#author("2020-03-15T22:23:14+09:00","","")
*退化 [#g7acee1b]

自分の[[進化クリーチャー]]の[[一番上>進化クリーチャーの一番上]]を''故意に''別の[[ゾーン]]に送り込む行為の俗称。およびそれを利用した[[コスト踏み倒し]]を意味する。[[進化]]と対比してこのように呼ばれるようになった。

[[デュエル・マスターズ]]の[[ルール]]では、[[進化クリーチャーの一番上]]だけが[[バトルゾーン]]から離れた場合、[[進化元]]は原則[[バトルゾーン]]に残る。このルールを利用し、強力な[[フィニッシャー]]を早期に出す戦略を取ることができる。

2014年1月以前は退化によって[[バトルゾーン]]に残った[[進化元]]は[[召喚酔い]]しないことになっていたが、現在では[[進化クリーチャー]]が出たのと同じ[[ターン]]に退化した場合は[[召喚酔い]]することになっている。詳しくは[[《ロイヤル・ドリアン》]]の頁を参照。

**ルール [#y60f6898]
このように[[バトルゾーン]]に[[進化元]]を残す行為は、「[[召喚]]」でも「[[バトルゾーン]]に出す」でもないため、以下のような特殊な処理がなされる。
***退化の大原則 [#r353cb4b]
-[[cip]]能力を含め、[[バトルゾーン]]に出た時の[[能力]]はすべて[[誘発>トリガー]]しない。例えば、[[《青銅の鎧》]]などの[[cip]][[能力]]を持った[[クリーチャー]]は、その[[cip]][[能力]]を使用できない。[[バトルゾーン]]に[[《百発人形マグナム》]]がいたとしても、場に残った[[進化元]]の数だけ[[破壊]]しなければならないということもない。

-何らかの理由で対象となる[[進化クリーチャー]]が[[タップ]]していた場合、[[進化元]]もすべて[[タップ]]して[[バトルゾーン]]に残る。

-[[進化元]]を[[バトルゾーン]]に出した[[ターン]]と[[進化クリーチャーの一番上]]を剥がした[[ターン]]が同じだった場合、場に残った[[進化元]]は[[召喚酔い]]したままになる。一方、[[進化元]]を出した[[ターン]]以降に[[進化クリーチャーの一番上]]を剥がした場合は[[召喚酔い]]しない。
--これは[[進化元]]の[[召喚酔い]]状態が[[進化]]して別の[[クリーチャー]]になったとしてもルール上保存されることに由来する。
--[[マナ進化]]や[[墓地進化]]のように、[[バトルゾーン]]外から[[進化元]]を持ってくる場合、その[[進化クリーチャー]]を出した[[ターン]]に[[一番上>進化クリーチャーの一番上]]を剥がした場合は[[召喚酔い]]する。[[進化]]したターンを[[進化元]]が[[バトルゾーン]]に現れたターンと見なすためである。
--[[《時空工兵タイムチェンジャー》]]などで[[進化元]]を後から追加した場合、追加した[[ターン]]に[[進化クリーチャーの一番上]]を剥がした場合は[[召喚酔い]]する。追加した[[ターン]]を[[バトルゾーン]]に現れたターンと見なすためである。
--ちなみに、以前の裁定では無条件で[[召喚酔い]]にならないことになっていた。

-[[マナ進化]]や[[墓地進化]]で可能なように、[[進化クリーチャー]]を[[進化元]]の素材に流用していた場合は、下記の「本来の進化元ではないカードが進化元に紛れている場合」の処理に準ずる。

-残すことができる進化元の数の上限は、[[進化]]/[[進化V]]/[[進化GV]]/[[超無限進化]]の種類に応じて異なる。[[マナ進化]]/[[墓地進化]]等の種類には左右されない。詳しくは下記を参照。

***本来の進化元ではないカードが進化元に紛れている場合 [#g6479193]

[[《時空工兵タイムチェンジャー》]]等で下のカードが増えていた場合、以下のように扱う。

-通常の[[進化]]の場合は1体、[[進化V]]の場合は2体、[[進化GV]]の場合は3体、[[超無限進化]]の場合は任意の数のクリーチャーを場に残すことができる。どのクリーチャーを場に残すかは持ち主が選び(元々の進化元でなくてもよい)、選ばなかった分は[[状況起因処理]]として[[墓地]]に送られる。あくまで進化能力により決められた数''まで''残すことができるというルールであるため、再構築の際に能力で決められた数を下回る数しか残さない、あるいはすべて残さず墓地に置くということもできる。
--[[バトルゾーン以外の場所]]から大量のカードを移動させるために、[[マナ進化GV]]([[《超神龍バリアント・バデス》]]/[[《超神星グランドクロス・アブソリュートキュア》]]等)/[[超無限墓地進化]]([[《邪神R・ロマノフ》]])/[[超無限進化・Ω]]([[《「無情」の極 シャングリラ》]])がしばしば利用される。
--1体しか残せないことに変わりないが、手軽に退化先を拡充できる手段として、[[DMR-20]]で3コスト[[侵略]][[サイクル]]が登場した。特に[[《S級宇宙 アダムスキー》]]を[[退化]]に流用できる[[《奇天烈 ガチダイブ》]]や、[[《邪帝斧 ボアロアックス》]]を装備した[[《龍覇 サソリス》]]から[[《龍覇 マリニャン》]]の[[《龍魂城閣 レッドゥル》]]で流れるように侵略し、《ボアロアックス》で侵略ついでに[[《ロイヤル・ドリアン》]]を出せる[[《獣軍隊 パインJr.》]]は比較的有名。《マリニャン》の代わりに《パインJr.》自体を[[マナゾーン]]から出して《サソリス》に重ねても条件を満たせる。

-退化前の[[進化クリーチャー]][[の下]]に[[進化クリーチャー]]があった場合、正当な[[進化元]]があれば重ねて場に残すことができる。この場合も、正当な進化が成立するならば、元々の進化元の上に重ねる必要はなく、持ち主が組み合わせを選択できる。ただし重ねようがない[[進化クリーチャー]]は、選ばなかったものとして必ず[[墓地]]に置かれる。[[NEOクリーチャー]]の場合は[[NEO進化]]として残すという選択肢も採れる。
--例えば、[[《悪魔神バロム》]]の下にもう一枚の[[《悪魔神バロム》]]と[[《血土の無僧ザハク》]][[《憤怒の猛将ダイダロス》]]があった場合、《バロム》の持ち主は場に残すクリーチャーとして「《ザハク》」「《ダイダロス》」「《バロム》(下に《ザハク》)」「《バロム》(下に《ダイダロス》)」のいずれかを選択できる。&br;しかし、下に[[《悪魔神バロム》]]1枚しかない場合は、正当な進化元がないため、下の《バロム》も墓地に送られ、場には何も残らない。
--[[進化元]]の素材に[[超無限進化]]が含まれていた場合は、[[進化元]]を何重にも縦に重ねてバトルゾーンに残せる。これを利用して、[[《守護聖天タテブエ・ヤッホー》]]という[[クリーチャー]]であればなんでも[[超無限進化]]できる[[ブロッカー]]と、[[ブロッカー]][[進化]]である[[《聖霊龍王 ジーク・キャヴァリエ》]]を組み合わせることで、[[進化元]]の素材の数次第では[[即死コンボ]]を狙える。
--また、退化前の[[進化クリーチャー]][[の下]]にあった[[進化クリーチャー]]の[[進化元]]になった[[進化クリーチャー]]にも正当な進化元が必要である。
例を挙げると、[[《音速 ガトリング》]]・[[《音速 ライドン》]]の2枚を進化元とした[[《轟く侵略 レッドゾーン》]]を退化させ《ライドン》を進化元として《ガトリング》をバトルゾーンに残そうとした場合、下の《ライドン》に正当な進化元が存在しないため[[進化]]は成立せず《ガトリング》と《ライドン》は[[墓地]]に置かれる。逆もまた然り。
---再構築においては、残すことができる進化元の数について、あくまでも[[オブジェクト]]の枚数が参照される。そのルールの応用として、進化クリーチャー1体ではなく[[非進化]]クリーチャー1体として残すというテクニックがある。例えば、上から1枚目と2枚目が[[《SSS級天災 デッドダムド》]]、3枚目が[[《虹速 ザ・ヴェルデ》]]の場合、再構築の際に[[《虹速 ザ・ヴェルデ》]]を進化元にした[[《SSS級天災 デッドダムド》]]として残すことも、進化クリーチャーの乗っていない[[《虹速 ザ・ヴェルデ》]]として残すこともできる。

ややこしいが、要は退化するときはバトルゾーンに残す[[進化クリーチャー]]全てに(それが一番上のカードであるかどうかに関わらず)正当な[[進化元]]が必要ということである。

-下に[[マナ進化]]クリーチャーがあった場合は、通常の[[進化クリーチャー]]と同様に扱う。その[[進化クリーチャー]]を場に出すときに必要だった[[マナ]]ではなく、下のカードの中に正当な進化元がある場合に場に残すことができる。([[墓地進化]]・[[デッキ進化]]・[[手札進化]]なども同様にして扱う)
--ただし、''元々進化クリーチャーの下にあったクリーチャーからのみ選ぶことができる''。例えば、退化で[[マナ進化]]クリーチャーを残す場合、進化元をマナゾーンから引っ張り出してくることはできない。

***その他細則 [#yd5ea295]

-[[ゴッド]]や[[サイキック・スーパー・クリーチャー]]といった[[リンク]]状態を作る[[クリーチャー]]が[[進化]]した場合、[[進化元]]としては1枚ずつの[[カード]]になるが、''[[リンク]]情報は保存される''。その状態で退化した場合、元の[[リンク]]状態を再現した1体の[[クリーチャー]]として[[バトルゾーン]]に残さなければならない([[リンク]]した[[クリーチャー]]1組で1体分の枠になる)。
--[[ゴッド]]に関しては、元々[[G・リンク]]していない状態で[[進化V]]等したり、後から[[リンク]]対象を[[進化元]]に追加したりしてから退化しても、[[リンク]]が解除された状態で残さなければならない。

-[[NEO進化クリーチャー]]が退化した場合も[[進化元]]は残すことができる。また、退化した[[進化クリーチャー]][[の下]]にあった[[NEOクリーチャー]]に関しては、同じく下にあった[[クリーチャー]]を[[進化元]]にして[[進化クリーチャー]]として残すか、単独の[[クリーチャー]]として残すかを選ぶことができる。

-[[進化]]でない[[クリーチャー]][[の下]]にカードが仕込まれていた場合、退化しようとしても、下の[[カード]]は正当な『進化元』ではないため[[バトルゾーン]]に残すことはできない。
--[[無月の門]]を使った場合などがこれに該当する。一見正規の手段で[[カード]]を下に置いているように見えるが、実際は上記の通り[[進化]]のシステムに沿っているかどうかが重要となる。

**戦術 [#md3cf897]

黎明期は主に[[《ロイヤル・ドリアン》]]を使った[[自然]][[文明]]中心の戦略であった。やがて2014年1月の裁定変更に伴い、[[《センジュ・スプラッシュ》]]や[[《シャドーウェーブ・サイクロン》]]等、[[バトルゾーン]]の[[カード]]自体を直接指定する[[カード]]でも同様の戦略が取れるようになり、[[青黒]]タイプの[[退化]][[デッキ]]である[[【青黒退化】]]も誕生している。[[《龍脈術 落城の計》]]の登場はこの流れに拍車をかけた。[[S級侵略]][宇宙]の[[バトルゾーン]][[侵略]]も退化に該当する。

この退化戦術の強みはメタカードの影響を受けにくいこと。特に[[新章デュエル・マスターズ]]以降に大量に登場した[[コスト踏み倒しメタ]]の影響は受けない。また、[[墓地進化]]や[[マナ進化]]で進化元になるクリーチャーは、バトルゾーンに出る扱いにはならないため、[[《超九極 チュートピア》]]や[[《U・S・A・BRELLA》]]の影響も受けない。

**その他 [#d3a3c94c]

この「退化」は[[モヤシ]]や[[暴発]]等のように、公式の用語ではなく、かつ[[バウンス]]や[[ハンデス]]等他のカードゲームでもよく使われる単語ほどメジャーではない俗称に過ぎなかった。
しかし、コロコロアニキ第5号の特集コーナーにおいて「[[進化クリーチャーの一番上]]だけ引っぺがして[[進化元]]だけ場に残すテク」としてこの「退化」という言葉とそのギミックを用いた[[デッキ]]が紹介された。
各種情報誌等において俗称が用いられることはしばしばあるが、公式と接点の深いコロコロコミック系列の雑誌で紹介されるのは珍しいパターンである。
なお、その際に紹介された退化コンボは以下の通り。
+[[《奇天烈 ガチダイブ》]]を[[召喚]]または[[侵略]]、[[cip]]で自身の下に[[《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》]]を仕込む。
+《ガチダイブ》で攻撃、[[《S級宇宙 アダムスキー》]]に[[S級侵略]]。
+別に用意した[[水]]の[[コマンド]]で[[攻撃]]、《アダムスキー》の[[S級侵略]]で[[バトルゾーン]]を移動する際に《ガチダイブ》ではなく《VAN・ベートーベン》を残す。

ちなみに、この記事が紹介された号の「覇王伝 ガチ!!」でも[[赤星 大虎]]が[[《超不死 デスマトメル》]]を[[《ロイヤル・ドリアン》]]で[[退化]]させ[[進化元]]を展開するコンボを使用している。

-上記とは別に、[[進化元]]よりも[[スペック]]が低くなる[[進化]]も退化と呼ぶことがある。こちらは[[ディスアドバンテージ]]に繋がるため、当然行うべきではない。

-[[《大自然の意志》]]や[[《英雄奥義 バーニング銀河》]]等、相手限定で[[進化クリーチャーの一番上]]を剥がすことができる[[カード]]も存在するが、通常これを[[退化]]と称することはなく、ただの[[除去]]として扱われる。

//-さらにこの俗称から「脱ぐ」という俗称に派生する。[[ドラゴン・サーガ]]期には退化を主軸とするデッキを「CASTOFF」と呼ぶこともあった。

**退化戦術の一覧 [#b8163277]
-[[【ドリアンロックロマノフ】]]
-[[【青黒退化】]]
//-[[【リンシャンカイホ退化】]]
//-[[【緑単退化】]]
//--[[【パイン退化】]]
//--[[【バリアント・バデス退化】]]

**参考 [#e672345d]
-[[用語集]]
-[[進化]]
-[[進化クリーチャーの一番上]]
-[[の下]]
-[[カード指定除去]]
-[[《ロイヤル・ドリアン》]]
-[[《センジュ・スプラッシュ》]]
-[[《龍脈術 落城の計》]]