#author("2024-10-11T16:46:11+09:00","","") #author("2024-10-13T09:01:40+09:00","","") *インフレ [#bc336109] 経済用語「インフレーション(inflation)」の略であり、本来の意味は「物価が持続的に上昇すること」である。 そこから転じて、[[エキスパンション]]が進むにつれ、新しく出る[[カード]]の[[スペック]]が徐々に高くなっていくこと、もしくはそうしたカードが増えていく[[環境]]のことをいう。 つまりは[[コスト]]に対して[[能力]]が強力になり、[[クリーチャー]]の場合は[[パワー]]も大きくなっていくことを指す。 クリーチャーの場合、[[パワー]]が大きくなると言っても、[[《無頼勇騎ゴンタ》]]の様な「2[[コスト]]で[[バニラ]]の[[パワー]]4000の[[クリーチャー]]」の登場を指してインフレとは言わない。 インフレとは、例えば[[《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》]]の様な「[[コスト]]7で[[シールド・フォース]]付き[[パワー]]9000」が登場してくる様子を指す。 通常であれば[[シールド・フォース]]の[[能力]]は本来得るはずだった[[パワー]]からマイナス1000以上されるという計算だが、この[[クリーチャー]]ではそれが適用されていない。この場合では、[[コスト]]7なので[[パワー]]9000、かつ[[光]]なので[[バニラ]]ならば9500となり、[[シールド・フォース]]の性能に差し引き500しか消費していない事になる。 つまり、[[バニラ]]並みの[[パワー]]を維持しながら強力な[[能力]]を得ており、かなり高い[[スペック]]となっている。こういった現象が多くのカードで見受けられる場合に、インフレが起こっていると言われる。 基本的に[[クリーチャー]]は、[[パワー]]の高さよりも[[能力]]の強さが求められるので、[[パワー]]だけが独り歩きしてインフレしていくことはない。たまに、[[《緑神龍ディルガベジーダ》]]や[[《界王類七動目 ジュランネル》]]のように[[コスト]]に反して、逸脱した高い[[パワー]]を持つ者もいるが、[[《緑神龍ディルガベジーダ》]]の場合は強力な[[能力]]を持たない分を[[Q・ブレイカー]]や高[[パワー]]に回したり、[[《界王類七動目 ジュランネル》]]は[[デメリット]][[能力]]がついていたりするので、やはり[[能力]]のインフレありきの[[パワー]]の高さと言える。 派手で[[オーバーキル]]な[[カード]]を引き合いに出してインフレを説明することがあるが、それは適切ではない。例えば、[[《グラディアン・レッド・ドラゴン》]]の[[パワー]]が高いのはインフレによるものではない。10[[コスト]]と非常に[[重く>重い]]、[[T・ブレイカー]]以外の[[能力]]を持たないためにこの[[パワー]]設定なのである。[[カードパワー]]の判定には、[[コストパフォーマンス]]に着目するべきである。 [[コスト]]が高い[[カード]]ほどインフレが目立つ傾向にある。[[クリーチャー]]の場合、[[ファッティ]]クラスになると[[パワー]]と[[能力]]の両方に凄まじいインフレが起きている。それが顕著にみられ始めたのが[[ゼニス]]や[[《勝利宣言 鬼丸「覇」》]]が登場した[[エピソード2]]である。 [[コスト]]が低いカードはインフレが起きにくい傾向にあり、[[《異端流し オニカマス》]]を初めとするコスト2の[[踏み倒しメタ]]が登場したのは[[新章デュエル・マスターズ]]に入ってからであった。 [[マナブースト]]も[[コスト論]]での査定が+2である事自体はずっと変化しておらず、手を変え品を変えて[[《フェアリー・ライフ》]]もどきが登場し続けているものの[[上位互換]]は未だに存在しない。 [[コスト]]1の[[クリーチャー]]はそれ自体が[[メリット]]という例外的な存在であり、大きなインフレは起きていない。 [[《凶戦士ブレイズ・クロー》]]などは、登場以降20年経っても[[上位互換]]が出ずに高く評価され続けている。 初期の頃は、何かしらの[[能力]]を持った[[クリーチャー]]は、[[コスト]]に対して[[パワー]]が低くなることがあったが、次第に[[コスト]]に見合った[[パワー]]を維持、もしくはそれを上回る[[パワー]]を持った上で、強力な[[能力]]を持っていることが多くなった。そういう観点からみると、[[パワー]]の方がインフレしているとも言える。[[パワー]]を参照する[[《炎槍と水剣の裁》]]が[[プレミアム殿堂]]から無制限になったことからも、それが見て取れる。 インフレをしているのは[[クリーチャー]]だけでなく、[[呪文]]も同じである。[[呪文]]は[[パワー]]を持たないので、なおさら[[マナコスト]]に対する[[能力]]の強さを引き合いに出してインフレを語られる。 ただし、[[母なる>《母なる大地》]]系や[[リアニメイト]]のような[[コスト踏み倒し]]は「[[クリーチャー]]との相乗効果で威力を発揮する」タイプの[[カード]]である。[[クリーチャー]]のインフレに伴って自身の[[カードパワー]]が飛躍的に上昇する性質のため事情が変わり、時代と共に規制と[[調整版]]の追加が行われるケースがある。 例えば、[[《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》]]は[[《インフェルノ・ゲート》]]で[[リアニメイト]]して使うのが強力すぎることが原因の1つとなり、登場から1年以内で[[プレミアム殿堂]]となった。[[《インフェルノ・ゲート》]]もまた後に[[殿堂入り]]を経て[[プレミアム殿堂]]に指定される強力な[[カード]]であったが、その時点では[[リアニメイト]]して強力すぎるといえる[[クリーチャー]]が《サファイア》くらいだったので、何年かは規制を免れていた。 しかし、現在では[[《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》]]は[[殿堂解除]]され、[[《インフェルノ・ゲート》]]は[[プレミアム殿堂]]という以前とは逆の状況となっている。これは[[環境]]がインフレしたことで《サファイア》と同じくらい強力な[[クリーチャー]]が増えてきたことが原因である。 [[クリーチャー]]や[[呪文]]以外の、短期間しか登場しない[[カードタイプ]]ではインフレはほとんど見られない。最も[[GRクリーチャー]]のような例外も存在する。 **環境におけるインフレ [#g2dab437] ***[[聖拳編]] [#y7e57771] 最初に大きくインフレしたと言われるのは[[聖拳編]]。初の[[多色]]推しシリーズであり、[[《無双竜機ボルバルザーク》]]や、後の[[環境]]でも通用する[[スペック]]を持つ[[《英知と追撃の宝剣》]],[[《魂と記憶の盾》]]がこの時期に登場した。 当時としてはオーバースペック気味の多色カードが多数登場し、環境に絶大な影響を及ぼした。派手で強力なカードが多く、既存デッキの強化も容易なことから[[デュエル・マスターズ]]の人気の上昇にも繋がった。 ***[[極神編]] [#q194f04b] 2度目の多色推しシリーズの[[極神編]]もインフレが発生したシリーズと言われており、[[《龍仙ロマネスク》]],[[《聖鎧亜キング・アルカディアス》]],[[《ボルシャック・大和・ドラゴン》]],[[《封魔妖スーパー・クズトレイン》]],[[《スーパー・スパーク》]],[[《ダイヤモンド・ソード》]]などがこの時期に登している。 スペックが高めの3色以上の多色カードが初登場したものの、[[色事故]]が発生しやすいため、強さよりも使いづらさの方が目立ち、[[聖拳編]]時代の多色よりはインパクトに欠けている。 一方で、これまで一部を除きそれほど大きくなかった[[単色]]カードのインフレが進んでおり、既存[[カード]]の[[完全上位互換]]が多数登場したことが端的にそれを示している。 --先の[[聖拳編]]と合わせて「[[デュエル・マスターズ]]では[[多色]]を推進するシリーズでインフレが起こりやすい」と分析する者もいた。 ***[[戦国編]] [#u370f590] [[戦国編]]では[[バニラ]]の割合が少ないこともあり、全体的な[[カードパワー]]が上昇。 [[《メタルカオス・ドラゴン》]]の性能を大きく上回る[[《ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》]]を始め、[[シノビ]]や[[城]]などの強力な新ギミックが登場し、メタゲームに強く影響を及ぼした。 ***[[覚醒編]] [#hee7fd52] [[サイキック・クリーチャー]]が出現してからは一層激しいインフレに見舞われた。既存の[[コスト論]]を大幅に逸脱した[[サイキック・クリーチャー]]は[[環境]]を激変させ、後のカードデザインにも影響を与えることとなった。「5[[コスト]]で、アドバンテージを稼ぎながらフィニッシャーや複数のウィニーを繰り出す」動きは、それまでメタゲーム上にいた[[【ボルメテウスコントロール】]]が[[ファンデッキ]]と化すほどのゲームの高速化を招いた。 サイキックでないカードを見ても、[[《爆竜 GENJI・XX》]]も[[インフレ]]を象徴する[[カード]]の代表格として語られる。通常、6[[コスト]]の[[クリーチャー]]は[[パワー]]7000の[[W・ブレイカー]]が基準となるが、この[[クリーチャー]]はその[[パワー]]を維持したまま[[スピードアタッカー]]と[[ブロッカー破壊]]の[[アタックトリガー]]を持つ。 恐らくは登場後すぐさま環境を支配した[[《時空の雷龍チャクラ》]]/[[《雷電の覚醒者グレート・チャクラ》]]のメタとしてデザインされたのだろうが、覚醒編以前の[[コスト論]]で考えると[[パワー]]が4000程度オーバーという超ハイスペックなクリーチャーとなっている。 ***[[エピソード1]] [#x44cffc0] 主に[[軽量級]]カードの[[インフレ]]が目立ち、既存カードの[[完全上位互換]]、[[上位互換]]が多数輩出された。 ***[[エピソード2]] [#e5fb9207] 軽量級のインフレした前シリーズに続き、今度は[[ゼニス]]や[[アンノウン]]を中心に、[[ファッティ]]のインフレが目立つ。[[ゼニス]]は10[[マナ]]以上の大型しか存在しない代わりに、[[召喚]]さえすれば絶大な[[アドバンテージ]]を得られたため、[[【ターボゼニス】]]が生み出された。[[《勝利宣言 鬼丸「覇」》]]、[[《偽りの王 ヴィルヘルム》]]などもこのシリーズ出身で、インフレの象徴とも呼べる[[グッドスタッフ]]が多数登場し、[[【ミラクルとミステリーの扉】]]が成立した。 ***[[ドラゴン・サーガ]] [#r0d8786f] 新ギミックの[[ドラグハート]]が登場。[[《銀河大剣 ガイハート》]]は[[《熱血星龍 ガイギンガ》]]に[[龍解]]すると対処が難しい[[アタッカー]]となることで猛威を振るった。[[攻撃]]可能な[[クリーチャー]]が1体でもいれば[[《龍覇 グレンモルト》]]を出すだけで《ガイギンガ》が殴りかかってくるといるゲーム展開を生み出し、ゲーム中盤からの[[高速化]]を招いた。シリーズ終盤に登場した[[《超戦龍覇 モルト NEXT》]]も単体で[[1ショットキル]]を狙えるという爆発力からトップメタに躍り出た。その他のカードも[[カードパワー]]が高いものが多く、環境のインフレが進行したと言われる。 ***[[革命編]] [#f4cf0b0b] ドラゴン・サーガから続くインフレはとどまるところ知らず、それどころかさらに激化したシリーズ。 自力で[[コスト踏み倒し]]ができる[[侵略]]が登場。通常の[[進化]]よりも[[バトルゾーン]]に出しやすく、その[[能力]]も強力な事から[[環境]]を激変させた。特に[[《轟く侵略 レッドゾーン》]]は、[[パワー]]と打点が高い上に、一番[[パワー]]の高い敵獣全てを[[破壊]]する[[cip]]を持つ。このような[[クリーチャー]]が、早ければ3〜4[[ターン]]には[[侵略]]して現れるため、ドラゴン・サーガを差し置いて、[[革命編]]以降の「[[高速化]]」の元凶としてその名が挙がる。 [[S・トリガー]]にインフレし、これまで定番の[[S・トリガー]]であった[[《アクア・サーファー》]]を一気に過去のカードにした。 ***[[革命ファイナル]] [#dfe55470] 多色プッシュということもあって、さらにインフレ。ドラゴン・サーガから3シリーズに渡る過度なインフレは、既存の[[コスト論]]を完全に崩壊させた。 新たな[[コスト踏み倒し]]となる[[革命チェンジ]]が登場し、[[侵略]]と共にインフレ・高速化を象徴する能力としてデュエマの歴史に大きな影響を与える。 「一度出したクリーチャーをノーコストで手札に戻しながら、[[フィニッシャー]]に変換する」動き自体が凄まじく強力。特に[[《蒼き団長 ドギラゴン剣》]]は[[《轟く侵略 レッドゾーン》]]と同等の3〜4[[ターン]]と言う速度で現れながら、[[ファイナル革命]]によって[[多色]][[クリーチャー]]を並べて一気にゲームエンドに持ち込めるなど強力な[[能力]]を持っている。[[《時の法皇 ミラダンテXII》]]は[[ロック]]が強力で、[[コントロール]]においても[[中速]]に近い速さで[[ダイレクトアタック]]に持ち込めるようになった。 ***[[新章デュエル・マスターズ]]〜[[十王篇]] [#y8b7a2f2] -[[新章デュエル・マスターズ]]〜[[双極篇]]では、[[革命編]]から続く[[高速化]]がさらに進むと共に、[[エピソード1]]以上に[[軽量級]]のインフレが目立った。[[双極篇]]では[[ツインパクト]]やその他さまざまなデッキに入るカードが多数登場し、[[汎用性]]の高さにおいてもインフレが顕著になった。特に条件次第でノーコストで[[召喚]]出来る[[《“轟轟轟”ブランド》]]は強力で、この[[カード]]によって最速で2ターンでのゲームエンドも可能というかつての[[環境]]からは考えられないような展開も珍しくなくなった。[[無月の門]]など、[[コスト踏み倒し]]によって登場する大型クリーチャーもさらに増えた。[[《異端流し オニカマス》]]、[[《デスマッチ・ビートル》]]、[[《奇石 ミクセル》>《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》]]などの軽量かつ強力な[[コスト踏み倒しメタ]][[クリーチャー]]が数多く登場し、[[革命ファイナル]]期から続く[[ファイナル革命]]ゲーに歯止めがかかると思われたが、これらは[[《蒼き団長 ドギラゴン剣》]]、[[《時の法皇 ミラダンテXII》]]入りのデッキにそのまま投入されたため、インフレを抑制するには至らなかった。 ***[[新章デュエル・マスターズ]]〜[[双極篇]] [#y8b7a2f2] -[[新章デュエル・マスターズ]]〜[[双極篇]]では、[[革命編]]から続く[[高速化]]がさらに進むと共に、[[エピソード1]]以上に[[軽量級]]のインフレが目立った。 革命ファイナルまで続いたインフレを止めるべく[[軽量級]]の[[コスト踏み倒しメタ]]が続々と登場し、[[メタ]]カードのインフレも顕著だった。 [[双極篇]]では[[ツインパクト]]やその他さまざまなデッキに入るカードが多数登場し、[[汎用性]]の高さにおいてもインフレが顕著になった。特に条件次第でノーコストで[[召喚]]出来る[[《“轟轟轟”ブランド》]]は強力で、この[[カード]]によって最速で2ターンでのゲームエンドも可能というかつての[[環境]]からは考えられないような展開も珍しくなくなった。[[無月の門]]など、[[コスト踏み倒し]]によって登場する大型クリーチャーもさらに増えた。[[《異端流し オニカマス》]]、[[《デスマッチ・ビートル》]]、[[《奇石 ミクセル》>《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》]]などの軽量かつ強力な[[コスト踏み倒しメタ]][[クリーチャー]]が数多く登場し、[[革命ファイナル]]期から続く[[ファイナル革命]]ゲーに歯止めがかかると思われたが、これらは[[《蒼き団長 ドギラゴン剣》]]、[[《時の法皇 ミラダンテXII》]]入りのデッキにそのまま投入されたため、インフレを抑制するには至らなかった。 --その後、超天篇に入る直前には、[[《蒼き団長 ドギラゴン剣》]]と[[《時の法皇 ミラダンテXII》]]が殿堂入りに指定され、その4ヶ月後には[[《“轟轟轟”ブランド》]]も殿堂入りしたため、一時的に事態は沈静化する。 -[[超天篇]]では新たな[[ゾーン]]である[[超GR]]および新タイプの[[クリーチャー]]である[[GRクリーチャー]]が登場。当初は[[準バニラ]]に近い性能のものが中心でそこまで環境で暴れた訳ではなかった。だが[[DMRP-11]]にてマナドライブ5、6の[[GRクリーチャー]]が多数登場。1枚で何枚分もの[[アドバンテージ]]を稼げるカードが登場したために、今度は[[超GR]]による過剰なインフレが生じる。[[《BAKUOOON・ミッツァイル》]]と、それによって大量[[召喚]]された[[GRクリーチャー]]による一方的な[[ソリティア]]・[[ループ]]が行われた([[ミッツァイル・マスターズ]])。その後、《ミッツァイル》が殿堂入りしたが、次は[[《MEGATOON・ドッカンデイヤー》]]と[[《バーンメア・ザ・シルバー/オラオラ・スラッシュ》]]がGRクリーチャーを用いた一方的なソリティア・ループを行う後継者となった。結局のところ、[[メインデッキ]]のどのカードが規制されようとも、[[GR召喚]]による数とカードパワーの暴力は沈静化は見込めなかった。ここまでくると、もはやインフレではなく調整ミスと言った方が良く、GRそのものを廃止すべきという声が上がるほどまでになってしまった。 ***[[超天篇]] [#ae062e49] 新たな[[ゾーン]]である[[超GR]]および新タイプの[[クリーチャー]]である[[GRクリーチャー]]が登場。当初は[[準バニラ]]に近い性能のものが中心でそこまで環境で暴れた訳ではなかった。だが[[DMRP-11]]にてマナドライブ5、6の[[GRクリーチャー]]が多数登場。1枚で何枚分もの[[アドバンテージ]]を稼げるカードが登場したために、今度は[[超GR]]による過剰なインフレが生じる。[[《BAKUOOON・ミッツァイル》]]と、それによって大量[[召喚]]された[[GRクリーチャー]]による一方的な[[ソリティア]]・[[ループ]]が行われた([[ミッツァイル・マスターズ]])。その後、《ミッツァイル》が殿堂入りしたが、次は[[《MEGATOON・ドッカンデイヤー》]]と[[《バーンメア・ザ・シルバー/オラオラ・スラッシュ》]]がGRクリーチャーを用いた一方的なソリティア・ループを行う後継者となった。結局のところ、[[メインデッキ]]のどのカードが規制されようとも、[[GR召喚]]による数とカードパワーの暴力は沈静化は見込めなかった。ここまでくると、もはやインフレではなく調整ミスと言った方が良く、GRそのものを廃止すべきという声が上がるほどまでになってしまった。 GRクリーチャーの影に隠れがちではあるが、[[《生命と大地と轟破の決断》]]を始めとする[[パーフェクト呪文]]や[[《バングリッドX7》]]、[[《その子供、可憐につき》]]を始めとしてカードパワーの底上げも始まっていたと言える。特に、[[《天災 デドダム》]]は後のカードデザインに影響を与える程のインフレをもたらした。 -[[十王篇]]に入ると、再度多色カードがプッシュされ、[[単色]]、[[多色]]共に、純粋な[[カードパワー]]の底上げが目立った。しかし、それは超GRを考慮しなければの話であり、依然として[[超天篇]]のカードによるGRクリーチャーを用いた[[ソリティア]]が続いていた。GRのメタカードである[[《U・S・A・BRELLA》]]、[[《リツイーギョ #桜 #満開》]]も登場したが、[[《斬罪 シ蔑ザンド》]]や[[《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》]]などで容易に対処でき、GRの軍勢を止める抑止力としては弱かった。結局、十王篇はカード単体で見ればインフレはしているが、総力でみればGRのインフレを上回ることができないでいた。[[DMRP-13]]発売からしばらくすると、[[【アンダケインランデス】]]、[[【ダッカルパラノーマル】]]といったGRは使わないが、GRのソリティアを上回るスピードでワンサイドゲームに持ち込める強力なデッキも考案されたが、これらもゲーム性を脅かすものだったため、根本的な解決にはなっていなかった。また、[[DMBD-14]]が発売されると、[[《ヘブンズ・フォース》]]により[[《爆龍覇 ヒビキ》]][[《爆熱剣 バトライ刃》]]を使い、最速2t目に[[《最終龍覇 グレンモルト》]]や十王編後半には[[《∞龍 ゲンムエンペラー》]]といった強力なドラゴンを出す[[【白黒赤ドラグナー】]]が環境トップに躍り出た。ヘブンズフォースを引いていれば最速2t目にゲームの決着がつくのに対し、十王編時点では1コストのメタクリーチャーは存在しなかったため、ドラグナーを使わないプレイヤーは[[先攻]]を取って2t目にメタカードをプレイしなければいけないという[[【“轟轟轟”ブランド】]]以上のスピード感の試合をさせられていた。また、相手のヘブンズフォースに間に合わせるために、相手より早くヘブンズフォースで[[《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》]]などの簡単に処理されないメタクリーチャーを出したり[[《緑知銀 ダッカル》]]や[[《「策略のエメラル」》]]でシールドに[[《凄惨なる牙 パラノーマル》]]を表向きで置したりなどのゲームエンド級の動きを先に押し付ける戦法が流行し、数多のデッキがこの「ヘブンズフォースを使われる前にヘブンズフォースを使う」といった「ヘブフォマスターズ」と揶揄されるほどの高速環境があった。その後、7月1日に[[《MEGATOON・ドッカンデイヤー》]]は[[殿堂入り]]、[[《ヨミジ 丁-二式》]]、[[《マリゴルドIII》]]が一発で[[プレミアム殿堂]]したことにより、GRによるソリティア環境、12月18日に[[《ヘブンズ・フォース》]]や[[《爆熱剣 バトライ刃》]]の一発でのプレミアム殿堂は終わり、[[DMRP-11]]から続いていた過剰なインフレ環境、[[DMBD-14]]から続く類を見ないほどの高速環境から脱却できたのであった。 //''それでプレイヤーが喜んだかは別として。'' //喜びましたよー。 //Twitterとかだと大不評じゃん十王篇… //なら書くべきは「十王篇は反動でデフレした」旨の話で、この文章から読み取れるのは「GRの規制はユーザーにとって喜べるものではなかった」ことのみ。 //ドラグナーの話書いてなくない?ヘブフォヒビキやそれに対抗したヘブフォデッキによる2ターン目のゲームエンドが顕著になった時期では。 ***[[十王篇]] [#u1c11dbd] 再度多色カードがプッシュされ、[[単色]]、[[多色]]共に、純粋な[[カードパワー]]の底上げが目立った。しかし、それは超GRを考慮しなければの話であり、依然として[[超天篇]]のカードによるGRクリーチャーを用いた[[ソリティア]]が続いていた。GRのメタカードである[[《U・S・A・BRELLA》]]、[[《リツイーギョ #桜 #満開》]]も登場したが、[[《斬罪 シ蔑ザンド》]]や[[《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》]]などで容易に対処でき、GRの軍勢を止める抑止力としては弱かった。結局、十王篇はカード単体で見ればインフレはしているが、総力でみればGRのインフレを上回ることができないでいた。[[DMRP-13]]発売からしばらくすると、[[【アンダケインランデス】]]、[[【ダッカルパラノーマル】]]といったGRは使わないが、GRのソリティアを上回るスピードでワンサイドゲームに持ち込める強力なデッキも考案されたが、これらもゲーム性を脅かすものだったため、根本的な解決にはなっていなかった。また、[[DMBD-14]]が発売されると、[[《ヘブンズ・フォース》]]により[[《爆龍覇 ヒビキ》]][[《爆熱剣 バトライ刃》]]を使い、最速2t目に[[《最終龍覇 グレンモルト》]]や十王編後半には[[《∞龍 ゲンムエンペラー》]]といった強力なドラゴンを出す[[【白黒赤ドラグナー】]]が環境トップに躍り出た。ヘブンズフォースを引いていれば最速2t目にゲームの決着がつくのに対し、十王編時点では1コストのメタクリーチャーは存在しなかったため、ドラグナーを使わないプレイヤーは[[先攻]]を取って2t目にメタカードをプレイしなければいけないという[[【“轟轟轟”ブランド】]]以上のスピード感の試合をさせられていた。また、相手のヘブンズフォースに間に合わせるために、相手より早くヘブンズフォースで[[《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》]]などの簡単に処理されないメタクリーチャーを出したり[[《緑知銀 ダッカル》]]や[[《「策略のエメラル」》]]でシールドに[[《凄惨なる牙 パラノーマル》]]を表向きで置したりなどのゲームエンド級の動きを先に押し付ける戦法が流行し、数多のデッキがこの「ヘブンズフォースを使われる前にヘブンズフォースを使う」といった「ヘブフォマスターズ」と揶揄されるほどの高速環境があった。その後、7月1日に[[《MEGATOON・ドッカンデイヤー》]]は[[殿堂入り]]、[[《ヨミジ 丁-二式》]]、[[《マリゴルドIII》]]が一発で[[プレミアム殿堂]]したことにより、GRによるソリティア環境、12月18日に[[《ヘブンズ・フォース》]]や[[《爆熱剣 バトライ刃》]]の一発でのプレミアム殿堂は終わり、[[DMRP-11]]から続いていた過剰なインフレ環境、[[DMBD-14]]から続く類を見ないほどの高速環境から脱却できたのであった。 ***[[王来篇]]〜[[王来MAX]] [#z657efad] -[[王来篇]]に入ると、環境を定義する多色新規カードが多数登場。環境はそれらを使った[[【5色コントロール】]]系統だらけになり、インフレシリーズとなった。一方、単色カードとしては[[《我我我ガイアール・ブランド》]]が活躍しており、全く単色カードに立場の無い環境でもなかった。総合的に見れば、インフレシリーズではあったもののシリーズの中でその時その時に登場したカードに満遍なく出番が与えられたシリーズであり、TCGとしては健全な発展を見せたシリーズと言える。 また、特殊エキスパンションや構築済みデッキにより既存のデッキのサポートカードが拡充され、環境に復権したデッキも多く存在した([[【チェイングラスパー】>【キリコスクリプトループ】]]や[[【無色ジョーカーズ】>【ジョーカーズ】#jfinal]]など)。 また、このシリーズでは軽量カード、特に[[コスト踏み倒しメタ]]の発展が目覚ましい事も特筆に値する。[[《とこしえの超人》]]や[[《若き大長老 アプル》]]といった1〜2コストで広い範囲に影響を与えるカードが登場し、メタる側、メタられる側双方のインフレを加速させた。また、[[G・ストライク]]、[[ジャストダイバー]]の登場も、初動札や[[システムクリーチャー]]の対処難度や役割の範囲を広げた。 [[【JO退化】]]のようにトップメタに立ったデッキも存在はしたが、概ねは多くのデッキが活躍できる群雄割拠な環境であった。 一方で、軽量パワーカードや多くの[[完全上位互換]]の台頭は、それに対処しきれない・迎合できないデッキを環境から淘汰したのもまた事実であった。事実、前環境のトップメタの一つであった[[【バーンメアジョーカーズ】]]は、王来篇時点でほぼ環境から脱落した。 前年度から純粋な[[カードパワー]]の底上げも続いており、[[《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》]]や[[《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ/「未来から来る、だからミラクル」》]]、[[《CRYMAX ジャオウガ》]]は、環境を席巻こそしていないが、強力なカードとして何年も環境に残り続けている。 ***[[ゴッド・オブ・アビス]]〜 [#gd76cbe1] -[[ゴッド・オブ・アビス]]でもインフレは続き、特に[[《アビスベル=ジャシン帝》]]に代表される、既存の[[コスト論]]を覆す強力な能力を持つ[[単色]]クリーチャーの台頭は話題となった。 また、同シリーズでは引き続き[[グッドスタッフ]]の強化も目立ち、[[《龍素記号wD サイクルペディア》]]や[[《ブレイン・スラッシュ》]]などが登場した。 一方で軽量クリーチャーのパワーも底上げが続き、[[《キャディ・ビートル》]]や[[《烈火大聖 ソンクン》]]などのほか、あの[[《絶望神サガ》]]もこのシリーズが出身である。この頃になると、軽量[[システムクリーチャー]]が[[ジャストダイバー]]や各種メリット能力を併せ持った上に[[バニラ]]並かそれ以上のパワーを持つというのは、もはや当たり前になっていた。 -[[アビス・レボリューション]]になると、再び[[ツインパクト]]がプッシュされるように。[[フレンド・バースト]]や[[メガ・ラスト・バースト]]といった新たな能力も生まれ、汎用性の高いツインパクトカードが多数輩出された。非ツインパクトでも[[メクレイド]]や[[革命チェンジ]]の登場、そして[[S・トリガー・プラス]]などによる純粋なカードパワーの向上が見られた。 //-[[アビス・レボリューション]]になると、再び[[ツインパクト]]がプッシュされるように。[[フレンド・バースト]]や[[メガ・ラスト・バースト]]といった新たな能力も生まれ、汎用性の高いツインパクトカードが多数輩出された。非ツインパクトでも[[メクレイド]]や[[革命チェンジ]]の登場、そして[[S・トリガー・プラス]]などによる純粋なカードパワーの向上で、もはや[[コスト論]]という言葉が過去のものになったと言っても過言ではなくなりつつある。 //既存のコスト論が通じないとも言えるのはそうだが、コスト論自体はある。ブレイズクローの上位互換はまだ出ていないし、Napo獅子は自力では龍装チュリスより重い4コストまでしか軽減できない。 **インフレと[[デュエル・マスターズ]] [#g2dab437] トレーディングカードゲームの[[エキスパンション]]が進むにつれてインフレが進むのは当然のことである。[[カード]]の性能がどんどん上がっていかなければ、新しいパックを購入する意義もなくなってしまう。既存の[[カード]]と同じかそれを下回る[[スペック]]の[[カード]]をわざわざ買ってまで使おうとは思わないだろう。時として過去のカードの[[完全上位互換]]が収録されることもそれを示唆している。 インフレによって古い[[カード]]の利用価値が下がる現象は、[[デュエル・マスターズ]]に限らず多くのトレーディングカードゲームで見られる。古参[[プレイヤー]]には少々酷だが、時には新しい[[カード]]の進歩に着目するのもいいだろう。しかし、過度なインフレの進行は[[プレイヤー]]に絶え間ない[[カード]]の買い替えを要求したり、多くのカードの価値を失わせてしまう事になる。こうなると販売店にも[[プレイヤー]]にも不利益を招くので、開発側もカードデザインには細心の注意が要求される。 昔はかなり強力だったのに今は見る影もないという[[カード]]もザラにある。過去に一度デュエマを辞めて、復帰した時にそれに驚愕した経験がある者もいるだろう。 2015年に[[《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》]]が解除された事を皮切りに、[[プレミアム殿堂]]・[[殿堂]]カードが不定期に[[殿堂解除]]されていったが、これらも大半がインフレによって相対的に弱体化したと看做されてのものである。 今や莫大に膨れ上がる[[カードプール]]の中から、[[インフレ]]によって実用性を失ったカードの情報が更新されていないのは珍しくないため、当wikiの「今でもよく使われる」という旨の記述は過去のものである可能性がある。 ただし、インフレしたからと言って、すべてのカードが使い物にならなくなっていくわけではない。新しく登場したカードとの[[シナジー]]が見いだされたり、新登場したギミックのメタとして注目されたり、デメリットや高コストを踏み倒す手段が登場したりして、インフレとは関係なしに評価を上げたカードも多数存在する。 **[[デュエル・マスターズ プレイス]]では [#ya0545ae] プレイスでは、サービス開始当初はTCG版の黎明期とほぼ同じ[[コスト論]]に則っていた。 インフレが目立ち始めたのはサービス開始からわずか4か月後の[[DMPP-03]]から。[[DMPP-03]]~[[DMPP-04]]では[[聖拳編]]を中心に多数のカードが収録されているが、全体的に[[聖拳編]]よりも[[多色]][[単色]]問わず[[カードパワー]]の向上が目立つ。 コスト6で自分の火のドラゴンが1体いるだけで[[スピードアタッカー]]の[[T・ブレイカー]]になれる[[《神滅竜騎ガルザーク》]]、4コストで容易にパワー12000以上の[[T・ブレイカー]]になれる[[《無敵悪魔カースペイン》]]、手札補充と擬似アンタップマナ生成で大量展開の起点となる[[《ダイヤモンド・ブリザード》]]、TCG版より[[能力]]はほぼそのままで5コストになった[[《アルティメット・ドラゴン》]]、7コストでしかも[[《ヘブンズ・ゲート》]]で出せるクリーチャーでありながらパワー18000の[[Q・ブレイカー]]になれる[[《剛撃聖霊エリクシア》]]などなど、[[極神編]]に迫るほどの[[パワーカード]]が続々と登場した。コスト論以上のパワーを持つ[[《無敵悪魔カースペイン》]]、[[《アルティメット・ドラゴン》]]でさえも、[[準バニラ]]であったため大した活躍はできなかった。 [[DMPP-05]]、[[DMPP-06]]では、[[《神滅翔天ザーク・ゼヴォル》]]、[[《聖騎士ヴォイジャー》]]、[[《邪霊神官バーロウ》]]など、デッキのサポートとなるカードにもインフレの影響が見られる。 [[DMPP-07]]の[[フェニックス]]群は下準備こそ必要なものの、早ければ4ターン、安定して5,6ターン目に着地しながら各種[[除去]]、[[S・トリガー]][[耐性]]を得る[[《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》]]や[[《超神星マーキュリー・ギガブリザード》]]、''[[アタックトリガー]]''でシールドを全てブレイクする[[《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》]]と、(幾ら[[デフレ]]期の[[不死鳥編]]とはいえ)TCG版と比べて凄まじいインフレを起こしており、それ以上の速度を持てない、またはそのターン域で妨害できないデッキは活躍することが難しくなっている。 その後、[[New Division]]と[[All Division]]の分離、主なプレイヤーの[[New Division]]への移行もあり、TCG版のインフレの原因である、カードの買い替え需要がインフレに頼らずとも発生。これにより、[[DMPP-07]]([[不死鳥編]])のデッキである[[【グレートメカオー】 (デュエプレ)]]が2年後の[[DMPP-17]]([[エピソード1]])でも変わらず活躍し続ける等、過剰なインフレは抑えられる結果となった。 TCG版で[[殿堂入り]]、[[プレミアム殿堂]]になったカードはほとんどが弱体化調整されて登場している。一方、[[DMPP-15]]以前ではそうでないカードは全体的に同時期のTCG版よりかなり高いカードパワーを持つ傾向にあった。[[DMPP-16]]〜[[DMPP-18]]においてはTCG版のインフレが進んだこともあり、そうした傾向は見られなくなっている。 **参考 [#g2dab437] -[[用語集]] -[[完全上位互換]] -[[パワー]] -[[サイキック・クリーチャー]] -[[コスト論]] -[[聖拳編]] -[[戦国編]] -[[覚醒編]] -[[エピソード1]] -[[エピソード2]] -[[革命編]] -[[革命ファイナル]] -[[超天篇]] -[[高速化]] -[[殿堂解除]] -[[《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》]] -[[《グラディアン・レッド・ドラゴン》]] -[[《爆竜 GENJI・XX》]] -[[ゼニス]] -[[《轟く侵略 レッドゾーン》]] -[[《蒼き団長 ドギラゴン剣》]] -[[デフレ]] &tag(用語集,インフレ);