《ベイB(ビー) ジャック》 [編集]

ベイB ジャック VR 自然文明 (1)
クリーチャー:ミルクボーイ/イニシャルズ 6000
バトルゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
W・ブレイカー
このクリーチャーは、自分のターンのはじめにアンタップしない。
自分がカードを引いた時、自分のマナゾーンにあるカードを3枚タップしてもよい。そうしたら、このクリーチャーをアンタップする。
バトルゾーンにある自分のクリーチャーを、自分のマナゾーンにあるかのようにタップしてもよい。
※プレミアム殿堂

DMR-23で登場した自然ミルクボーイ/イニシャルズ

そのスペックは、1コストにあるまじきもので、比較的カードパワーが高いカードが勢揃いしている革命ファイナルの中でも、一線を画している。

1コストパワー6000でW・ブレイカー、バトルゾーンにタップインで出て自分のターン開始ステップでアンタップせず、カードを引いた時にマナゾーンカードを3枚タップすることでようやくアンタップできる能力を持つ。ここまでなら《ベイB ソーター》とはあまり変わらないスペック

恐るべきは、最後の「バトルゾーンにある自分のクリーチャーを、自分のマナゾーンにあるかのようにタップしてもよい。」という能力。これは、バトルゾーンクリーチャーマナコストの支払いが可能になるということ。言ってみれば、自分のクリーチャーがバトルゾーンに出るたびに1マナブーストしているようなもので、この効果召喚したクリーチャーコストにしてさらに後続を召喚という芸当が可能。ウィニーはもちろん、高コストクリーチャーでもコスト軽減などと合わせれば異常なほどの展開力を生み出すことが可能。このカード自身、汎用性の高いシステムクリーチャーとしては非常に軽量であるため、さえ合えば使いたいデッキにすんなり入るだろう。

クリーチャーが出るたびに1マナブーストができると言えば《Dの花道 ズンドコ晴れ舞台》を彷彿させるが、あちらが5コストであることと、あちらと違い多色カードを入れてもタップインという事故が起こらず、むしろ多色クリーチャーを出せばそれがアンタップインでマナ基盤になることを考えると、いかに破格なコストパフォーマンスかが分かるだろう。

弱点としては、このクリーチャー自身がミルクボーイであるため登場時にタップされてしまい、《蛙跳び フロッグ》のように自身をすぐにマナとしては使えない点か。出したターンから爆発的な展開を行いたいなら、あらかじめクリーチャーの用意は必要だろう。

ちなみに、この能力は登場時にタップされてしまう他のミルクボーイとはアンチシナジーである。ただ、単純に《ベイB ソーター》とほぼ同じ性能を有しているため、【ミルクボーイ】に入らないというわけではない。《冒険妖精ポレゴン》などの非タップインクリーチャーも一応入れられるので展開補助になる上、《D2B バブール》攻撃できない状態でアンタップしてしまうと次のターンの味方強化ができなくなってしまう欠点を克服できるため便利である。コストの支払いでタップした1コストクリーチャー《Dの揺籠 メリーボーイラウンド》で守ってやれるのもポイント。

ルール [編集]

最後の能力を裁定に沿ってより正確に書くとすれば、以下のようになる。

自分がコストを支払う時、バトルゾーンにある自分のクリーチャーを、自分のマナゾーンにあるかのようにタップしてマナを生み出してもよい

実際のカードには書かれていないが、この能力《蛙跳び フロッグ》同様にバトルゾーンにあるクリーチャーからマナを生み出せる」能力であり、したがってそれらをマナゾーンにあるかのように扱えるのはマナコストを支払う場合のみである。
一見可能のように見えるが、自身のアンタップ条件のように単にマナゾーンにあるカードタップするだけの場合はバトルゾーンクリーチャーは選べない。一見コストの支払いと似ているO・ドライブ《龍覇 ザ=デッドマン》代替コストに関しても同様。
一方でコスト軽減などと組み合わせることは可能。

  • 《BAKUOOON・ミッツァイル》のように、自分のクリーチャーを破壊することをコストとして要求される場合でも、そうして破壊するクリーチャーをタップしてマナを生み出せる。(→《極楽鳥》

環境において [編集]

登場当初から【緑単ループ】で積極的に採用された。マナ送りマナ回収マナ召喚コスト軽減の手段が整っている際にバトルゾーンをマナソースに使えるということは、タップされたカードをゾーン移動させることによって実質的に無限のマナを生み出すことに繋がる。また、タップインさせる《停滞の影タイム・トリッパー》《永遠のリュウセイ・カイザー》などがいなければいくらでもこの状況は再現でき、それらのメタクリーチャーも《掘師の銀》等で除去できてしまうので、コンボデッキとしての決定力が異常に高かった。

また、《困惑の影トラブル・アルケミスト》など、小回りの利かない大量マナ回収というデメリットから実用性を疑問視されていたカードも、このカードの登場以後は、バトルゾーンクリーチャーからマナを生み出せることによって実用性を手に入れた。ある程度小回りの利く大量マナ回収である《大勇者「鎖風車」》に至っては、このカードと非常に相性の良いループパーツとしての実力を危険視されて殿堂入りに至っている。

さらに、《水上第九院 シャコガイル》の登場以降はガチデッキファンデッキを問わず無数のデッキがループなどにより無限ドローを始めとする手段によって、早ければ3ターン、順当なところで4ターンから5ターン程度で安全かつ手軽に勝利できるようになった。

現役当時は軽量級コスト指定除去が普及する前であったため、1コストでパワー6000というのはシステムクリーチャーとして驚異的であった。

環境において特筆すべきは、この項の頭でも述べた【緑単ループ】との相性の良さで、主要パーツがフルで投入出来た頃のこのデッキタイプは、一度回り出したら止める事が困難なループとしてはかなり早い段階で完成するという凶悪さを見せていた。さらに《蛇手の親分ゴエモンキー!》《S級原始 サンマッド》などの主要なパーツの数々が殿堂入りしても形を変えて環境に残り続けた。
《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》の登場以降はメタリカと合わせてコスト軽減による召喚置きドローによる手札補充を繰り返し《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》エクストラウィンを狙う【白緑メタリカ】として猛威を振るっていた。
また、同様のコスト軽減とドロー手段が豊富なジョーカーズにも《偽りの名 iFormulaX》と共に採用した型も結果を残している。

さらに【緑単ループ】においては実質3コストのW・ブレイカーとしても優秀な働きを見せ、ループに入れない時ですらもワンショットに貢献し、《S級原始 サンマッド》などと共にワンショットでの4ターンキルを量産した。自身が打点になれない状況でも、自分の《S級原始 サンマッド》で自軍のクリーチャーをマナ送りにせざるを得ない場合、1コストであるという点で場を離れた時の損失が小さいということでマナ送りを受けるために取り敢えず出すことがあった。【赤青レッドゾーン】対面では先攻を取れば結果的にこのクリーチャーがデコイになる形で他の打点が《轟く侵略 レッドゾーン》の火力から生還し、そのままワンショットというパターンもあった。

上記のように、このカードはコスト軽減手札補充マナ召喚などのプレイできるカードの確保手段が揃っているデッキでは異常なほどのアドバンテージを叩き出し、ループパーツの核としての使われ方が主流であったこと、さらにそのループが対戦ゲームとしての側面を阻害しかねないソリティアとみなされやすい物が多かったためか、2018年3月1日をもってプレミアム殿堂入りとなった。殿堂入りで様子を見ても万が一使用し続けられたら自然クリーチャーメタリカの開発の障害になるため、一発で禁止化されたのだと思われる。

ちなみに、肝心の種族デッキである【ミルクボーイ】にほとんど影響を与えていない。とはいえ、種族デッキでは貴重なW・ブレイカーを素で持つミルクボーイであったためか、このカードからマナ生成能力を取り払った下位種の《ベイB アカリンヒオリン》が後に登場している。

このカードのプレミアム殿堂指定以降、手軽なクリーチャーアンタップ手段やマジボンバーなどの横展開手段、キリフダッシュビビッドローなどの事実上のコスト軽減である代替コスト持ちなどが続々登場しているが、それらは明らかにこのカードが殿堂レギュレーションに存在しない前提で生まれたものであろう。

殿堂ゼロデュエルにおいて [編集]

当初はあまり活躍していなかったが、【ジャックメイカー】が成立するとそちらに入るようになり、一気に環境トップに躍り出た。【ミッツァイル】折衷の赤緑型においては《BAKUOOON・ミッツァイル》を先攻2ターン目に着地させて2ターンキルを行うこともでき、《“魔神轟怒”ブランド》超天フィーバーが達成されれば過剰打点で押すことができる。

その他 [編集]

  • 登場当初から環境の中心にいたカードだが、ほぼウィニー中心のループデッキ(稀に自然入りの【速攻】にも)にしか採用されなかったこと、その中でも大会シーンに跋扈していた【緑単ループ】のプレイング難易度が全デッキ中屈指の高さであること、そして何より、その能力の凶悪さ故にいずれ規制されると考えていたプレイヤーが多かったことなどから、(スペックの落ち目以外が理由ではあるが)シングルカードのレートは活躍の割には極めて低い。プレミアム殿堂してからも大きく変わってはいない。
    • 余談ではあるが、Magic:The Gatheringにおいても《王冠泥棒、オーコ》というカードでこれと非常に近い事例が起きている。両者ともにを持ったカードであり、かつ両カードとも大川ぶくぶと接点がある。無関係な2枚ではあるが、なんとも奇妙な偶然の一致である。

このカードが採用された主なデッキ [編集]

関連カード [編集]

フレーバーテキスト [編集]

収録セット [編集]

参考 [編集]