#author("2023-01-13T18:22:31+09:00","","") #author("2023-03-09T23:48:31+09:00","","") *&ruby(かんきょう){環境}; [#c1184ab5] ある時点(主に現在)での、よく使われている[[カード]]や[[デッキ]]や、それによって形成されるおおまかな試合傾向などのこと。 「''[[メタゲーム]]''」とも呼ぶ。 新たに販売された[[カード]]が実際に大会などで使われるようになると、『実戦で強いプレイングができる/できないカード』『大会上位なるようなデッキに入っている/入る/入らないカード』などが浮き彫りになってくる。 それによって、大会上位ではそれらの[[カード]]を使うための[[コンセプト]][[デッキ]]の構築や、それらにあたった時の対策([[メタ]])となる[[カード]]および[[デッキ]]、さらにはそれぞれの[[プレイング]]までもがある程度固定されてくる。 これらの状況をひっくるめたのが「環境」という言葉である。 例として『強いカード』に[[《蒼き団長 ドギラゴン剣》]]を挙げると、 -[[《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》]]と組み合わせるのが強いので、[[《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》]]もよく使われるようになる。さらにそれらに繋がるカードもよく使われるようになる([[【赤黒ドギラゴン剣】]]。あくまで一例) -実際のゲームでも[[《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》]]から[[革命チェンジ]]して[[《蒼き団長 ドギラゴン剣》]]を出す[[プレイング]]が主流になる -対策カードとして[[《制御の翼 オリオティス》]]がよく使われるようになる -[[革命チェンジ]]先として《ドギラゴン剣》に爆発力で劣る[[《行くぜ団長!ドギラゴン》]]や、スピードの関係で[[【赤黒ドギラゴン剣】]]に先にとどめを刺されてしまう[[【ターボゼニス】]]およびその関連カードは使われなくなる //個々の環境にあまり詳しくない者が書いた項目なので、より適切な例があれば差し替えてください など。このように、強い[[カード]]が1枚でも[[カードプール]]に参入するだけで、[[デッキビルディング]]から[[プレイング]]まで多方面に影響を及ぼす。 [[ゲーム]]の目的が勝利である以上、プレイヤーはより勝利に直結するカードや情報を求める。 そのため、''環境とはプレイヤーが形作るものであるのと同時に、プレイヤーが目指すべきもの''でもある。[[カードプール]]や環境をよく把握し、強いデッキを作り上げることは、より確実に勝利を手にすることに繋がる。 -その時点で最もよく使われているカードやデッキタイプを指し「環境を支配している」などと言われる。もっと略して「この[[カード]]/[[デッキタイプ]]は環境」と言うだけで伝わることもある。 -[[カードプール]]が変化すると、1枚でも影響を与えうるような[[カード]]が何枚も登場するため、環境も大きく変化する。 また、上にもある通り[[カード]]の強さや強い[[プレイング]]は実際に使われて初めて分かる部分もあるため、[[カードプール]]の変化によってすぐ環境が固定されてくるとは限らない。上位カードを使うデッキの派生デッキの一部や、[[【ジョバンニスコール】]]などのように、プレイヤー間の研究によって次第に頭角を表すデッキタイプも存在する。この影響で、環境はゆるやかに変化していく部分もある。 -[[カード]]がよく使われるようになることを「環境入り」、あまり使われなくなることを「環境落ち」と言う。環境は常に変化しているため、これらはかなりの頻度で発生する。 -環境を意識しながら、枚数の制限のあるデッキに入れるカードを選別するということは、試合中の駆け引きにとどまらず、その試合が始まるよりも前の段階から駆け引きが発生しているとも言える。『メタゲーム/meta((「超越した」、「高次の」といった意味)) -game』という語はこの様子を指した語となっている。 **「メタ」との関係性について [#f7e2045e] 『環境』は別名『[[メタゲーム]]』とも呼ばれる。 ここから派生して、環境での使用率が最上位クラスのカード(特に[[フィニッシャー]])またはデッキを『トップメタ』と呼ぶ。 『メタカード』『メタデッキ』という語もあるが、これは1つは上述の『トップメタ』と同義である他、そのトップメタに対策ができる『対策カード・デッキ』の意味で使われることもある((先の意味では『トップメタ』という語があるため、強いてこちらの語を使う場合は対策の話である場合が多い))。また、こうして対策をすることを『メタる』とも呼ぶ。 そして、この『メタゲーム』『トップメタ』『メタカードorメタデッキ』『メタる』の''いずれも『メタ』と略されることがある''。 聞いている・読んでいる側からすれば、『メタ』という言葉だけでは環境に関連のある話であるところまでは判るだろうが、上の通り多義的で紛らわしいため、なるべく適切な言い換えを行いたい。 **「環境ではないカード」について [#yc5051ab] 環境を基準に考えると、あらゆるカードはおおむね以下のように分ける事ができる。 +強い[[フィニッシャー]] +強い[[フィニッシャー]]を支える、相性の良い[[カード]] +それらを支えられるような土台となる、[[汎用性]]の高い[[カード]]([[必須カード]]) +それらよく使われるカードへの対策ができる[[カード]]([[メタカード]]) +(1.~4.に対し)[[スペック]]やポテンシャルは十二分だが環境的に活躍しづらいカード +1.~5.の[[下位互換]]とまではいかないものの、[[差別化]]点が弱かったりスペックが低かったりして扱いづらいカード +1.~6.のカードに勝る点がなく、差別化ができないカード([[下位互換]]) いわゆる『環境カード』、すなわちよく使われるカードは1.~4.が該当する。 しかし、新たな[[エキスパンション]]が発売された時、収録されるカードはそのようなカードばかりではなく、登場時点で5.~7.に該当するカードが必ず存在する。これらは『環境ではないカード』と言える。 また既存のカードも、たとえそれがかつて環境にあったカード(1.~4.)であっても、新たなカードの登場などによって5.~7.に該当するようになってしまう(環境落ちする)のは非常によくある事である。これは[[インフレ]]という言葉でも表される。 ---- 勝利を求め、環境を強く意識するプレイヤーは、環境ではないカードを意図的に忘れることがある。 そのほうが、強いカードのみに集中してコンセプトを組んだり、対策を練ったりしやすいからである。 その時点で使えないカードをわざわざ考慮に入れなくとも、勝ちに直結するためのカードだけに焦点を絞ることで、思考を効率化することが可能。 ……と書くのは簡単だが、実情はもっと複雑である。 上に挙げたうち5.と6.は、これまた[[カードプール]]の拡充やプレイヤーの研究などによって、相性の良い[[カード]]や、弱点を補完できる[[カード]]などが発見され、突然環境入りすることがある。 ある時点での環境上位ばかりを見据えていると、[[ファンデッキ]]や[[地雷]]から''思わぬしっぺ返しを食らう''というケースは往々にして起こりうる。 また、環境を意識するプレイヤーは、環境カードとそうでないカードをはっきりさせようとして、特に5.~7.のようなカードを過小評価・酷評してしまいがちである。 そのようなプレイヤーに対し、「環境は常に変化しているので『弱い』とは言い切れない」「いずれ環境の変化によってしっぺ返しを喰らう」と言い返すこともできるが、そもそもの話として''環境がデュエル・マスターズの「全て」ではない''。 TCG(トレーディングカードゲーム)である以上、[[カードイラスト]]や[[フレーバーテキスト]]、大小のレア[[カード]]のコレクションなどの要素は存在する。あるいはより確実な勝利に直結しなくとも、自分が好きな[[種族]]・コンセプトが活躍するような[[ファンデッキ]]、もしくは面白い動きをする[[コンボデッキ]]などで遊ぶ、といったように、環境や強さを意識する以外にも、[[デュエル・マスターズ]]の楽しみ方はいくらでも存在する。 大会は[[デュエル・マスターズ]]の楽しみ方の中では非常に大きな部分ではあるものの、環境目線だけでカードを過度にマイナス評価するのは、それ以外を楽しんでいるプレイヤーとのコミュニケーションにおいて問題を起こしかねない。くれぐれも言葉選びには気をつけたいところ。 大会は[[デュエル・マスターズ]]の楽しみ方の中では非常に大きな部分ではあるものの、「使いにくいから」、逆に「強すぎるから」等、環境目線だけでカードを過度にマイナス評価するのは、それ以外を楽しんでいるプレイヤーとのコミュニケーションにおいて問題を起こしかねない。くれぐれも言葉選びには気をつけたいところ。 //-[[チャンピオンシップ]]や[[公認グランプリ]]といった競技性の高い大会の活発化から、[[カード]]の評価も大規模大会で使われなかったり、一時は使われていたが弱点の露呈等ですぐに廃れていったりしたものは軽視・過小評価・酷評されがちになってきているが、当然ながら''メタゲームで使われている[[デッキ]]や[[カード]]が[[デュエル・マスターズ]]の「全て」ではないし、「メタゲームで使われていない」と「弱い」は本来であればイコールのものではない。''それ以外にも目を向けてみるのも、楽しみの一つである事を覚えておこう。 //--事実、[[革命ファイナル環境]]においては今まで[[地雷]]止まりであった[[【ジョバンニスコール】]]が突如として[[トップメタ]]の一角に現れている。環境上位ばかりを見据えていると[[ファンデッキ]]や[[地雷]]から思わぬしっぺ返しを食らうだろう。 **参考 [#eaeaefef] -[[用語集]] -[[メタゲーム]] -[[デッキ・カードプールの変遷]] &tag(用語集,環境);