#author("2024-04-12T12:27:05+09:00","","") #author("2024-05-09T22:15:47+09:00","","") * 待機状態 [#y9d78531] 総合ルールに登場する用語。 「シールドゾーンにあるカードが手札に加わる時、確認され[[S・トリガー]]の[[使用宣言]]を行うまでの状態」を示す。 -長らく総合ルールに登場していなかった「[[シールドチェック]]」に相当する用語と見ることができる。[[シールドチェック]]自体は昔から公式媒体で使われていたもののため、当ページでは待機状態特有の現象について説明する。 -[[誘発型能力]]の待機については「[[待機]]」のページを参照。 **ルール [#wf8554ac] [[ブレイク]]及び[[シールドチェック]]そのものの流れについてはそちらの記事を参照。ここでは[[S・トリガー]]を使用宣言する上で待機状態が関わる部分を特筆する。 -待機状態のカードは、''[[シールドゾーン]]にある''カードとして扱うが、''[[シールド]]の数''や、''シールドゾーンのカードの枚数''には''含まない''。(113.6a) --シールドゾーンで働く常在効果(例:[[《正義ノ裁キ》]])は、待機状態でも効果を発揮する。(113.6d) --シールドの数に含まないので、[[スーパー・S・トリガー]]は元々のシールド枚数が何枚でも、0枚になるようにブレイクされたら[[スーパー・ボーナス]]が使える。 --シールドの数を参照する[[常在型能力]]や[[状況起因処理]]は、常にシールドの枚数を監視し続け、待機状態になったらすぐにその変更が反映される。 ---[[《ヤミノリミット》]]は、ブレイク後にシールドが4枚以下になるなら、それらが待機状態になった時点でシールドの数に含めなくなるため、[[S・トリガー]]を封じる効果を失う。この場合、[[S・トリガー]]の宣言ができる。 同様に待機状態中、[[《命運の守護者ティオス》]]の[[パンプアップ]]はブレイクされているシールドを含めずに数える。例えばシールドがブレイクされて0枚になった場合、《ティオス》は[[S・トリガー]]を使う前に破壊される。 --[[メクレイド]]や[[《蒼き守護神 ドギラゴン閃》]]の、「山札に属するが、山札のカードとして数えない」挙動に近い。ただし、現状こちらは待機状態とは呼ばれていない。 -自分自身や他のカードに[[S・トリガー]]を与える能力は、その発生源によって挙動が変化する。 --「''シールドゾーンのカードに''[[S・トリガー]]を与える能力」(例:[[《レオ》]]、[[《雪精 エリカッチュ》]])は、''待機状態になる前の状況を見てS・トリガーを与えられるかが決定する''。(113.6b) つまり、シールドの枚数やその他の状況について、ブレイクされる直前の状況を参照する。 ---ブレイクされるまではシールドが2枚より多かった場合、ブレイクの後にシールドが何枚になるとしても、[[《レオ》]]は[[S・トリガー]]を付与できない。 ---ブレイクされる前、バトルゾーンに[[《命運の守護者ティオス》]]2体のみがいるとき、自分のシールドが全てブレイクされた。シールドが待機状態になった時点で《ティオス》は破壊されてしまうが、その直前までは光のクリーチャーが2体いたため、[[《監獄呪文「ピカビム」》]]の[[シビルカウント]]2は条件を満たす。 ---総合ルール110.4c((発揮されるゾーンが書かれていない「S・トリガー」を得る能力では、「シールドゾーンにあるそのカードに」を付け加えて読むという内容。))との複合により[[革命]]とは無関係な一部のカードでもこの裁定が利用されることがある。 #region2(かなり限定的な場面なので格納){{ 自分のクリーチャーに[[《命運の守護者ティオス》]]と[[《神々の地 ディオニソス》]]がある。ここで自分のシールドがすべてブレイクされると、待機状態に入ると同時にシールドゾーンのカードが0枚扱いとなって《ティオス》がパワー0になり[[破壊]]されるのを[[マナ送り]]に置換される。待機状態に入る前の状況では[[《新星!ベルナーレ》]]の[[マナ武装]]を達成していないが、待機状態に入ってから[[マナ武装]]が達成される可能性がある。 しかし、「手札に加えるカード」という書式ではないものは[[シールドチェック]]の前の状況で達成できていないといけないため、[[《新星!ベルナーレ》]]は[[S・トリガー]]を持たないまま手札に加えられてしまう。 }} --「''シールドゾーンから手札に加えるカード''に[[S・トリガー]]を与える能力」(例:[[《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》]]、[[《九極革命 デュエゼウス》]])は、''待機状態になった後の状況を見てS・トリガーを与えられるかが決定する''。(113.6c) ---[[《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》]]は、ブレイクの前にいくつシールドがあったとしても、待機状態になった時点でシールドが2つ以下であれば、[[S・トリガー]]を得る。 ---バトルゾーンに相手の[[《殲滅の覚醒者ディアボロス Z》]]、自分の[[《九極革命 デュエゼウス》]]と[[《命運の守護者ティオス》]]4体がいて、シールドは6つある。 この時、自分のシールドが2つブレイクされて4枚になり、4体の《ティオス》が全て破壊された。 ブレイクされるより前の時点では4体以上のクリーチャーがいたが、待機状態になると同時にバトルゾーンのクリーチャーは1体になってしまった。この場合、《デュエゼウス》は[[S・トリガー]]を与えることができない。 //-[[《王龍ショパン》]]や[[《氷柱と炎弧の決断》]]など、待機状態前の状況と待機状態中の状況で変化がない先を見るのであれば、特に意識しなくても待機状態中の状況を見る簡略処理で問題ない。 //墓地もバトルゾーンも待機状態中に変化するという話を上の《「ピカビム」》でしたばかり これに明確に当てはまる例はほとんどないので、わざわざルールから外れた処理のことを特記する必要がない -[[デュエル・マスターズ プレイス]]の処理(([[革命]]2で[[ブレイク置換効果]]が有効になる[[《暗黒鎧 ヘルミッション》]]より。))を参照すると、[[シールド・セイバー]]などシールドからカードが離れることへの[[置換効果]]が発揮されるのは待機状態になる前。 --確かに、「待機状態」とはブレイクで開始されていれば[[S・トリガー・プラス]]の「そのターン中に自分のシールドが2つ以上ブレイクされている」に含まれることになっているため、[[ブレイク置換効果]]はブレイク以外のことに変化させてブレイクそのものは発生していない扱いとなるため、理にかなっている。また、[[シールドチェック]]でカードの中身を見る前に、裏向きのまま[[シールド・セイバー]]や大型[[城]]の対象移し替えの宣言をするのが普通ということからも、待機状態になる前という部分の正当性になっている。 ***不明確な裁定 [#z6fe3d51] シールドゾーンのカードに影響を与える、もしくはシールドゾーンのカードを参照する[[常在型能力]]は、どのタイミングで効力を失うのか。 -[[《聖板龍 ジークシュトルツ》]]が[[無視]]している表向きのシールドは、どのタイミングで効果を取り戻すのか。(待機状態中に取り戻すとするなら、待機状態のカードに「表向き」という情報は持たず、入った時点で裏向きとして扱うのか。) --[[S・トリガー]]や[[G・ストライク]]を付与するカードがある時、表向きのシールドに付与された[[S・トリガー]]や[[G・ストライク]]は使えるか。 使えるとすると、「シールドゾーンにあるカード」と「シールドゾーンから手札に加える時」のテキストの違いで使えるかの差は生まれるか。 //-[[《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》]]が[[《白騎士の開眼者ウッズ》]]を[[シールド・フォース]]の対象としている場合、[[《星龍の記憶》]]で[[S・トリガー]]を得ているその《ウッズ》を手札に加えた場合、《パーフェクト・ギャラクシー》を[[ブロッカー]]として進化元にできるか。 //--→できない。実際に《ウッズ》を召喚するのは待機状態が終わり、完全に手札に加わった後カードを1枚ずつ使っていくタイミングなので、必然的に疑問は発生しない。 **その他 [#x5f014f3] この「待機状態」という用語は、かつて[[《レオ》]]及び[[《正義ノ裁キ》]]の矛盾した裁定により起きた混乱が発端となり、総合ルールに記載された経緯を持つ。 #region2(詳しく){{ このルール制定以前、[[シールドチェック]]中のシールドは全てのカードで「シールドゾーンにあると見做さない」裁定だった。また、総合ルール113.6b及びcは存在せず、[[S・トリガー]]宣言する上では「シールドゾーンから手札に加える時」と「シールドゾーンにある時」にテキスト上の差がなかった。 //シールドチェックを介さない場合は違いが存在する。 //「シールドゾーンにある」状態で[[S・トリガー]]を持つことを意味するテキストだと[[《楯神の賢者レオルド》]]で[[シールド焼却]]されるが、「シールドゾーンから手札に加える」状態で[[S・トリガー]]を持つテキストは[[シールド焼却]]されない。 この裁定に基き、[[《雪精 エリカッチュ》]]の旧裁定、[[《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》]]の裁定、[[スーパー・S・トリガー]]や[[《ヤミノリミット》]]の裁定は全て統一されたものとなっていた。 [[ブレイク]]のルール変更で一度に全てのシールドがブレイクされるようになった際、今までは例えばシールドが5つの状態でT・ブレイクされたら、最後の3回目のブレイク(3つ→2つになる瞬間)だけが[[《雪精 エリカッチュ》]]を[[S・トリガー]]として使える瞬間だったが、同時ブレイクになってからはT・ブレイクのどこに存在してもS・トリガーとして使えるようになる強化を受けることになった。 また、[[《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》]]が『ブレイクされた後にシールドが2枚以下なら[[S・トリガー]]を使える』という裁定には[[《雪精 エリカッチュ》]]が類例として示されていた。《熱血の物語》は途中で「シールドゾーンにあるこのカードに」から「シールドゾーンから手札に加えるこのカードに」へ[[エラッタ]]されているが、この際にも同じ裁定が変わらず使われていた。 他に、[[《聖板龍 ジークシュトルツ》]]が[[《暗獅連結 グレイテスト・ネルザ》]]によって付与された[[G・ストライク]]を無視できない裁定も、[[シールドチェック]]時に一律でシールドゾーンにないとするこの時点ではルール的におかしな点はなかった。 [[2023年11月17日>公式Q&A 2023年11月17日更新版]]に、[[《正義ノ裁キ》]]に関して、『[[シールドチェック]]の最中でも「シールドゾーンにある時」の[[常在型能力]]が有効』という公式Q&Aが掲載された((実はこの時点で上記の《ジークシュトルツ》と矛盾が発生していたのだが、この裁定が《正義ノ裁キ》にとっては純粋なアッパーであったこと、また他のカードに影響しないと考えられていたことから、当時はそれを指摘する者はほぼいなかった。《ジークシュトルツ》《グレイテスト・ネルザ》が共にマイナーなカードでこの裁定自体の知名度が低かったのも原因として考えられる。))。 その後、[[2024年1月19日>公式Q&A 2024年1月19日更新版]]に問題となった[[《レオ》]]が『[[S・トリガー]]はブレイクされる前の盾が2枚より多いと使えない』という裁定が公開。同日、《熱血の物語》の同条件で『S・トリガーが使える』とされた裁定が削除され、大きな混乱を招いた。 前日の[[2024年1月18日>公式Q&A 2024年1月18日更新版]]に上記の《正義ノ裁キ》の裁定を追認するQ&Aが掲載されていた事もあり、これら3カードにルール上の差異はないと考えられていた当時は「ブレイク前の数を見る」方針で統一されたと見られていた。 しかしこの裁定をそのまま鵜呑みにするとあまりにも多くの矛盾が起きることが指摘され((一例を挙げると、「[[スーパー・S・トリガー]]はブレイク前の数を参照するので絶対に[[スーパー・ボーナス]]が使えない」「[[《ヤミノリミット》]]はブレイクする前にシールドが5枚以上あれば、たとえ[[ワールド・ブレイカー]]の攻撃でも全ての[[S・トリガー]]を封じる」など。))、その影響を受けてか公式は謝罪文と共に上記の《熱血の物語》の裁定を再公開した(ただし、その際に[[《雪精 エリカッチュ》]]を類例とする記述が削除された)。 元通りかと思いきや今度はこうして再公開された裁定が結局他のカードらと矛盾を抱えたままだと話題になり((「《ジークシュトルツ》の上記の裁定が[[S・トリガー]]の宣言タイミングを「シールドゾーンを離れた後」と定義してしまったせいで、「シールドゾーンにある間」に効力を発揮する《正義ノ裁キ》や[[《氷柱と炎弧の決断》]]が[[S・トリガー]]として使えない」という説や、「シールドゾーンにありながらシールドとして数えない矛盾から、実は[[シールドチェック]]でも[[保留状態]]が発生する」という説などが提唱された。後者については、保留状態とは扱わないものの実際に「待機状態」として似たようなルールが制定されたのだが。))、多くの疑問を抱えたまま[[超CS]]を迎える事態に。超CSやその他各地の[[公認大会]]では、この裁定に関してフロアジャッジによる暫定回答がアナウンスされる事もあった。 2024年2月15日に総合ルールが[[更新>https://dm.takaratomy.co.jp/rule/rulechange/316661/]]され、待機状態の制定という形でほぼ全ての疑問が解消された。翌日[[2024年2月16日>公式Q&A 2024年2月16日更新版]]にて待機状態に関するいくつかの裁定がよくある質問に掲載され、約1か月をかけて事態は終息を迎えた((厳密には《ジークシュトルツ》のみ未解決な不明点があるが、古いよくある質問の矛盾点に過ぎないので[[不明確な裁定一覧]]で扱う。))。 }} **参考 [#yca19af8] -[[用語集]] -[[シールドゾーン]] -[[ブレイク]] -[[シールドチェック]] &tag(用語集);