#author("2020-07-26T16:21:38+09:00","","")
#author("2023-08-15T01:03:28+09:00","","")
*ボルバル・マスターズ [#k2c93601]

[[聖拳編]]から[[転生編]]期の[[環境]]があまりにも[[《無双竜機ボルバルザーク》]]に支配されていたことを皮肉って作られた言葉。デュエマ史上最大の暗黒期と呼ばれることもある。

2004年6月26日に[[DM-10 「聖拳編(エターナル・アームズ) 第1弾」>DM-10]]の発売とともに登場。当初は、「自分はゲームに負ける」という[[デメリット]]能力が重く見られ、評価が低かった。しかし、[[エクストラターン]]の獲得によって負ける前に勝利できることがほとんどであったため、その強さが知れ渡るとともにこの[[カード]]の採用率も大きく伸び始めた。結果、その年の夏から冬にかけ、[[公式大会]]や[[公認大会]]などでこの[[カード]]を使った[[デッキ]]が上位を独占することとなる。
|無双竜機ボルバルザーク VR 火/自然文明 (7)|
|クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン 6000|
|このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、他のパワー6000のクリーチャーをすべて破壊する。その後、このターンの後にもう一度自分のターンを行う。そのターンの終わりに、自分はゲームに負ける。|
|スピードアタッカー|
|W・ブレイカー|
|BGCOLOR(#933):COLOR(white):''※プレミアム殿堂''|

当時の防御札は[[ブロッカー]]や[[S・トリガー]]、後に登場した[[S・バック]]程度しかなく、《ボルバルザーク》の猛攻を防ぎきるのは非常に難しかった。《ボルバルザーク》単体ですでに4打点分であり、[[S・トリガー]]封印や非常に汎用性の高い[[《母なる大地》]]の存在も相まって、真っ向から安定して受け切るのは不可能だったといってもよい。
2004年6月26日に[[DM-10]]の発売とともに登場。当初は、「自分はゲームに負ける」という[[デメリット]]能力が重く見られ、評価が低かった。しかし、[[追加ターン]]の獲得によって負ける前に勝利できることがほとんどであったため、その強さが知れ渡るとともにこの[[カード]]の採用率も伸び始めた。
//ただし、EL優勝は北海道OPアクアンハイドロ・RGアクアンイニシエート、北陸OPはアクアンイニシエート・RGはアクアンガーディアン、関東OPは赤白速攻と赤緑ボルバル・RGはアクアンイニシエート×2、中部OPは赤緑ボルバル・RGはアクアンガーディアン、関西はOPはアクアンイニシエート×2・RGは根暗とアクアンガーディアン、中国はOPアクアンイニシエートでRGアクアンブラック、九州OPはアクアンイニシエート・RGはアクアンハイドロ
//追加予選の上位3デッキはOPボルバルブルー×2とアクアンガーディアン、RGはアクアンイニシエート×3であったため上位を独占していたのは間違いなくアクアンである

**ボルバル・マスターズの変遷 [#x3921d49]
当時の防御札は[[ブロッカー]]や[[S・トリガー]]しかなく、《ボルバルザーク》の猛攻を防ぎきるのは非常に難しかった。《ボルバルザーク》単体ですでに4打点分であり、[[S・トリガー]]封印や非常に汎用性の高い[[《母なる大地》]]の存在も相まって、真っ向から安定して受け切るのは不可能だったといってもよい。

2005年春の[[公式大会]]であるSCB及び同時期の各地の公認大会など、ボルバルは圧倒的な[[カードパワー]]で暴れ回っていた。

特にSCB関東大会([[DM-13]]環境)ではオープン・レギュラーの上位16人がすべてボルバル系列デッキだったという悪夢としか言いようのない結果が出ていた。
//ここまで増えていた時期ならば、むしろボルバルを使わなくとも[[S・トリガー]]超満載デッキなら上位にいけたかもしれない。
//《呪紋の化身》が《母なる大地》から呼べた環境なので・・・
特にSCB関東大会([[DM-13]]環境)ではオープン・レギュラーの上位16人中14人がボルバルを投入していたという悪夢としか言いようのない結果が出ていた。

ボルバルの[[エクストラターン]]の条件は[[バトルゾーン]]に出すだけと非常に緩く、[[火]]と[[自然]]が[[タッチ]]できるならば、[[ビートダウン]]だろうが[[コントロール]]だろうが非常に多くのデッキで採用することが可能だった。
ボルバルの[[追加ターン]]の条件は[[バトルゾーン]]に出すだけと非常に緩く、[[《母なる大地》]]で問題なく踏み倒せた。[[自然]]が[[タッチ]]できるならば、[[ビートダウン]]だろうが[[コントロール]]だろうが非常に多くのデッキで採用することが可能だった。
逆に、余りにも手軽に使用できることから、ボルバルの入れられない[[デッキタイプ]]や、ボルバル以外の[[フィニッシャー]]の多くは、その存在意義を失うこととなってしまった。

また、《ボルバルザーク》を[[マナゾーン]]から引っ張り出せる[[《母なる大地》]]に加え、後に[[ウィニー]]を掃除して[[手札]]に変換する[[《炎槍と水剣の裁》]]、[[S・トリガー]]を封じる[[《無双恐皇ガラムタ》]]、[[ドローソース]]の[[《トリプル・ブレイン》]]といった相性のいい[[カード]]が立て続けに登場したこともあり、《ボルバルザーク》のメタ上の地位はより揺るがないものになっていった。

[[ビートダウン]]ならば無理やり[[自然]]を[[タッチ]]してでも[[《母なる大地》]]と《ボルバルザーク》を入れた方が強力になる程であり逆にそれができない[[デッキ]]は[[カードパワー]]で大差をつけられやすかった。[[【速攻】]]・[[【アクアンホワイトブラック】]]・[[【白青黒赤ライブラリアウト】]]は《ボルバルザーク》が活躍していた時期にもアイデンティティを保っていたが、それでも《ボルバルザーク》に太刀打ちできたことが少なく、しかも他の《ボルバルザーク》無しの[[デッキ]]はその存在意義を奪われ、[[デッキ]]の自由度が著しく狭まった。《ボルバルザーク》の持つ性質もあり、当時環境プレイヤーの疲弊や不満は高まっていった。
[[ビートダウン]]ならば無理やり[[自然]]を[[タッチ]]してでも[[《母なる大地》]]と《ボルバルザーク》を入れた方が強力になる程であり逆にそれができない[[デッキ]]は[[カードパワー]]で大差をつけられやすかった。[[速攻]]・[[【アクアンホワイトブラック】]]・[[【白青黒赤ライブラリアウト】]]は《ボルバルザーク》が活躍していた時期にもアイデンティティを保っていたが、それ以外の[[緑]]入りデッキは《ボルバルザーク》の採用が半ば必須となっていた。

[[聖拳編環境]]では[[殿堂入り]]の筆頭候補だったが、2004年12月15日に[[殿堂入り]]したのは[[《アクアン》]]のみだった。おそらく登場からおよそ半年しか経っていなかったためであろうが、当時の暴れっぷりから考えればこれは多くの予想を裏切った。しかも、中途半端に《アクアン》だけを殿堂入りしてしまったがために【アクアンホワイトブラック】が消滅。これにより、以前にも増して《ボルバルザーク》の独裁体制はより確固たるものになり、環境は更なる悪化の一途をたどる。こうした処置も相まって非難が集中、《ボルバルザーク》の禁止カード化を求めて署名活動を行うカードショップまで現れるほどであった。
登場から半年後の2005年3月15日に[[殿堂入り]]したのは[[《アクアン》]]のみだった。当時の公式大会の上位は【アクアン】系デッキの独壇場であり、《ボルバルザーク》が登場してたった262日しか経っていないことを考えると、殿堂入りの基準が緩くなった後の時代で考えても《ボルバルザーク》や同弾で登場した[[《母なる大地》]]の殿堂入りは非現実的なものであった。結果的に【アクアンホワイトブラック】が大幅に弱体化し、《ボルバルザーク》がトップを走る環境となる。

[[転生編]]に入ると、2005年7月15日にようやく《ボルバルザーク》は[[殿堂入り]]、デッキに1枚しか投入できなくなった。これにより、少しは環境が沈静化するとおもいきや、むしろこの1枚制限が却って更なる環境の悪化を招くことになってしまった。元々《ボルバルザーク》はゲーム中に2度以上使われることはほとんどないカードなので、結局先に出した者勝ちであることには変わりはなかった。そのため、今度はいかに《ボルバルザーク》を先に手札に持ってこれるかが勝負の鍵になり、[[サーチ]]を使えば1枚制限のデメリットを減らせることから、今度は[[コントロール]]を中心に使われ続ける。シールドに[[埋まって>埋まる]]しまうとサーチですら手札に持ってこれなくなるため、運ゲー要素が強まった。《ボルバルザーク》のデッキ同士の対決では、どちらか片方の《ボルバルザーク》がシールドに埋まってしまうと、そのプレイヤーはほぼ負けが確定してしまうという本末転倒な事態を招いてしまった。
[[転生編]]に入ると、2005年7月15日にようやく《ボルバルザーク》は[[殿堂入り]]、デッキに1枚しか投入できなくなった。これにより、少しは環境が沈静化するとおもいきや、むしろこの1枚制限が却って更なる環境の悪化を招くことになってしまった。元々《ボルバルザーク》はゲーム中に2度以上使われることはほとんどないカードなので、結局先に出した者勝ちであることには変わりはなかった。そのため、今度はいかに《ボルバルザーク》を先に手札に持ってこれるかが勝負の鍵になり、[[サーチ]]を使えば1枚制限のデメリットを減らせることから、今度は[[コントロール]]を中心に使われ続ける。
また、強力な対抗馬であった[[【白青黒赤ライブラリアウト】]]も主要カード3種が[[殿堂入り]]したことも追い風となった。

殿堂入り後は、[[【ボルバルブルー】]]に[[闇]][[文明]]を加えた、[[【ボルバルブラック】]]の発展形である[[【除去ボルバル】]]が開発される。また、[[【ボルバルブルー】]]に当時に猛威を奮った[[《バジュラズ・ソウル》]]を加えた[[【バジュラズブルー】]]などの[[ビートダウン]]でも活躍を続けていた。

長らく[[環境]]のトップを走り続けた彼だが、ついに2006年3月15日、新設された[[プレミアム殿堂]]に指定されその役割を終えた。登場から禁止化までおよそ1年と9カ月だった。

**《ボルバルザーク》の問題点 [#y621b0b0]
《ボルバルザーク》が暴れていた時代は、デュエマ史上最大の黒歴史と呼ばれていた。それは《ボルバルザーク》が強すぎるというのももちろんだが、それ以上に[[殿堂入り]]、[[プレミアム殿堂]]までにかかった期間の長さもあるだろう。《ボルバルザーク》が誕生してから[[殿堂入り]]するまでの期間は1年、その後[[プレミアム殿堂]]に指定されるまでの期間は9か月と、実に1年9か月もの長期間に渡ってボルバル・マスターズは続いた。この期間中、ボルバル・マスターズに辟易としてデュエマを辞めたプレイヤーは数知れなかったため、《アクアン》と同時期に[[殿堂入り]]でもしていれば、デュエマ史上最大の暗黒期と呼ばれることはなかったかも知れない。
《ボルバルザーク》が暴れていた時代は、デュエマ史上最大の黒歴史と呼ばれていた。それは《ボルバルザーク》が強すぎるというのももちろんだが、それ以上に[[プレミアム殿堂]]までにかかった期間の長さもあるだろう。[[《アクアン》]][[殿堂入り]]から《ボルバルザーク》[[殿堂入り]]までの期間は4か月、その後[[プレミアム殿堂]]に指定されるまでの期間は8か月と、実に1年間に渡ってボルバル・マスターズは続いた。

また、このカード自身の「[[自分はゲームに負ける>特殊敗北]]」という[[デメリット]]能力を抱えていたことも問題であった。それは《ボルバルザーク》が出ると状況にかかわらず確実に[[ゲーム]]が終了させられるということであり、その時点で[[ターン]]が回ってこないことは絶対となるため、[[プレイヤー]]の間で非常に嫌がられていた。[[特殊敗北]]のデメリットも、好きなだけ[[カード]]をプレイしたあと、失敗したら勝手に自滅してしまうのだから、それで勝利した側もまるで面白くない。[[スパーク]]を使って[[《無双竜機ボルバルザーク》]]を受けきる戦術は当時から存在したものの、結局それも相手が「ボルバルで自滅した」だけに終わってしまう。ボルバルが出された以上、負ける以前に自分で勝つ権利すら失われてしまうのである。

[[環境]]がたった一枚の[[フィニッシャー]]に牛耳られてしまうことはしばしばあるものの、《ボルバルザーク》の場合、「[[殿堂入り]]、[[プレミアム殿堂]]に指定された時期があまりにも遅すぎる」「[[デッキ]]や[[カード]]の選択肢を著しく狭める」「出すと間違いなく[[デュエル]]が終了し、使われた側の自力で勝つ要素が失われる」の三点を兼ね備えている点で他の凶悪[[フィニッシャー]]と一線を画していると言えよう。
[[環境]]がたった一枚の[[フィニッシャー]]に牛耳られてしまうことはしばしばあるものの、《ボルバルザーク》の場合、「[[殿堂入り]]、[[プレミアム殿堂]]に指定された時期があまりにも遅すぎる」((ただし殿堂入りまで384日、プレミアム殿堂まで627日という日数は現代の基準でもかなり速い方であり、殿堂入りに消極的だった時代背景を考えるとかなり異例である))「出すと間違いなく[[デュエル]]が終了し、使われた側の自力で勝つ要素が失われる」の2点を兼ね備えている点で他の凶悪[[フィニッシャー]]と一線を画していると言えよう。

-[[ボルバル・マスターズ]]の反省か、[[環境]]を一色に染め上げるような[[カード]]、[[デッキ]]の規制には運営側も積極的な姿勢を見せるようになった。
-[[ボルバル・マスターズ]]の反省か、[[環境]]を一色に染め上げるような[[カード]]、[[デッキ]]の規制には公式側も積極的な姿勢を見せるようになった。
例えば、[[《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》]]を1年足らずで一時期の間[[プレミアム殿堂]]にする、[[【ラストパトロール】]]が発覚した際には[[《アクア・パトロール》]]を[[プレミアム殿堂]]にする、[[【ターボロマネスク】]]が流行した際には[[プレミアム殿堂コンビ]]を制定する、といった具合である。

-この言葉を語源として、[[デュエル・ロマスターズ]]、[[デュエル・マーシャルズ]]、キリコ・マスターズ、デュエル・バスターズ、[[ミッツァイル・マスターズ]]という言葉も作られた。とはいえ、あくまでそれらは「[[環境]]を染め上げるほど強かった」というだけであり、[[ゲーム]]の勝敗の起因すらもボルバル次第で1年9か月も続いたボルバル・マスターズは、やはりそれらとも一線を画して凶悪である。
-この言葉を語源として、[[デュエル・ロマスターズ>《龍仙ロマネスク》]]、[[デュエル・マーシャルズ>【星龍マーシャル】]]、[[キリコ・マスターズ>《エンペラー・キリコ》]]、[[デュエル・バスターズ>《蒼き団長 ドギラゴン剣》]]、[[ミッツァイル・マスターズ]]([[GR・マスターズ]])という言葉も作られた。とはいえ、あくまでそれらは「[[環境]]を染め上げるほど強かった」というだけであり、[[ゲーム]]の勝敗の起因すらもボルバル次第で左右されるボルバル・マスターズは、やはりそれらとも一線を画して凶悪である。

-後にハンター版として登場した[[《ボルバルザーク・エクス》]]もボルバルザークの名に恥じない[[カードパワー]]を持つ。そちらも[[【エンペラー・キリコ】]]や[[【紅蓮ゾルゲ】]]、[[【Nエクス】]]で存分に暴れ回ったが、発売から10カ月ほどで[[殿堂入り]]となった。この期間を「第二次ボルバルマスターズ」と呼ぶこともある。
こちらは短期間で終了し、[[プレイヤー]]からも[[殿堂入り]]が丸わかりのスペックであったため、このような大騒動になることはなかった。
--[[《無双竜機ボルバルザーク》]]が歴史史上最大の悪名を残すことになったのは、その能力の強さよりも規制がかかるまでの歳月が長かったことが原因だろう。
-後にハンター版として登場した[[《ボルバルザーク・エクス》]]もボルバルザークの名に恥じない[[カードパワー]]を持つ。そちらも[[【エンペラー・キリコ】]]や[[【紅蓮ゾルゲ】]]、[[【Nエクス】]]で存分に暴れ回ったが、発売から10カ月ほどで[[殿堂入り]]となった。この期間を「第二次ボルバルマスターズ」と呼ぶこともある。こちらは[[プレイヤー]]からも[[殿堂入り]]が丸わかりのスペックであったため、このような大騒動になることはなかった。

-ボルバルの当時、対策に対する過信が全体的に根強く規制処置を良しとしない声が多かった時代でもあり、その当時の時代にしては1年9ヶ月(うち殿堂までは1年少し)というのは長い目で見るとそこまで遅いわけでもなかったりする。とはいえ、ボルバル以外のデッキの大半を否定していたことを踏まえると、やはり長かったと感じるだろう。
-時が進んだ現在では、《ボルバルザーク》の持つ「出たら絶対に相手にターンが返らない」という問題を解決できる[[敗北回避能力]]が増えた。いくら追加ターンの猛攻を耐え凌ぐ防御手段が増えたといってもわずか7マナ、またはコスト踏み倒しで[[スピードアタッカー]]持ち[[W・ブレイカー]]を出しつつ[[追加ターン]]を得られるというのは未だ強力。
--また、そもそもこのクリーチャーは「[[プレミアム殿堂]]の象徴」扱いされている面があるため、時代が進んだからといって簡単に解除されない可能性は高い。

//-時が進んだ[[十王篇]]現在では、そもそもこのクリーチャーを[[殿堂解除]]した所で採用されるデッキが環境に存在せず、エクストラターンの猛攻を耐え凌ぐ[[S・トリガー]]や最大の問題である「出たら絶対に相手にターンが返らない」という問題を解決できる[[敗北回避能力]]も増えたため、[[殿堂解除]]しても問題ないと思われる。そもそも、7マナ貯めるまでもなく決着がついてしまう程[[インフレ]]が進んでいるため何の問題もない。
//-余談ではあるが、この時期は遊戯王でも先攻1ターンキルが横行、「ジャンケンゲー」と揶揄された時期と重なる。

-時が進んだ[[十王篇]]現在では、《ボルバルザーク》の持つ「出たら絶対に相手にターンが返らない」という問題を解決できる[[敗北回避能力]]が増えた。いくらエクストラターンの猛攻を耐え凌ぐ防御手段が増えたといってもわずか7マナ、またはコスト踏み倒しで[[追加ターン]]を得られるというのは明らかにオーバースペックであり、そのデメリットも構築で回避できてしまうのは大問題であろう。
--また、そもそもこのクリーチャーは「[[プレミアム殿堂]]の象徴」扱いされている面があるため、時代が進んだからといって簡単に解除されない可能性も高い。
--[[《無双竜機ボルバルザーク》]]以外の、[[cip]]で[[追加ターン]]を得られるものは、[[《次元の嵐 スコーラー》]](最初の1体しか得られない)、[[《コスパンダメソッド》]]([[バズレンダ]]4回のため、コスト踏み倒しでは不可)と[[《引き裂かれし永劫、エムラクール》]](召喚ではないコスト踏み倒しでは不可)が存在する。それらと比較してもコスト7というのはあまりにも軽い。
**[[デュエル・マスターズ プレイス]]では [#w9677187]

-余談ではあるが、この時期は遊戯王でも先攻1ターンキルが横行、「ジャンケンゲー」と揶揄された時期と重なり、デュエマに限らずTCG全体としても暗黒期であった。
|無双竜機ボルバルザーク SR 火/自然文明 (7)|
|クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン 6000|
|召喚によってバトルゾーンに出た時、次の自分のターン開始時まで、自分は「S・トリガー」を使えない。このターンが自分の10ターン目以降なら、このターンの後で自分のターンをもう一度行う。(ただし、それが追加ターンなら発動しない)|
|スピードアタッカー|
|W・ブレイカー|
|BGCOLOR(#933):COLOR(white):''※DP殿堂''|

流石に、TCG版の[[スペック]]のまま実装はせず、10ターン経過という制約が設けられた。

これにより、

-[[赤緑]]というのは[[コントロール]]に最も向いていない(長期戦に向かない)色であり、10ターンも待つのは厳しい。
-[[速攻]]が相手なら、このクリーチャーを出す前に決着がついてる。
-[[コントロール]]相手なら10ターンも経過していれば、相手は盤面を制圧して守りを十分に固めているはずなので、追加ターンを得ても[[ダイレクトアタック]]まで持ち込むのは厳しい。
-10ターン経過していなければ、[[S・トリガー]]が使えない[[デメリット]]が付いた[[《ツインキャノン・ワイバーン》]]。

と事前評価はかなり低く、TCG版より上方修正を受けた[[《ダイヤモンド・ブリザード》]]にシェアが集まっていた。
しかし、[[《ダイヤモンド・ブリザード》]]の弱体化が決定して速攻デッキのシェアが落ち込み始めてからは、立場が一変。 

事前評価が低かった上記の問題とみられていた点も
-[[デュエプレ]]では、マナゾーンに文明が同じカードが1枚でもあれば召喚が可能であり、《ボルバルザーク》1枚マナゾーンに置いておくだけで《ボルバルザーク》を召喚するための色基盤ができるため、極端な話、火や自然のカードを《ボルバルザーク》4枚のみのデッキでも十分機能し、色の合わない[[コントロール]]でも十分活躍させられる。

--2020年7月のMildom杯にて優勝者が使っていた[[【白抜き4色ボルバル】>【ボルバルザーク】 (デュエプレ)#d4]]は、青黒ハンデスにタッチで赤を入れ、自然は《ボルバルザーク》4枚のみというものになっていた。

-難しいと言われていた10ターン以降の制限も、低速なデュエプレ環境では[[コントロール]]では容易に達成できる。

-10ターン経過せずに《ボルバルザーク》を出さなければいけない場面は、だいたい[[S・トリガー]]に期待できない場合なので、[[S・トリガー]]が使えない[[デメリット]]は事実上機能していない。

という、完璧な解答が出来上がっており、たちまち環境トップに上がり、[[コントロール]]ではほぼほぼ使用された。

結局、[[《ダイヤモンド・ブリザード》]]の弱体化以降[[《無双竜機ボルバルザーク》]]は第一線で暴れ続けているため、「第2のボルバル・マスターズ」と呼ばれるようになった(TCG版でも[[《ボルバルザーク・エクス》]]が環境で暴れていた時に似たような呼称で呼ばれていた)。皮肉にも「発売前の事前評価は低かったのに、いざ世に出されると環境トップ」という、TCG版と同じ経緯をたどってしまったのである。

その結果、デュエプレ史上初の[[DP殿堂]]に指定される措置が採られる事となった。これにより色の合わない[[コントロール]]に強引に《ボルバル》を4投したり、[[追加ターン]]に2体目以降の《ボルバル》という動きが出来なくなった。
これに加え、追加ターン獲得の条件が「自分の」10ターン目以降に修正された。当時のデュエプレ環境では存在しなかったが、召喚によって相手ターンに出し(([[S・トリガー]]の付与が該当する。[[DMPP-06]]で[[S・トリガー]]を付与する[[《インビンシブル・オーラ》]]が登場した。))、追加ターンを獲得できると総合ルール500.5.の処理が煩雑になると判断されたか。

-「[[特殊敗北]]というデメリットでさえ、その自己完結した性能と釣り合いが取れない」代物を、[[特殊敗北]]より遥かに軽いデメリットで解禁してしまった判断も問題といえる。10ターン以降の通常ターンなら、ゲーム中[[追加ターン]]の回数に制限がないため、2ターンかけて[[バトルゾーン]]の相手の[[クリーチャー]]や[[手札]]を空にするという[[《無双と竜機の伝説》]]((このカードはデュエプレには存在せず、[[《無双竜機ボルバルザーク》]]の登場から約13年後に登場した調整版の呪文である。))の上位互換的な使い方すら可能になった。

-このカードの存在から「先攻プレイヤーは後攻プレイヤーよりも先に《ボルバルザーク》の追加ターン獲得権を得られる」という覆し難いアドバンテージを獲得することになったため、「先攻ゲー」などと呼ばれることもある。

-初の公式大会において[[公式発表のデッキ分布>https://twitter.com/dmps_info/status/1305053606937124866]]では、上位2種の[[【5色ヘブンズ・ゲート】>【ヘブンズ・ゲート】 (デュエプレ)]]と[[【ハンデスボルバルザーク】>【ボルバルザーク】 (デュエプレ)]]が[[《無双竜機ボルバルザーク》]]をフィニッシャーとするデッキであり、その合計は38.7%と非常に高いものとなり、グッドスタッフ性の高さを示した。
また、勝ち上がった上位4名の全てが【5色ヘブンズ・ゲート】のみになってしまったり、ほとんどのゲームでボルバルザークが登場した他、手札が尽きたにもかかわらずデッキトップボルバルからの立て続けの動きで勝利を収めた試合があったりと、そのカードパワーの頭抜けた高さを配信という形で知らしめる結果となった。

**参考 [#x0fb5556]
//上位項目、関連する項目などへのリンクを各自で追加してください。
-[[用語集]]
-[[《無双竜機ボルバルザーク》]]
-[[《ボルバルザーク・エクス》]]
-[[《無双と竜機の伝説》]]

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&tag(用語集,環境,〇〇マスターズ);