#author("2024-10-31T17:46:22+09:00","","")
#author("2024-11-27T16:39:36+09:00","","")
*バニラ [#p258c25d]

[[能力]]を持たない[[カード]]のこと。
「バニラ[[クリーチャー]]」「バニラ[[カード]]」とも呼ばれる。

デュエマに限らずTCG全体に通ずる俗称であり、「[[カード]]の[[テキスト]]欄に何も書かれていない→[[テキスト]]欄が真っ白→バニラ」または「バニラアイスクリームのように基本的でシンプル」という流れで名づけられた説が有力。

[[カード]]内では「[[カード]]に[[能力]]が書かれていない[[クリーチャー]]」と表現されている。

|不死身男爵ボーグ C 火文明 (2)|
|クリーチャー:ヒューマノイド 2000|

|氷菓の超人(バニラ・ジャイアント) C 自然文明 (4)|
|クリーチャー:ジャイアント/アンノイズ 5000|

[[パワー]]と[[種族]]以外に評価できるポイントが存在しないため、多くの[[デッキ]]では敬遠される。強いて言えば[[デメリット]]が無い事が[[メリット]]、[[メリット]]が無い事が[[デメリット]]と言えるだろう。

見方を変えれば、文章欄に何も書かれていないという事は「複雑な[[効果]]を考える必要がなく、基本[[ルール]]における[[カード]]の役割・用途などを把握しやすい」という事でもある。そういう性格の[[カード]]が今もなお収録され続けているのは、ある種の「初心者向け」と言えるかもしれない。

長らくハズレ[[カード]]として扱われてきたバニラだが、[[エピソード2]]で[[《アクア・ティーチャー》]]や[[《駱駝の御輿》]]が登場すると、物量に物を言わせる[[【バニラビート】]]という[[デッキ]]が組めるようになった。ただし、[[《メテオレイジ・リザード》]]のような、コストも高い上にパワーもそのコストに見合っていないような[[カード]]が救われることはないだろう。

2〜4[[コスト]]のバニラならば、下手な能力しか持たない[[カード]]より実用性のあるカードになれたと言える。サポート[[カード]]も数を増やしており、今後もバニラの躍進に期待がかかるところである。

**ルール [#k9cbc81c]
-[[ブロッカー]]、[[パワーアタッカー]]、[[W・ブレイカー]]などの[[キーワード能力]]は、たとえその注釈文がなくても[[能力]]として扱うため、これらだけを持っているカードは「[[カード]]に[[能力]]が書かれていない[[クリーチャー]]」ではない。
--[[DMX-22]]版の[[《ファンタジー・フィッシュ》]]はアイコンしかないが、能力が書かれている扱いになる。

-''「[[マナゾーン]]に置く時、この[[カード]]は[[タップ]]して置く」しか[[テキスト]]に記されていない[[多色]][[クリーチャー]]は「[[カード]]に[[能力]]が書かれていない[[クリーチャー]]」として扱う''。
--これは『多色カードはタップしてマナゾーンに置く』という性質が、[[聖拳編]]での初登場から2018年12月のルール変更までは「能力」の扱いだったのが、改定により「多色カードは[[マナゾーン]]に[[タップイン]]する」事が[[ルール]]として定められたため。

-間違われやすいが[[ソウル]]は[[能力]]ではない。そのため、[[《キュート・ウィスパー》]]や[[《究極男》]]など、[[ソウル]]を持つバニラも「[[カード]]に[[能力]]が書かれていない[[クリーチャー]]」として扱われる。[[《プロメフィウスα》]]に関しても同じ。

-[[注釈文]]は能力ではないため、[[注釈文]]しか書かれていない場合も、「カードに能力が書かれていない」ものとして扱われる。[[《ゾンビポンの助》]]がこれに当たる。

-[[《ギル・ポリマのペンチ》]]は「[[カード]]に[[能力]]が書かれていない[[クリーチャー]]」として扱われる。これは[[ルール]]を説明するための[[注釈文]](ゲーム開始時、[[サイキック・クリーチャー]]は[[山札]]には含めず、自分の[[超次元ゾーン]]に置き、[[バトルゾーン]]以外の[[ゾーン]]に行った場合、そこに戻す)を[[能力]]として扱わないためである。

-バニラサポートの[[能力]]の[[テキスト]]は、[[《神帝スヴァ》]]と同様、実際の[[カード]]に書かれている文字(バニラの場合は何も書かれていない[[テキスト]]欄)を参照するため、[[サバイバー]]や[[ダイナモ]]などで[[能力]]が[[付与]]されていてもサポートを受けることができる。
-[[《激竜王/ガイアール流激烈竜王破・滅》]]などの[[ツインパクト]]の場合、[[呪文]]側には[[能力]]が書かれているが、クリーチャー側がバニラである場合は「カードに能力が書かれていないクリーチャー」として扱う。
-[[《激竜王/ガイアール流激烈竜王破・滅》]]などの[[ツインパクト]]の場合、「能力が書かれていないクリーチャー」なので[[《純白設計図》]]や[[《神聖祈 パーロック》]]で拾えるが、「能力が書かれている''カード''」なので[[《バニラ・ゾーン》]]には引っかからない。

**その他 [#z07c5d68]
-[[デュエル・マスターズ]]において、バニラは長らくの間「穴埋め」「ハズレ」として冷遇されてきた。[[デュエル・マスターズ]]では強力な[[能力]]持ち[[クリーチャー]]もバニラも、[[召喚]]するには等しく限りある[[マナ]]が必要であり、さらにライフポイントのような概念もないため、[[パワー]]の大きさよりも[[マナコスト]]に対する(能力、稼げるアドバンテージの)[[コストパフォーマンス]]が他のTCG以上に重視されてきたためである。
例えば、[[《白銀の牙》]]と[[《青銅の鎧》]]のどちらが使用率が高かったかを見れば、自ずとこの話は分かるだろう。
--慣れたプレイヤーからは、バニラが多い拡張パックはパックそのものも敬遠される。逆にバニラの少ない、収録されていないパックは比較的よく売れ、特に[[DM-26]]はハズレなしの最強セットとも呼ばれた。
--拡張パックはカードくじとしての側面も持つため、「強力な[[カード]]の引き立たせ役」との見方もある。この役割はバニラに限らず、[[準バニラ]]なども含めた「カードパワーの低いカード」全体に当てはまる話である。
//--革命編からパック全体の収録枚数が増えたのだが、そのころから数合わせにしか見えないバニラや既存カードの下位互換が増えたため、この収録枚数の増加そのものに否定的な意見が多い。
//--なお[[DM-38]]から、すべての通常エキスパンションに[[準バニラ]]ですらない、完全なる[[バニラ]]が収録されている。
//--現在では後述の[[フレーバーテキスト]]遊びやバニラサポートが充実してきたため、少しずつ待遇は良くなっていると言える。

-MTGの開発が初心者救済のために一定数のバニラを収録していると述べたこともあり、DMのバニラも初心者救済のためと解釈されるときもあるが、初心者向け[[構築済みデッキ]]とされるスタートデッキですら、年々強化されると同時にバニラがそのまま収録される事が減ってきている。
--一方で[[コロコロコミック]]に付録としてついてくる[[デッキ]]ではバニラは未だ現役である。

-パワーが高いクリーチャーは[[W・ブレイカー]]等をもち[[準バニラ]]になることが多いため、高コストほどバニラは少なくなる。
--2023年時点では、1〜7[[コスト]]にバニラが存在する。

-[[超次元ゾーン]]の[[クリーチャー]]は[[覚醒]]や[[解除]]、[[W・ブレイカー]]など何らかの[[能力]]が与えられるケースが非常に多いため、バニラは非常に少ない。
--[[覚醒]]後の[[解除]]を持たない[[サイキック・クリーチャー]]や、[[龍解]]後の[[ドラグハート・クリーチャー]]はバニラとして誕生する余地はあるが、現時点ではそのような[[クリーチャー]]は存在しない。
--上述の通り[[《ギル・ポリマのペンチ》]]はバニラとして扱われる。

-文脈によっては[[W・ブレイカー]]や[[T・ブレイカー]]などは「[[能力]]」とは見なされないことがある。
この流れで[[《暗黒の騎士ザガーン》]]など単純な[[能力]]しか持たない[[クリーチャー]]を「バニラ」「[[W・ブレイカー]]持ちバニラ[[クリーチャー]]」と呼ぶこともある。ただし、この場合は[[準バニラ]]と呼ぶ方が的確。

-かつては、能力がない分[[パワー]]の高さに優位性があり、[[軽い]]ものならば[[進化元]]や[[シンパシー]]要員として採用が検討できた([[《アクア戦闘員 ゾロル》]]など)。また、[[コスト]]に対して[[パワー]]が高く設定されている[[《予言者クルト》]]、[[《無垢の面 ラニヴ》]]、[[《破界の右手 スミス》]]などの評価も高かった。しかし、現在は[[インフレ]]の影響で、パワーの高い[[能力]]を持ったクリーチャーが登場したため、その優位性は崩壊しつつある。

-[[DM]]初期からバニラの[[パワー]]はマナコスト×1000を基準に作られていたようである。([[コスト論]]も参照)
--設定上[[パワー]]が低いとされる[[水]]や[[闇]]のバニラは[[パワー]]が1000低いことがある。それに加え、[[《シザー・アイ》]]、[[《汚れた者スケルトンソルジャー》]]など[[種族]]まで冷遇された[[カード]]もある。
--インフレが進み、今度は[[自然]]や[[光]]に[[《光撃巨兵レーザリオン》]]や[[《霊騎デュナス》]]など、さらに500や1000上がっているものが登場した。[[戦国編]]以降顕著。
--ちなみに[[コスト]]2には、上記のインフレやのジョーク[[カード]]等の登場で、全[[文明]]に2000を超えるバニラが存在していることになる。
---例: [[《電子の使徒バルアサッテ》]]([[光]])、[[《デュエマン》]]([[水]])、[[《ザ・ブラック・ボックス》]]([[闇]])、[[《巳年の強襲者 コブラ》]]([[火]])、[[《雪精 ステッキ》]]([[自然]])

//-しかし現在では、[[マナコスト]]×1000[[パワー]]程度のバニラ[[クリーチャー]]の採用率は下がっている。上述の[[インフレ]]により、[[バニラ]]内のパワー格差が大きくなってきたことが原因。
//--ただし高速で出せる1[[コスト]]バニラなら、逆にそれよりパワーが低い[[《予言者クルト》]]等も採用が検討される。
//--また、[[種族]]が優秀ならばパワーが[[マナコスト]]×1000程度でも採用される例は多い。例えば、[[《番長大号令》]]でサーチできる[[ハンター]]のバニラは3コスト3000であっても重用されるケースがある。[[《ベイB ジャック》]]での大量展開から[[《伝説の正体 ギュウジン丸》]]や[[《サイバー・J・イレブン》]]に繋げる[[コンボデッキ]]がこれに該当する。

-[[ドラゴン・サーガ]]で登場した[[リキッド・ピープル閃]]は、弱者に知識を与え、護るために生み出されたヒーローという設定を持つ。それを反映してか、[[リキッド・ピープル閃]]や関連種族である[[クリスタル・コマンド・ドラゴン]]にはバニラと相性のいいカードがいくつか登場した。

-唯一他のカードに勝っている『文章欄の余白の多さ』を利用して、長大な[[フレーバーテキスト]]が書かれることも増えた。[[《パーロック》]]やその関連カードを皮切りに、[[エピソード2]]以降はその傾向が顕著となっている。
--[[フレーバーテキスト]]上では、バニラは「非力」や「無力」といった言葉、あるいは成長前の未熟な状態と表現されることが多い。

-「バニラ」は当初はプレイヤー間での俗称であり、公式のルールブック等にも記載されていないが、雑誌等のメディアで用いられることも多く、半ば公式化している。
--[[コロコロコミック]]の[[DMR-05]]紹介付録では[[《希望の親衛隊ラプソディ》]]と[[《カムバック・マイ・パーロック》]]にこの語が使用されている。また、店頭で配布されている[[DMR-05]]の攻略ガイドでも[[《希望の親衛隊ラプソディ》]]に対してこの用語が使用されている。その後、[[DMD-17]]でもこの用語が使用された。アニメ「VS」第5話では[[滑川 ナメヒコ]]が使う[[【バニラビート】]]に対して勝太が「バニラ」という言葉を使用し、アニメ「デュエル・マスターズ!!」ではナレーションが[[《The カップラー漢》]]を「バニラ」と呼んでいる。
--[[DMX-22]]で[[《バニラ・ゾーン》]]という[[呪文]]が収録されるなど、公式でもバニラという用語は[[ドラゴン・サーガ]]や[[革命>革命編]]あたりからより定着している。

-[[《偉大なる無駄》]]などの[[効果]]のない[[呪文]]はバニラ[[呪文]]、[[《幽鬼ギザノッコ》]]など効果のない[[オレガ・オーラ]]はバニラ[[オーラ]]と呼ばれることも多い。
これらのカードも[[《バニラ・ゾーン》]]でマナゾーンに置くことができる。
--ただし、後者はデッキ名の[[【バニラオーラ】]]と混同しないよう注意。ちなみに、【バニラオーラ】には純粋なバニラクリーチャーはほぼ使用されない。

-「全方位カードファイル vol.1」では、中型バニラの寸評として「[[デッキのバランス>マナカーブ]]を整えるのに(使える)」といった表現が使われている。
**バニラサポートカード [#c7f41b9b]
-[[《アクア・ティーチャー》]]
-[[《駱駝の御輿》]]
-[[《砂場男》]]
-[[《解放の女傑 ドラクロワ》]]
-[[《神聖祈 パーロック》]]
-[[《無記のイザナイ ウェンディゴ・アパッチ》]]
-[[《零次龍程式 トライグラマ》]]
-[[《ナメナメ・ナメコー》]]
-[[《純白設計図》]]
-[[《アクア提督 ザ・ミスター》]]
-[[《パーロック・スマイリーストーリー》]]
-[[《Dの学園 ナメティック・アカデミー》]]

-[[《バニラ・ゾーン》]]

**「バニラ(植物)」「バニラアイス」単語の「バニラ」が元ネタのクリーチャー [#m34e9a59]
以下のカードは[[能力]]を持たない[[クリーチャー]](TCG用語のバニラ)でもある。
-[[《氷菓の超人》]]
//アイスクリームが元ネタ?-[[《氷河妖精アイス》]]
-[[《封魔神官 バニラビーンズ》]]
-[[《無垢の面 ラニヴ》]]
-[[《純白類 ヴァニュラエグジット》]]
-[[《ばにーら》]]

**参考 [#q704086f]
-[[《不死身男爵ボーグ》]]
-[[《氷菓の超人》]]
-[[《2月》]]
-[[《3月》]]
-[[《4月》]]
-[[《5月》]]
-[[《ドンスカレ・パンパン》]]
-[[《定石の始め 真古》]]
-[[《真古の育ち 古練》]]
-[[《デュエマン》]]
-[[《激竜王》]]
-[[用語集]]
-[[準バニラ]]

-[[【バニラビート】]]
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公式Q&A
>Q.テキストに書かれていないカードにW・ブレイカーやブロッカーを与えた場合、テキストに書かれているカードとして扱いますか?
A.いいえ、扱いません。
[[引用元>https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/32456]]

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