#author("2021-02-28T01:08:39+09:00","","")
#author("2024-03-17T02:19:15+09:00","","")
*マナカーブ [#wcd51cc7]

[[デッキ]]内の[[カード]]を[[コスト]]ごとにまとめ、その枚数をグラフにしたもの。
+[[デッキ]]内の[[カード]]を[[コスト]]ごとにまとめ、その枚数をグラフにしたもの。定義上は[[《ゴースト・パイレーツ》]]のような[[S・トリガー]]枠もグラフに含めることになるが、[[メインステップ]]での繋ぎを考える上ではそのようなカードは含めないほうがわかりやすい。
+1ターンごとに、効率よくカードを使うためのコストバランスを指す。

**1.の解説 [#u577be97]
[[デッキビルディング]]の際に考慮するべき概念で、[[カード]]の[[コスト]]とその枚数のバランスを決める上での指針となる。

一般的には[[軽い]][[カード]]は多く、[[重い]][[カード]]になるほど徐々に少なくなるように構築するのが良いとされる。
序盤に[[重い]][[カード]]が[[手札]]に多いと、[[マナ]]が足りず身動きが取れなくなるためである。

2〜3[[コスト]]の[[カード]]が多めで、重くなるにつれて枚数が少なくなると、グラフはきれいな山なりのカーブを描く。
重い[[コスト]]に大きな山があると、序盤にその[[カード]]が[[手札]]にだぶつく可能性が高くなる。
コストが2〜3の[[カード]]が多めで、重くなるにつれて枚数が少なくなると、グラフはきれいな山なりのカーブを描く。
重い[[コスト]]に大きな山があると、序盤にその[[カード]]が[[手札]]に[[だぶつく>事故]]可能性が高くなる。
それでも[[重い]][[カード]]を多めに入れたい場合、序盤に[[マナゾーン]]に置いた[[カード]]を後で[[回収]]できる構成にすることで[[デッキ]]の回転が良くなる場合がある。

ただし[[軽い]][[カード]]が多すぎると[[デッキ]]全体の[[カードパワー]]が下がり、[[手札]]が切れる後半での[[今引き]]による解決力の低下を招いてしまう。
序盤の安定か後半の爆発力のどちらを重視するか、そのさじ加減が重要となるだろう。

**ブーストを主軸としたマナカーブ [#k2fc4047]
[[マナブースト]]を搭載した[[デッキ]]では、上記とやや異なる形のマナカーブが使われる。&br;例えば2[[コスト]]の[[マナブースト]]を使うと次のターンには4[[コスト]]のカードが使える。それがマナブーストカードであれば、結果的にコスト6のカードを4[[ターン]]目に使うことができる。これを俗に2→4→6の流れと呼び、実際にその目論見通りにターンを回すことを「''繋げる''」と呼ぶ。
**2.の解説 [#k2fc4047]

この流れを狙う[[デッキ]]構成の場合、上記の例で言えば[[コスト]]3や5のカードは流れの中に入ってこないため、好んで投入されない。結果的にそのコストのカードはほぼ抜けることになり、従来のマナカーブからすれば凸凹の形になる。
むしろ、間の[[コスト]]を抜いたものを「マナカーブ」として考えるパターンもあり、その場合は間の[[コスト]]は[[S・トリガー]]枠や[[タッチ]]のような扱いになる。
各[[ターン]]に[[アンタップ]]される[[マナ]]は、なるべく使い切るのが最も効率が良い。
その[[ターン]]ごとの最大[[マナ]]を支払ってカードを使い続けることを俗に「''繋げる''」と呼ぶ。
1.のマナカーブを意識する目的は『なるべく「繋げる」動きを狙う』ため、と言える。

ただし、遠目で見れば低コストが多め、高コストが少なめになるデッキの方が安定することは変わらない。
基本的には1.を意識していれば狙えるが、[[マナブースト]]が絡むと少し話が複雑になる。
例えば[[コスト]]2の[[マナブースト]]を使うと次のターンには[[コスト]]4のカードが使える。それがまたマナブーストカードであれば、結果的にコスト6のカードを4[[ターン]]目に使うことができる。
これを俗に''2→4→6の流れ''と呼ぶ。また、これを実現するという意味での「繋げる」という表現もよく使われる。

この流れを狙う[[デッキ]]構成の場合、上記の例で言えば[[コスト]]3や5のカードは流れの中に入ってこないため、好んで投入されない。結果的にそのコストのカードはほぼ抜けることになり、従来のマナカーブからすれば凸凹の形になる。しかし、[[マナブースト]]の繋ぎに合わせて、間の[[コスト]]を抜いたものを「マナカーブ」として捉えれば、これもまた1.と同じくなめらかな線になるのが理想となる。

ここから派生させて、この[[マナブースト]][[カード]]の繋ぎそのものを指して「マナカーブ」と呼ぶこともある。

-[[チャージャー]]はすべての[[文明]]に[[コスト]]3から存在するため、どの[[文明]]でも3→5の流れは行える。

-[[マナブースト]]の他には[[コスト軽減]]によって繋ぐ戦略もある。古くは[[【連ドラ】]]における[[《コッコ・ルピア》]]が3→6の流れを作ることで知られ、[[一撃奪取]]の登場後はすべての[[文明]]で2→4の流れが行えるようになった。
--逆に言えば、この流れを断ち切れる[[除去]]や[[ハンデス]]等による妨害は、「繋げる」戦法を取る[[デッキ]]には単純な1:1交換だけでなく[[テンポアドバンテージ]]をも奪う働きが期待できる。

***さらに極端な場合 [#d09133ff]

ゲーム序盤に使うカード、中盤以降に使ったり踏み倒したりするカードとはっきり分かれたデッキタイプなら、マナカーブはガタガタな形になったり、重いカードに重心が寄った見た目になったりする。
[[【連ドラ】]]などが該当し、[[【ミセス・アクア】]]といったコスト参照ならグラフ線が存在しない(1種類のみなら点になる)というケースもある。

-[[【ガチャンコ ガチロボ】]]や[[【九極侵略】]]は[[コスト]]を限界まで統一するため、[[コスト]]別で見るとやはり極端な構成になる。
だが[[ツインパクト]]の登場以降は、そちらを『1枚で[[マナカーブ]]と統一[[コスト]]を両立できる[[カード]]』として投入できるようになり、安定性が増した。特に[[【7軸ガチロボ】]]や[[【8軸ガチロボ】]]にとっては使い勝手の良い[[軽量級>軽い]][[ツインパクト]]が多く登場し、それらのデッキは大きな躍進を遂げた。

**その他 [#l0e5573c]

-[[《奇天烈X グランドダイス》]]の能力を[[コンセプト]]としたデッキではマナコストが奇数に偏らせて構築する。[[【速攻】]]でも、[[ミラーマッチ]]対策(同系対策)で[[S・トリガー]]用に[[《デーモン・ハンド》]]と[[《地獄スクラッパー》]]を投入すると、その中間が抜ける事がある。&br;これらは必ずしもマナカーブに縛られる必要のない好例といえるだろう。
-低コストで2枚以上を[[マナブースト]]できるカードは少ない。かつては[[ターボ]]を前提としたデッキであっても、ある割合を超えて大型ばかりを投入することはできず、破綻しない程度に軽量ブーストや中盤の繋ぎカード、終着点の大型カードを振り分ける必要がある。

-[[【ガチャンコ ガチロボ】]]や[[【九極侵略】]]は[[コスト]]を限界まで統一するため、[[コスト]]別で見るとさらに極端な構成になる。
--[[《ミラクルとミステリーの扉》]]や[[《ホーガン・ブラスター》]]といったカードを使えば、「使うためのコストは中型だが、それによって引き起こされる結果は大型」という構築ができる。

-漫画「デュエル・マスターズ」では[[勝舞>切札 勝舞]]が[[《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》]]とデッキ構築してる時にこれについて言及していた。
//以下は古い考えなのでコメントアウト
//2→5、3→6の流れをマナブーストのみで作るのは困難。[[【連ドラ】]]の[[《メンデルスゾーン》]]や[[《ボルシャック・栄光・ルピア》]]、[[《龍の呼び声》]]、[[【5色コントロール】]]の[[《フェアリー・ミラクル》]]などで一応は可能だが、いずれも安定させるには[[専用デッキ]]を構築する必要があるほどに構築に縛りを与えられる。[[《強欲の王国》>《口寄の化身/強欲の王国》]]を使えば専用デッキを組まずとも容易にこのマナカーブを実現できるが、こちらは[[手札]]を大量に消費してしまうため後が続かないという問題がある。

--徐々に[[カードプール]]が広がっていき、[[《メンデルスゾーン》]]を使って「2 → 5または3+3((先に[[《決闘者・チャージャー》>《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》]]を唱え、続けて[[《ボルシャック・栄光・ルピア》]]を召喚すること。)) → 残りは惰性で」といった構築も現実的になっていった。[[【赤緑ボルシャック】]]なら初動は[[《メンデルスゾーン》]],[[《ボルシャック・栄光・ルピア》]],[[《決闘者・チャージャー》>《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》]]のみで、デッキの残りカードは補完枠やフィニッシャーで埋め尽くすという形でも十分回る。

--4→7の流れは[[専用デッキ]]でなくとも[[《フェアリー・ソング》]]で容易に作り出せる。また5→8を実現させるカードは多数存在するため、特に[[自然]]入りのデッキなら4〜5マナ程度貯まれば更なるマナブーストに苦労することはほぼない。また同じく専用デッキでなら極端なマナカーブを実現させるカードとして[[《獅子王の遺跡》]]や[[《妖精 アジサイ-2》]]が存在し、これらは4→8という流れを作り出せる。

-[[ツインパクト]]の登場により、より柔軟なマナカーブを形成することが可能になった。ツインパクトには片方がコストの軽い初動、もう片方が重量級カードという構成をとっているものが少なくない。

-[[《奇天烈X グランドダイス》]]の能力を[[コンセプト]]としたデッキではマナコストを奇数に偏らせて構築する。また[[【チェイングラスパーループ】]]は[[《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》]]を最大限活かすためにマナコストを偶数に偏らせて構築する。&br;これらは必ずしもマナカーブに縛られる必要のない好例といえるだろう。
--[[実質コスト]]を下げたり[[マスターG・G・G]]で召喚するカードを入れる[[【我我我ブランド】]]では、コスト1,2,7,8の4種類しか入らないという面白いマナカーブもある。

-[[S・トリガー]]をグラフに含めた形だと、[[【速攻】]]で[[ミラーマッチ]]対策で[[S・トリガー]]用に[[《デーモン・ハンド》]]や[[《地獄スクラッパー》]]を投入したデッキなら、コスト1〜3に枚数が集中、コスト4〜5が0枚、コスト6〜に防御札と、間がきれいに抜け落ちたマナカーブになることもある。

-漫画「デュエル・マスターズ」では[[勝舞>切札 勝舞]]が[[《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》]]とデッキ構築している時にこれについて言及していた。

**参考 [#v864bf59]
-[[用語集]]
-[[コスト]]
-[[デッキビルディング]]
-[[デッキ集 (一覧)]]
-[[デッキ集 (分類)]]
-[[事故防止]]
-[[テンポアドバンテージ]]

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