であり、後述するようにこの値は年々変化している。

-元々は「計算式で求まるパワー」=「[[バニラ]]クリーチャーのパワー」だったが、時代が進んだ結果「計算式で求まるパワー」≦「[[バニラ]]クリーチャーのパワー」となった。
--何かしらの能力を持つクリーチャーは、計算式で求まるパワーから加減算してパワーが設定されることが多い。
--いかにバニラとはいえ、ゲームバランスを破壊しそうなクリーチャーは登場していない。理論上は、[[自然]]には「コスト1、パワー1000、バニラ」というクリーチャーが存在できることになるが、[[DM23-RP3]]までそのようなカードは未登場であった。
しかしついに[[DM23-RP4]]でコスト1・パワー1000[[バニラ]]として[[《忍式の聖沌 y4kk0》]]が登場。その特徴は[[公式でも推しているポイント>https://www.youtube.com/watch?v=TXlnN_66uPk&t=109s]]である。純粋なパワーで自然文明に後れを取っていた光文明での登場となった。

***詳細 [#bcdb2215]

計算上、[[コスト]]1のバニラクリーチャーはパワーが0になる。
[[光]][[文明]]は「通常の[[パワー]]に500追加されることがある」特徴により、[[《予言者クルト》]]等の[[コスト]]1[[パワー]]500の[[バニラ]]が存在している。
[[光]][[文明]]は「通常の[[パワー]]に500追加されることがある」特徴により、[[《予言者クルト》]]等の[[コスト]]1[[パワー]]500の[[バニラ]]が存在している。その延長線上でパワー1000の[[《忍式の聖沌 y4kk0》]]も許されている。

それ以外の[[文明]]では、何かしら[[デメリット]]を持つもの([[《凶戦士ブレイズ・クロー》]]など)か、[[パンプアップ]]を持つもの([[《勇気の爪 コルナゴ》]]など)しか存在しない。

6[[コスト]]からは1[[マナ]]ごとに[[パワー]]が2000ずつ増えて6[[コスト]]・[[パワー]]7000が基準となる。(>[[6マナ以上優位の法則]])

**能力別コスト論 [#u4aa90f7]
なんらかのメリット[[能力]]を持つ[[クリーチャー]]は、[[能力]]を持たない[[クリーチャー]]に比べてパワーが低いことが多い。[[デメリット]][[能力]]を持つ[[クリーチャー]]は逆に高いことが多い。
あるいは、[[パワー]]は同じだが、[[能力]]の有無とその内容によって[[コスト]]が異なる場合もある。

この「1つの能力に対してどれだけコストまたはパワーが修正されるか(補正値)」を考察したのがコスト対[[能力]]のコスト論である。
以下は、各能力が持つ補正値の考察となる。


//また、[[cip]]より[[pig]]の方が能力を誘発させづらいので、[[pig]]はコストが-1されることが多い。

***コスト-2またはパワー+2000 [#db8bed9b]
|能力名|参考にしたカード|h
|[[逆スレイヤー]]|[[《捕らえる者ボーン・スパイダー》]]|
|[[十王篇]]以降の[[自然]]の[[バニラ]]・[[準バニラ]]|[[《ちんぱんじー》]]|

***コスト-1(またはパワー+1000) [#tf281b64]
|能力名|参考にしたカード|h
|[[光]]の相手[[プレイヤー]]を[[攻撃できない]][[ブロッカー]]|[[《鎮圧の使徒サリエス》]]|
|[[水]]の[[攻撃できない]][[ブロッカー]]|[[《マドリオン・フィッシュ》]]|
|[[エピソード1]]以降の[[バニラ]]・[[準バニラ]]|[[《緑神龍カミナリズム》]][[《天鎧機装アメイジンガー》]]など(注):[[《激竜王》]][[《破界の右手 スミス》]]にはあてはまらない|

***コスト0 [#j3c1fb87]
|能力名|参考にしたカード|h
|[[闇]]の[[攻撃できない]][[ブロッカー]]|[[《道化人形ミケ》]]|
|[[侍流ジェネレート]]|[[《アクア・ツバメガエシ》]]|
|[[火]]の[[ガードマン]]|[[《ウッカ・リザード》]]|
|[[自然]]の[[ガードマン]] ※1|[[《つくしーぷ》]]|
|[[Jチェンジ]]+2 ※1|[[《おいも三兄弟》]]|
|[[アタックトリガー]]の[[GR召喚]]|[[《ガチャベス1》>《ガチャベス1/ガチャガチャ・スクランブル》]]|
|[[マッハファイター]] ※2|[[《オブラディ・ホーネット》>《オブラディ・ホーネット/「Let it Bee!」》]]|
|[[マジボンバー]]±0|[[《燦燦-ザサン》]]&br;[[《岩岩-ロック》]]|
|[[G・ストライク]] ※3|[[《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン GS》]]&br;[[《コッコ・ルピア GS》]]|

※1:コスト0かつ、バニラが持ちうるパワーも持っている。

※2:コスト0かつ、バニラが持ちうるパワーも持っている。[[DMRP-05]]時点ではコスト0でバニラと同じパワーにはならないように計算がされていた(コスト4・パワー4000に[[マッハファイター]]が付いた[[《いのししとう》]])

※3:[[《「俺」の頂 ライオネル GS》]]のように、[[G・ストライク]]獲得によって別の性能が失われ、劣化点が目立つケースも存在する。
[[《フェアリー・Re:ライフ》]]に関しては、「いかにバニラとはいえ、ゲームバランスを破壊しそうなクリーチャーは登場していない」ということで説明できる。理論上は[[《フェアリー・ライフ》]]に[[G・ストライク]]を付けることが可能でも、ゲームバランスを考えれば存在が許されなかったのだろう。

***コスト+1またはパワー-1000 [#a9ce90e4]
|能力名|参考にしたカード|h
|[[S・トリガー]]|[[《クリムゾン・ハンマー》]]→[[《幻竜砲》]]|
|[[ブロッカー破壊]]|[[《ハンマー野郎 オニドツキ》]]|
|[[ブロックされない]]|[[《キャンディ・ドロップ》]](注):初期の[[水]]は基本より[[パワー]]が1000小さい|
|[[アンタップキラー]]|[[《騎兵総長キュラトプス》]]|
|[[自分のターンの終わりに、このクリーチャーをアンタップする]]|[[《浄化の精霊ウルス》]]|
|※[[無色]]|[[《The ラー漢》]]、[[《自称辞書》]]|
|[[マナ召喚]]|[[《獣軍隊 ランキー》]]|
|[[破壊]]される時、自分の[[マナゾーン]]に置く。|[[《無敵の咆哮》]]|
|[[キリフダッシュ]]-1(([[カード]]自体の[[コスト]]から-1))|[[《The ブレー漢ズ》]]|

※[[バニラ]]の[[《ノウメン》]]、[[《破界の右手 スミス》]]、[[準バニラ]]の[[《イズモ》]]、[[システムクリーチャー]]の[[《ヤッタレマン》]]など、コスト+1またはパワー-1000がないカードも多い

***コスト+1.5前後 [#n1381852]
|能力名|>|参考にしたカード|h
|[[キャントリップ]]|[[《アクア・ハルカス》]][[《クゥリャン》]][[《ガード・グリップ》]]|1枚あたり1コスト|
|2枚以上の[[ドロー]]|[[《エナジー・ライト》]]|1枚あたり1.5コスト|
|~|[[《トリプル・ブレイン》]]|1枚あたり約1.67コスト|
|~|[[《王立アカデミー・ホウエイル》]]|1枚あたり約1.33コスト|

//《クアトロ・ブレイン》は6マナ以上優位の法則により6÷4では求められない

#region2(初期のころはドローのコストは軽視されていた){{
|2枚以上の[[ドロー]]・[[手札補充]]|[[《サイバー・ブレイン》]]|1枚あたり1コスト|
|~|[[《ストリーミング・シェイパー》]]|1枚あたり0.75コスト(最大効率)|
|~|[[《アクアン》]]パワー-2000として計算|1枚あたり0.4コスト(最大効率)|
|~|[[《アストラル・リーフ》]]パワー-2000((後述の計算式でコスト2の進化クリーチャーの基礎パワーを6000とする))として計算|1枚あたり0.67コスト|
}}

***コスト+2またはパワー-2000 [#zfa554fe]
|能力名|参考にしたカード|h
|相手[[クリーチャー]]の[[タップ]]|[[《雷光の使徒ミール》]]|
|[[モヤシ]]|[[《アクア・ソルジャー》]]|
|[[スレイヤー]]|[[《嘆きの影ベルベットフロー》]](注):現在のカードでは当てはまらない(([[《騒乱の影ウエスタン・バレル》]]→[[《罪無 バドミン垓》]]))。|
|[[スピードアタッカー]]|[[《解体屋ピーカプ》]](注):コスト+1またはパワー-1000で計算されているものもある。|
|[[cip]]による[[マナブースト]]|[[《青銅の鎧》]]|
|[[ランデス]]|[[《マナ・クライシス》]]|
|[[チャージャー]]|[[《クリムゾン・ハンマー》]]→[[《クリムゾン・チャージャー》]]|
|[[サルベージ]]|[[《ダーク・リバース》]][[《リバース・チャージャー》]]|
|[[シールド焼却]]|[[《ボルメテウス・レッド・ドラグーン》]]|
|[[cip]]による[[GR召喚]]|[[《ガチャガチャ・スクランブル》>《ガチャベス1/ガチャガチャ・スクランブル》]]、[[《スーパー・スパーク》]]→[[《♪仰ぎ見よ閃光の奇跡》]]](注):[[《超GR・チャージャー》]]などのように、コスト+1またはパワー-1000で計算されているものもある。|
|[[ブロッカー]]|[[《キング・クラーケン》]](注):現在のカードでは当てはまらない。|
|([[W・ブレイカー]])|[[《覚醒するブレイブ・ホーン》]]([[パワー]]6000以上はコスト0で計算)|
-1枚のカードで2枚[[ランデス]]は莫大な[[テンポアドバンテージ]]になるのでかなり重くなる→[[《シェル・フォートレス》]]

***コスト+3またはパワー-3000 [#k0ffc207]
|能力名|参考にしたカード|h
|[[cip]]による[[バウンス]]|[[《封魔バルゾー》]]|

**進化クリーチャー [#w04875f4]
同じコストの非進化クリーチャーから+4000されたものが基本と思われる。
ただし[[DM-04]]という初期に存在した[[《聖霊王アルカディアス》]]は[[呪文ロック]]能力を持ちながら、想定される基礎パワーよりも高い数値になっている。進化元のコストが全体的に高いためであろう。

|進化クリーチャー|コスト論の計算|h
|[[《魔翼虫ジェノサイド・ワーム》]]|7000(コスト6)+4000(進化)=11000|
|[[《守護聖天ラディア・バーレ》]]|7000(コスト6)+500(光)+4000(進化)-2000(攻撃可能ブロッカー)=9500|
|[[《クリスタル・ランサー》]]|7000(コスト6)-1000(水)+4000(進化)-2000(ブロックされない)=8000|
|[[《護りの角フィオナ》]]|7000(コスト6)+4000(進化)-2000([[鳴動するギガ・ホーン>《鳴動するギガ・ホーン》]])=9000|
|[[《超巨岩獣ドボルガイザー》]]|7000(コスト6)+4000(進化)-3000(3000火力)=8000|
|[[《機神装甲ヴァルカイザー》]]|5000(コスト5)+4000(進化)-4000(4000火力)=5000|
|[[《聖天使クラウゼ・バルキューラ》]]|7000(コスト6)+500(光)+4000(進化)-4000([[ムーンライト・フラッシュ>《ムーンライト・フラッシュ》]])=7500|

[[《クリスタル・ランサー》]]はパワーが-1000されているが、水文明だからというより大型でアンブロッカブルであることのシナジーが優秀だったから(加えてレアリティもアンコモンである)ことが理由の可能性もある。

***その他 [#o98faa5c]
-単体[[火力]]の場合、「最大火力÷1000」のコスト。([[《クリムゾン・ハンマー》]])
-[[ドロー]]は1枚につき+1.5。初期の頃は1枚につき+1だったが、強すぎたので変更された。([[《エナジー・ライト》]])
-ターン終了時に手札に戻る[[スピードアタッカー]]は、[[《襲撃者エグゼドライブ》]]が3コスト3000、[[《アッシュグレンオー》]]が4コスト5000であり、[[ゲームオリジナルカード]]には[[《火焔漁師ガンゾ》]]という2コスト1000クリーチャーも存在する。コストが1変わるとパワーが2000変動する、ちょっと珍しい能力。

-[[多色]]カードは[[スペック]]が高めに設定されており、2色・3色なら[[単色]]+2000〜3000が基準である。一部単色+1000や+4000も存在する。[[5色]]は数が少なく、コスト論が通用しないカードが多い。
--2色の例:[[《封魔ハリセンモン》]][[《無頼勇騎ゴンタ》]]、3色の例:[[《惨劇のアイオライト》]][[《希望の守り手クラップ》]][[《希望の守り手ペッパー》]]
--単色+1000の例:[[《翔天鎧冑ビトッチ》]]、単色+4000の例:[[《甲魔戦攻ギリメギス》]]


-[[クリーチャー]]への[[S・トリガー]]の付加は、+1,2の両方の場合があったり、カードによっては実質的にその分の[[コスト]]がなかったりと、あまり安定していない。[[《ハビエルネイチャー》]][[《爆獣の超人》]]などを比べると分かる。
**コスト論の変遷 [#a2949cfe]
コスト論の変遷とは[[インフレ]]の歴史でもあり、そちらも合わせて参照のこと。
比較を容易にするため、[[バニラ]]・[[準バニラ]][[クリーチャー]]および[[火力]][[呪文]]をメインに解説する。

***[[基本セット]]〜[[闘魂編]] [#x208b141]
初期の頃の[[水]]または[[闇]]の[[バニラ]]は基準より[[パワー]]が1000小さいことが多かった。同じく[[能力]]を持った[[カード]]でも、これらの[[文明]]のものは他の[[文明]]より[[パワー]]が低めに設定されていると見られるものが散見された。
[[火]]においても、上の2[[文明]]ほど例は多くないが、[[《ドラグライド》]]や[[《ブルーザー・ドラゴン》]]のように[[コスト]]×1000の[[パワー]]を持ちながらデメリットがつけられている[[クリーチャー]]も存在した。

[[《凶闘の魔人ギリエル》]]や[[《グラディアン・レッド・ドラゴン》]]に見られるように、[[コスト]]8〜10においても単純に「5000+(コスト)−5)×2000」の式に沿ったファッティが登場していた。

また[[火力]][[呪文]]は[[《クリムゾン・ハンマー》]]や[[《トルネード・フレーム》]]に見られるように[[コスト]]×1000、[[S・トリガー]]を持つものはさらにコスト+1が基準だった。

***[[聖拳編]] [#yf0ae761]
[[DM-10]]で8[[コスト]]の従来の[[コスト]]論を上回る[[《不落の超人》]]が登場。ここから8[[コスト]]以上の[[カード]]は13000あたりが基準となってくる。
[[DM-11]]で7[[コスト]]の従来の[[コスト]]論を上回る[[《ダブルソード・レッド・ドラゴン》]]も登場している。

だいたい、基準よりパワーが500から1000程度大きいものも出てきている。8コストを超えた辺りから、さらに開きが大きくなっていく傾向にある。

***[[極神編]] [#sa66eb12]

再び、多色カードがプッシュされたシリーズだが、単色カードが主に従来の[[コスト論]]を上回っているものが多かった。

[[《ボルシャック・大和・ドラゴン》]]、[[《封魔妖スーパー・クズトレイン》]]、[[《スーパー・スパーク》]]、[[《ダイヤモンド・ソード》]]など、コスト2相応減少しているカードも見られる。

このシリーズから、[[《アクア・スーパーエメラル》]]のように、[[ブロッカー]]能力が[[コスト論]]の清算に入っていないようなカードが見られるようになる。

***[[戦国編]] [#r9910d0f]
[[DM-28]]にて、[[バニラ]]で従来のパワーを上回る[[《霊騎デュナス》]]が登場。パワーの基準が上がっていることがより明確になった。
ここから[[自然]]は他文明に先んじて[[パワー]]の高い[[バニラ]]を輩出するようになる。

また[[DM-29]]では[[《緑神龍ディルガベジーダ》]]が登場。従来の[[コスト]]対[[パワー]]、[[コスト]]対[[能力]]の差し引きでは考えられないような[[パワー]]を持っており、この辺りの[[コスト]]帯のコスト論はやや曖昧になってきている。

***[[エピソード1]]〜[[エピソード2]] [#wbd5d027]
[[コスト]]5でデメリットを持たないながら[[W・ブレイカー]]とそれに値するパワーを持つ[[《緑神龍カミナリズム》]]、従来の単純な[[火力]]呪文に[[S・トリガー]]がそのまま付いたようなスペックの[[《メリコミ・フィスト》]]などが登場し、初期の頃と比べるとパワーが1000ほど高いのは当たり前になっていった。
[[コスト]]10では[[《偽りの名 13》]]が登場し、パワーが24000を超えると[[ワールド・ブレイカー]]が付けられることが示されるのと同時に、この辺りの[[コスト]]帯は[[パワー]]が24000に届くか、そうでなければそれに値する強力な能力を持つかというのが基準になっていった。

また、この頃は「[[ブレイカー]][[能力]]を持たないことでそれをデメリットとして計算した」かのようなカードが登場している。[[《激竜王》]]はその代表。

***[[エピソード3]] [#sf7cce20]
[[パワーアタッカー]]+1000000を持つ[[《百万超邪 クロスファイア》]]が登場。これ以前に[[カード]]に書かれる数値は5桁までしかなく、厳密な数値の意味が薄れてきていると見られる。
ただし、[[パワーアタッカー]]は単純なコスト論に当てはめるのが難しい能力であり、擬似的な[[すべてのバトルに勝つ]]能力と考えれば、さほどコスト論を逸脱しているわけでもない。このカードを皮切りに、[[パンプアップ]]に関しては既存のコスト論に囚われないべらぼうな数値を持ち、[[火力]]どころか[[確定除去]]同然のものが[[アウトレイジ]]を中心に多く登場し始めた。わずか4コストかつ[[G・ゼロ]]を持ちながら[[パワーアタッカー]]+1000000を与える[[《秘密結社アウトレイジ》]]はその代表と言える。

***[[新章デュエル・マスターズ]]〜[[超天篇]] [#b747ee14]
[[《ツリンボー・ファイアー》]]や[[《フライパン・マウンテン》]]などに見られるように、火力の基本的な威力がさらに1000上昇した。
またこの頃の[[自然]][[文明]]は「[[パワー]]12000以上」という条件がプッシュされており、それに伴って「既存のコスト論では届かないはずのパワー12000に、多少コスト論を無視して届かせている」ようなクリーチャーが散見される。[[《デデカブラ》]]などが特に顕著。
[[超天篇]]ごろになると、他の文明にもコスト論を無視して[[パワー]]や[[能力]]が強力なクリーチャーが登場し始める。それらの多くは無条件で[[攻撃できない]]デメリットを持っており、コスト論が単純な「コストを取るか、能力を取るか」だけではなくなり始めている。

***[[十王篇]]〜[[王来篇]] [#o9e46128]
[[DMRP-13]]にて[[《赤攻銀 ヴォタル》]]をはじめとする[[バニラ]]・[[準バニラ]]の[[サイクル]]が登場。いずれも各[[文明]]のそれまでの[[バニラ]]・[[準バニラ]]を明確に上回った数値を持ち、この頃の「『[[バニラ]]』『[[準バニラ]]』という性質」に対するコスト論の基準が見受けられる。
また、光もしくは自然を含む多色コスト4に、メリット能力を備えた[[W・ブレイカー]]が登場している。[[《緑神龍カミナリズム》]]登場時のように、コスト論の基準が更新されたと考えられる。

この頃まで[[高速化]]が続いていた影響か、[[《新爆竜 GENJI・XX》]]や[[《至宝を奪う月のロンリネス》]]など強力な能力を持っている中量級の場合でも当然のようにパワーが高く設定されている。また、それ以上のコストのカードは[[《聖魔連結王 ドルファディロム》]]など、さらに顕著に[[カードパワー]]が上昇、かつパワー差が曖昧化している。
[[《大樹王 ギガンディダノス》]]や[[《禁断竜王 Vol-Val-8》]]などのパワーは、もはやコスト論で考える事が無意味なほど。
[[《戯具 ザンボロン》]]や[[《とこしえの超人》]]など、[[攻撃できない]]低コスト帯クリーチャーの数も続々と増加している。[[多色]]、[[単色]]を問わず、はるかにコスト論の計算の閾値は低くなっている。

***[[ゴッド・オブ・アビス]]〜[[アビス・レボリューション]] [#l800a4e5]
主役級カードである[[《アビスベル=ジャシン帝》]]は[[コスト]]4にして[[W・ブレイカー]]とそれに達するパワー、加えて複数の[[能力]]持ち。
単に[[コストパフォーマンス]]が[[インフレ]]しただけでなく、[[フィニッシャー]]級の[[カード]]が4[[コスト]]帯まで降りてきているのがわかる。ただし《ジャシン帝》は自軍サポートの側面が強く、同期の[[タマシード/クリーチャー]]も[[コスト]]に対する[[パワー]]の高さを発揮するには自軍を揃えないといけないなど、[[フィニッシャー]]格の[[カード]]のあり方自体が変化してきており、今までのカードと一概に比較はできない。[[タマシード/クリーチャー]]をはじめとして、デメリットと引き換えに[[パワー]]や[[能力]]がコストに対して強力なカードが増加している事からもその傾向は見て取れる。
[[コスト]]5以上は当たり前のように[[W・ブレイカー]]を持つカードが登場している。それ以上の[[コスト]]帯の[[インフレ]]は言わずもがなであり、代表例として7[[マナ]]の[[《強振の超人》]]は16000の[[T・ブレイカー]]を、8[[マナ]]の[[《首領竜 ゴルファンタジスタ》]]は25000の[[ワールド・ブレイカー]]をそれぞれ[[デメリット]]なしで持っている。
3マナ以下においても、[[《襲撃者 「鎧」ドライブ》]]に代表されるように少しずつコスト論のインフレが進んでいる。
**コスト論の考え方 [#m62dc437]
先述の通りコスト論は一部の[[カード]]から得られる考察であり、すべての[[カード]]がコスト論に合致するように作られているわけではない。
初期はともかく、年が経つにつれて上記のような[[コスト]]・[[パワー]]・[[能力]]の釣り合いは見出しづらくなってきている。これは[[インフレ]]によってより強いカードが登場するのみならず、時おりわかりやすい[[下位互換]]や[[完全下位互換]](例えば[[《黒神龍パープル・ランブル》]]など)が登場することからも見て取れる。また、[[カードプール]]内での[[シナジー]]を考慮して、意図的に[[コストパフォーマンス]]を低く設定されて作られたと思われるカードが登場することもある(例えば[[《ヘブンズ・ゲート》]]が存在する上での[[《白騎士の精霊アルドラ》]])。

[[インフレ]]が進み、黎明期のコスト論が通用しなくなった今では、他のカードと見比べて、相対的な視点でコスト論の査定が行われることが多く、コストが高いカードほどその相対的な査定すら難しくなっている。

コスト論が強さのすべてを表すわけではなく、コスト論では適正値を上回っているわけではないのに強力なカードも多数存在する。
例えば、黎明期では、[[《クリスタル・ランサー》]]がその代表例で、[[ブロックされない]]能力と[[W・ブレイカー]]が見事な[[シナジー]]を形成し、バトルゾーンに居続ける限り、毎ターン確実に相手のシールドを2つ削ってくれるハイ[[スペック]]な[[ビートダウン]]性能を抱えていた。

[[革命ファイナル]]でも、[[《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》]]は能力とパワーだけで見たら[[コスト論]]を上回っておらず、むしろ[[インフレ]]が進んだ[[革命ファイナル]]では地味な能力ではあったが、[[能力]]と[[種族]]が、[[侵略]]や[[革命チェンジ]]能力と絶大な[[シナジー]]を形成していたがために、[[殿堂入り]]を余儀なくされるほど強力な[[スペック]]を誇っていた。

[[手札]]や[[マナ]]などリソースに関係するカードの場合尚更である。
例えば[[《スケルトン・バイス》]](コスト4)の効果は[[《ゴースト・タッチ》]](コスト2)を2倍にしただけの物で適正値だが[[プレミアム殿堂]]となっており、2023年現在も復帰を許されていない。
//(ただし、[[ハンデス]]系は[[インフレ]]で強力なものが増えているにも拘らず1枚も[[殿堂解除]]された[[カード]]がない)
//バイスホールが解除された。
逆に[[《エナジー・ライト》]]を2倍にした[[《クアトロ・ブレイン》]]はほとんど使われることがなく、元[[プレミアム殿堂]]の[[《サイバー・ブレイン》]]から[[S・トリガー]]を外しただけの[[《王立アカデミー・ホウエイル》]]の採用率も伸び悩んだ。
時代によって適切な[[コスト]]は変化している(多くの場合は低くなる)ことがわかる。かつて[[プレミアム殿堂]]であった[[《サイバー・ブレイン》]]や[[《アクアン》]]、[[殿堂入り]]であった[[《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》]]が[[殿堂解除]]されたという事実が、何よりそれを物語っている。

そのように、どこかで[[シナジー]]が形成されることによって、コスト論では計り知れることのない強力なカードは多数存在する。
一方で上述の通り、低[[レアリティ]]カードの中には明確な[[下位互換]]や純粋な低[[スペック]]カードも存在する。そこを見極めるのもプレイヤーの腕と言える。


//一方、[[DMRP-18]]内における[[《煌星龍 サッヴァーク》]]に対する[[《よろこVIP》]]の様に、低[[レアリティ]]カードの中には明確な[[下位互換]]や純粋な低[[スペック]]カードとして作られたカードも多い。
//[[王来篇環境]]においては[[デッキ]]の半数以上を[[レア]]以上のカードや高額な[[クロニクルデッキ]]からのカードが占めるデッキが多数台頭している事からも裏付けられるが、[[【我我我ブランド】]]の様に稀ながらも低[[レアリティ]]の目立つデッキも依然活躍しており、一概に[[レアリティ]]の高いカードばかりを揃えると強力、という訳ではない。

**参考 [#oad34052]
-[[用語集]]
-[[6マナ以上優位の法則]]

&tag(用語集,コスト,コスト論);